2010年07月29日

従業員の年齢確認

言うまでも無いことですが、接待営業の許可を受けている営業所では、18歳未満の者に接待をさせてはならないことになっています。

そして、従業者を雇う際には必ず生年月日等を確認して、18歳未満の者を雇うことが無いよう注意しなければなりません。

その際には、住所、氏名、本籍、国籍、生年月日等を証明する公的証明書を提示させて確認し、その証明書のコピーを従業者名簿とともに保存する義務があります。

これらの証明書類を保存することには、年齢確認について過失があったかどうかを判定する意味があります。



たとえば17歳の少女が姉の運転免許証を提示しつつ自分が18歳であると主張していた場合に、それを知らない営業者がだまされて17歳の少女を雇用してしまったとしても、その運転免許証のコピーが保存されていて、その営業者が確かにだまされていたのであろうと想定されるのであれば、17歳の少女に接待させてしまったことについて「過失がなかった」と考えることができます。



言い換えれば、「私はだまされたんです」と主張してみても、それを裏付ける証拠が無い限りは「少なくとも過失があった」ということになり、風適法違反の罪に問われることになります。



一般的に犯罪が成立するためには実行者の「故意」が立証される必要があります。

ところが風適法では、18歳未満の者に接待させてしまった場合には、その従業者の年齢を知らなかったという言い訳はできないことになっていて、例外的に、その営業者に過失が無いことが証明できた場合には罪を免れることになっているのです。



従業者名簿の作成管理は、営業者が万が一18歳未満の者に接待させてしまった場合に、その過失が無かったことを立証するためなのであって、本来は営業者の身を守るために行うのだという点をご理解いただきたいです。



第五十条  次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

1 (省略)

2  第二十二条第三号若しくは第四号(第三十二条第三項において準用する場合を含む。)、第二十八条第十二項第三号、第三十一条の三第三項第一号、第三十一条の十三第二項第三号若しくは第四号又は第三十一条の十八第二項第一号に掲げる行為をした者は、当該十八歳未満の者の年齢を知らないことを理由として、前項の規定による処罰を免れることができない。ただし、過失のないときは、この限りでない。



さらには、従業者名簿の不備は指示処分の理由としてもっとも割合が多いので、万全を期して作成管理していただきたいです。

たとえば、本籍地欄が空欄だったというだけで指示処分が出ることがあります。

従業者を雇用した際には、労働させる前に名簿を完備してください。

来客が多くて人手不足になったときに、系列店から急遽従業員を派遣したところ、たまたま警察の立ち入りがあって行政処分を受けてしまったということはよくあります。

また、退職後3年が経過してないのに名簿を処分してしまったというミスもあります。

たとえば、19歳の少女が薬物事犯で立件され、薬物購入費の出所を調べたところ、17歳のときに社交飲食店で働いていたことが判明した、というケースであれば、その少女が退職して3年が経過していないので、もし店で従業者名簿を保管していなかったとしたら非常にやっかいなことになるかもしれません。



このような現実がありますので、従業者を雇う際には年齢について確認し、名簿を作成管理し、退職後3年間は保存し、書類に不備が無いかどうか定期的にチェックしなければなりません。



H

2010年07月26日

2号営業(社交飲食店)における注意点 その1 客引き

風適法第二十二条  

風俗営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。

一  当該営業に関し客引きをすること。

二  当該営業に関し客引きをするため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。



この条文をよく見てください。

客引きをすること、そして、客引きをするために「道路など公共の場所」で、「人に身辺に立ちふさがり」、又は「つきまとう」。

こういった行為を行うことが風適法で禁止されており、刑事罰と営業停止処分の対象となります。

実際のところ、摘発を受けると2月の営業停止処分になっているケースがほとんどです。



「客引き」とは、相手方を特定して客になるよう勧誘することを意味します。

「相手方を特定して」とあるので、一般の通行人にチラシを配布したり、看板を見せたりするなどの行為は「客引き」には該当しません。

多数の通行人に向かって「お時間ありませんか」とか「いい子がそろってますよ」と声をかけるだけなら「客引き」ではないと考えられていますが、通行人のうちの誰かを選んで声をかけてしまうと「特定して」にあたります。



よく八百屋のおじさんが、作業をしながら「安いよ〜、うまいよ〜」と渋い声を出してたりしますが、ああいう場合には特定のお客さんを対象にしているのではなく、大勢のお客さんを意識した「掛け声」に近い方法になっていますので、客引きにはあたりませんが、「あなたに向けてしゃべってますよ」と通行人から感じ取られるような方法の場合は「客引き」になってしまうということです。



たまに誤解されているのですが、客を営業所まで引き込まなくても「客引き」は成立します。

条文を見ても、「営業所に引き込んだら・・・」という意味の言葉はありません。

客を特定して勧誘したら違反なのです。



また、拡声器を使ったり、とりわけ大声で呼びかける、手招きするなどの行為は、客引き禁止の趣旨から客引きにあたると解釈されるおそれがあります。

客引き禁止の趣旨とは、簡単に言えば、風俗営業のために平穏な往来の邪魔をするな、ということです。

社交飲食店は大人だけの特殊な世界なのですから、子どもや学生が歩いているかもしれない街角で、彼らに影響を及ぼさせたくないし、風俗営業に関心の無い人たちを巻き込まないで欲しい、と風適法は考えているのです。



客引きだけでなく、客引きを目的として立ちふさがったり、つきまとったりすることも処罰対象になっています。これを「客引き準備(類似)行為」と言います。

通行の妨害になるような行為をした時点で処罰対象になる恐れがありますので、通行の邪魔になったり、通行人を追尾するような行為は違法であると考えてください。



これら「客引き」と「客引き準備行為」に対する処罰は、実行した者だけでなく、実行者を雇った風俗営業者にも及ぶことになっています。(両罰規程)

営業者が直接雇用していない人間を使ったら処罰を免れるのではないかと考える人がいるようですが、実行者が何らかの形で風俗営業者から依頼を受けて客引き等を行ったのであれば、共犯として処罰を受ける恐れがあります。



次に、迷惑防止条例によって、風適法よりも広い範囲で規制されている点についても注意が必要です。



客引き等の実行者が特定の風俗営業者のために行ったということが立証できなかった場合でも、迷惑防止条例による「客引き禁止」の規定によって処罰対象となる場合があります。

迷惑防止条例では禁止対象を「風俗営業を行う者」に限定しておらず、接待をさせる目的で客引きをしただけでも条例違反となることがありますが、条例の内容は都道府県により異なります。



東京都迷惑防止条例:略称

第7条1項3号

異性による接待(風適法第2条第3項に規定する接待をいう。以下同じ。)をして酒類を伴う飲食をさせる行為又はこれを仮装したものの提供について、客引きをし、又は人に呼び掛け、若しくはビラその他の文書図画を配布し、若しくは提示して客を誘引すること(客の誘引にあつては、当該誘引に係る異性による接待が性的好奇心をそそるために人の通常衣服で隠されている下着又は身体に接触し、又は接触させる卑わいな接待である場合に限る。)。



この規定を見ると、客引きだけでなく、呼びかけ、ビラ配り、看板等の提示など、客を誘引する行為も禁止されていますが、接待営業の中でも、卑猥な接待営業を行う場合に限られているので、一般的な社交飲食店は対象外だということです。

「誘引」は「客引き」よりも広い意味になっています。
posted by 風営担当 at 13:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 未分類

2010年07月20日

風俗環境に関する苦情

ある日、飛び込みで、こんな電話の相談がありました。



<知人が働いている風俗店では、性病対策をしていないばかりか、性病に感染して手術したばかりの店員を恫喝して強制的に働かせようとしている。警察にも保健所にも相談に行ったが動いてくれない。>



合法的なヘルス営業のお店であれば、そこまで劣悪な環境ではなかろうと勝手に想像したのですが、場所を聞いてみると、やはり性風俗営業が禁止されている地域の店のようでした。



その店の実態はわかりませんが、世の中には営業禁止区域で営業している特殊な風俗店がいろいろあって、法的に様々の問題を含んでいることが多いのです。

もし脱法的に営業している店であるとすれば、衛生面にまで注意を払っているものかどうか期待はできないです。

従業員だけでなく、客も被害者になる恐れがあります。



いつの時代も悪質な営業、違法な会社はあります。

警察は定期的に摘発していますから、すぐに反応されなくても、長続きはしないでしょう。

なるべく怪しい仕事には近づかないように。。。

すでに関係各所に相談しているらしいので、その程度のアドバイスしか思いつかないのですが、この不景気ゆえに説得力がないかもしれません。



風適法を見ていてフト気がついたのですが、風俗環境浄化協会の事業目的には「風俗環境に関する苦情の処理及び啓発活動」と書いてあります。

風俗営業所の検査と管理者講習だけが仕事なのかと思っていましたが、苦情の処理として話を聞いてくれるのかもしれません。

少なくとも、ウチの事務所に苦情を言うよりは意味があると思います。



HK


posted by 風営担当 at 09:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 風営法一般