2009年09月10日

カラオケ店で風適法違反!?そしてカラオケ業界が秘める法的問題

シダックスと言えば大手カラオケチェーンですが、風適法違反容疑で書類送検されたそうです。

詳細はこちら↓

http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009090801000841.html



カラオケ店と風適法がどう関係するのか不思議に思われるかもしれません。



今回のケースの違反の根拠ですが、未成年者が飲酒、喫煙することは未成年者飲酒禁止法と未成年者喫煙禁止法で禁止されています。



未成年者飲酒禁止法

未成年者自身が飲酒することを知りながら、未成年者に対して、酒類を販売・供与した営業者に対して、50万円以下の罰金を科す(3条1項)。

未成年者の飲酒を知って制止しなかった親権者や監督代行者に対して、科料を科す(3条2項)。



未成年者喫煙禁止法

第5条

未成年者が自分自身で喫煙することを知りながらたばこや器具を販売した者は、50万円以下の罰金に処せられる。



どちらも、店などが未成年者に酒やたばこを提供販売することを規制しています。

ところが、風適法では風俗営業者に対し、それらの法律よりもさらに厳しい罰則を定めています。



 1年以下の懲役又は百万円以下の罰金、併科。(風適法50条1項4号)



罰金は2倍だし、懲役もありうるということです。



今回はより厳しいほうの法律が適用されたわけですが、カラオケ店が風俗営業者だとは、世間も、シダックスさん自身もまさか考えてはいないでしょう。



それでは風適法の罰則が適用されてしまったのはなぜかと言うと、あまり知られていませんが実は風適法は一般の飲食店営業についても規制を定めているのです。



用語の読み替えが複雑なので、風適法の条文をみてもわかりにくいのですが、一般飲食店に適用されうる規制は次のとおりです。



@深夜営業に関する客引き禁止

A深夜営業に関する客引きのための通行妨害やつきまといの禁止

B18歳未満の者に夜10時から日の出時までの時間に接客させることの禁止

C夜10時から日出時までの時間に18歳未満の者を営業所に立ち入らせることの禁止(保護者同伴の場合を除く)

D営業所で20歳未満の者に酒、たばこを提供することの禁止



@からCまでの禁止は夜間営業に限られますが、Dについては昼であろうと夜であろうと関係なく全ての一般飲食店に適用されうる規制です。



たとえば以前に大手餃子店チェーンでも、おなじように風適法違反(未成年者への酒の提供)で立件された事例がありました。



法律違反に変わりないことなので、事業者にとっては風適法違反か未成年者飲酒禁止法違反か、と言う点はどうでもよいことなのかもしれません。



ただひとつ、今回のケースで気になるのは、カラオケ店は本当に「一般の飲食店」扱いでよいのか、という点です。



この事件では、酒類が提供されている時間が深夜であり、泥酔して救急車の要請が必要になるまで店は放置したと思われても仕方がないでしょう。



放置というと言いすぎかもしれませんが、それは個室、つまり店側から目が届きにくく、客を規制しにくい「隔離された狭い空間」で発生している現象です。



実は風適法ではこのような現象をあらかじめ想定しています。

ですので、深夜に酒類を提供する飲食店に対して「深夜酒類提供飲食店」としての開業届出を公安委員会に行うことと、構造設備基準を維持することを義務付けています。



さて、本件で店舗が公安委員会に届出をしていたかどうかは知りません。

しかし、もし深夜酒類提供飲食店であるなら次のような構造設備基準があります。



<客室が複数存在する場合には1室の床面積が9.5平米以上でなければならない>



この条件を一般的なカラオケチェーンが全店全室でクリアしているのだろうか、という点が気にかかっています。

というのも、かつて、とあるカラオケチェーン店の個室をみたときに、「あきらかに9.5平米には足りないなあ」と思ったことがあるからです。



さらに、もう10年近く前の話になりますが、ある警察幹部の方にこのことを聞いてみたことがあるのですが、「もし社会問題にでもなれば無視できない」というようなお答えをいただいた気がします。



つまり、カラオケ店業界として潜在的に風適法違反のリスクがあり、ということにならないだろうかという疑問です。

現状ではこの問題について行政は執着を示していません。

すでに社会に定着し、特に問題が起きていない営業について、違反として取り締まるのはしのびない、という感覚は私には理解できます。



しかし、カラオケ店における違反やトラブルが社会問題として取りざたされてゆくと、やがて行政も腰をあげざるを得ないと思うのです。



このように、風適法には「使われる部分と使われない部分」があって、それは一般の市民感覚からすると、「トンデモナイ」というとらえられ方をされるかもしれません。



しかし、こういった現象はなにもカラオケ店業界だけのことではなく他の飲食業界でもありうることであり、風適法に限ったことでも、警察行政に限ったことでさえもありません。



ただ世間の印象と実際の法の運用にはズレがあるなあと考えるキッカケとなる話だったので、ここでアップしてみました。



hino


posted by 風営担当 at 11:09 | TrackBack(0) | 飲食店業界

2009年09月09日

パチンコ店の来店ポイントは合法か

このところパチンコ店の広告宣伝に関する指導が強まりつつあるようです。



ところで来店ポイントの考え方ですが、警察庁では解釈をだしているようです。

但し正式な通達ではないようです。



その内容はまことにごもっともなものですが、

「基本的にパチンコ店では遊技結果に応じた等価の賞品を提供することになっており、これ以外の賞品提供はできない。但し、ボールペンとかジュースとか、いわゆる粗品に該当するものついては商慣習上仕方が無い。」

という意味のようです。





来店ポイントが1回につき200円というのは景品表示法による規制ですが、これはつまり「粗品」としての物品の上限でもあるわけです。



そのポイントを蓄積して「たらば蟹」だの「松坂牛」だのを提供してしまえば当然ながら「粗品」ではなく「賞品」ということになり、等価の原則に反するということになります。

2009年09月04日

神奈川県警の行政処分件数

先日、神奈川県警本部さんに過去3年の行政処分件数を教えてもらいました。



メモをなくしたら数字がわからなくなってしまうので、このブログに掲載しておこうと思います。



別に秘密にすべき情報でもないそうですので。





神奈川県警での風適法による行政処分件数







    許可取消  営業停止  指示処分



H18年  83     24     1038



H19年  41      7        1077



H20年  22     14      945



平成18年が突出して件数が多いのですが、これは警察庁から取締り強化の指示があったからだそうです。



たしかにそのころから取締りの質がガラっと変わりました。

それまでは無許可営業のスナックが堂々と営業していましたし、深夜酒類提供飲食店の届出だけでクラブ営業をしている店も珍しくありませんでした。



とあるセレブなクラブのママさんが無許可営業だったので許可について教えてあげたところが、「風俗営業の許可なんかとったって意味無いじゃない」って笑われたことがありました。

今では考えられないですけど。



1年前は一昔。ホントにそう思いました、その頃は。。。

しかし、その頃から風俗営業の業界は逆風が続いています。

いつか日の出が見えるときがくるのでしょうか。


posted by 風営担当 at 08:43 | TrackBack(0) | 風営法一般