2009年10月28日

そろそろ危険 「営業所の範囲」も広く確保した方が有利

保育所や幼稚園を増設しようとする動きがあります。

認可設備基準や建築基準法など関連法令の改正によって、近い将来に駅周辺など商業地域にも設置しやすくなると思われます。

当然ながら風俗営業の新規出店の障害となりえます。



すでに許可を持っている風俗営業者でも安心はできません。

もし営業所建物を増設したい場合には、すでに許可条件がついている場合に拡大ができない場合がありえるからです。



営業所の拡大の際に問題となるのは、その営業所の範囲がどこまでかと言う点です。

これが「営業所床面積」と混同されやすいのでご注意いただきたいです。



たとえば風俗営業許可取得後、営業所の近隣に幼稚園が設置されたとします。

その営業所は既得権を持っていますから、相変わらず営業を継続できますが、もし営業所の範囲を拡大するとなれば話は変わります。

つまり幼稚園が存在する方向に向かって拡大できないおそれがあるということです。

これは許可条件の内容にもよりますが、条件は許可交付後でも付与できてしまうので、今現在許可条件が無いからと言って安心できることではありません。



そして問題は、その営業所の範囲がどこまでか、ということがそのホールで認識されていない場合がとても多いということです。

多くのホールでは「営業所床面積のことだ」と勘違いしていますが、「営業所の範囲」とは、その営業のためにもっぱら利用されている部分のことであり、客室、通路、更衣室などはもちろんのこと、駐車場や庭、生垣や植え込み等も包括して営業所の範囲に含めることができます。



ただし、その営業所の範囲は風俗営業許可審査において必ずしも明らかにされているわけではなく、行政は近隣に保護対象施設が無い場合には、どこまでが営業所の範囲であるかをあまり意識しないで審査されている場合もあって、後でややこしい話になることがあります。



風俗営業許可申請時には「営業所付近の略図」というものを提出しますが、これは近隣の保護対象物との関係を示し、風適法令で定められた「場所の基準」を満たしていることを示す資料なのですが、この略図の中で営業所の範囲を明確にしめしているのか、あいまいに記載されているのかということも気になりますし、専用駐車場が付属しているのに営業所建物を基準に、つまり実際より営業所の範囲を小さく解釈して許可を受けている場合もあり、略図そのものが紛失している場合もあり、その後の構造変更によって営業所の範囲が拡大していることもあります。



いずれにせよ、建物の床面積とは別に、「営業所の範囲」という概念を意識することが非常に重要であって、もし将来において幼稚園や保育所が近隣に設置された際には、その「営業所の範囲」が既得権の範囲なのですから、その範囲を行政に提出する資料によってあらかじめ明確にしておかないと、その既得権の範囲についてもめてしまうおそれがあります。



ですので、構造変更などの機会をとらえて、なるべく広く「営業所の範囲」を確保する手配をしておくことをおすすめします。

そうすれば、将来営業所を拡大したいときに不安を感じないで済むかもしれません。



ただしひとつご注意いただきたいのは換金所等の問題です。

営業所の内部に換金所を取り込んでしまうと換金行為への関与を示唆することになりかねませんので、これは慎重な判断が必要です。

いずれ換金問題も重大な問題になるでしょうから、今のうちに改善しておくことをおすすめしますが、闇雲に営業所を拡大すればよいとも言えません。

その営業所の状況をふまえて柔軟に判断していただきたいと思いますが、保護対象施設が設置されてしまった後では選択肢がかなり減りますので、「ウチはまだ大丈夫」と思っている間に考えなければなりません。



hino

2009年10月22日

営業所床面積は広くとっておいたほうが有利

あまり知られていませんが、風俗営業の営業所を拡大する場合に、その営業所床面積が2倍を超えてしまうと、新規許可取得の取り扱いになってしまいます。



これは警察庁の解釈基準の中の「営業所の同一性」に関する部分で、「営業所の建物の床面積が従前の2倍を越えることとなる増築」は営業所の同一性が失われるとされています。



たとえば平屋のパチンコ店で営業所床面積が1000平米だったとします。

その店舗が2Fに増築して2Fも遊技場として使用することになり、全体の営業所床面積が2010平米になってしまったとすると、その構造変更は承認されず、新たに風俗営業許可を取得しなおさなければなりません。



実を言うと、この<解釈についての解釈>として、営業所を平面的に拡大する場合ならともかく、平屋を2階建てに、つまり上に向かって増築する場合にもあてはめてよいのか、という点については疑問を感じています。

しかし現在のところは「営業所床面積が2倍を越えたら」という文章しかでていないので、公安委員会がダメというならダメ(とりあえずは)ということでしょう。



1Fのみの店舗が 1F+2F になるケースと言うのは、手続を担当する者としては非常にやりにくいものです。

予定では2倍以内のつもりだったけど、いざ施工しおわってみるとそのとおりにならないということがありえるからです。



設計図面どおりにならないはずがない、と思われるかもしれませんが、営業所床面積というのは設計図面上のワンフロアの面積と一致するとは限らないのです。

これについて説明すると話が長くなるので触れませんが、いずれにせよ2倍ぎりぎりになりそうな増築はリスクが高すぎるので、どうしても余裕を持たせた計画にしてほしいものです。



そしてもうひとつ重要なことは、将来増築の可能性があるのであれば、営業所床面積はなるべく広く確保しておいた方がよいということです。



たとえば公安委員会から許可を得ているのは遊技場部分だけで、別フロアに許可を得ていない事務室や倉庫があるというケース。

こういったケースはよくあるのですが、機会を見つけて営業所を拡大する手続をしておいた方が、将来増築する際にハラハラしないで済む確率があがります。



「増築したい」と思ってから考えるのはもったいないです。

もちろん将来増築する可能性がないのであれば結構なのですが、そういったことも念頭の置いたリスク判断をしていただきたいと思います。







hino

2009年10月06日

実務家おすすめの本

最近、「注解風営法」という本を買いました。

東京法令出版からでています。

1冊7000円ですからちょっと高いです。



これまでパチンコ店向けの学習コンテンツを作るときには「風営適正化法関係法令集」だけで済ませていたところ、風適法の条文解釈で悩むことがしばしばあったので、学術書として1冊購入することにしました。



読んでみるとさすが値段が高いだけのことはあって、実務に関わる者にとってはとても大事な情報がたくさんのっています。





風適法の理解に真剣に取り組んでおられるホール様におすすめの1冊です。

いや、実は2冊で1セットになっていますけれど。。。



風適法に関する裁判例や、法改正時における国会の質疑応答などが適所に盛り込まれており、これまで判例探しや国会答弁の資料を得るためにわざわざ国立国会図書館まで足を向けていた私にとっては非常にありがたい書物なのです。



というわけで、今後は赤い本(法令集)と緑の本(注解風営法)で仕事することとなります。





posted by 風営担当 at 20:47 | TrackBack(0) | 風営法一般