2010年08月25日

APEC入替え自粛と独占禁止法

最近、ある件で独占禁止法のことを調べていましたら、次のような条文を見ました。



私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律

第八条  事業者団体は、次の各号のいずれかに該当する行為をしてはならない。

一  一定の取引分野における競争を実質的に制限すること。

二  第六条に規定する国際的協定又は国際的契約をすること。

三  一定の事業分野における現在又は将来の事業者の数を制限すること。

四  構成事業者(事業者団体の構成員である事業者をいう。以下同じ。)の機能又は活動を不当に制限すること。

五  事業者に不公正な取引方法に該当する行為をさせるようにすること。





気になるのは、



一  一定の取引分野における競争を実質的に制限すること。



四  構成事業者(事業者団体の構成員である事業者をいう。以下同じ。)の機能又は活動を不当に制限すること。



の部分なのですが、「APECにあわせた入替え自粛」というのは、果たしてこれに抵触しないのだろうかとの疑問が浮かんできました。



もともと気になってはいましたが、あまりに堂々と行われているので、ほとんど気にも留めず、このことをきちんと考えたことがありませんでした。



遊技機の入れ替えをするのは当然ながら客へのサービスの向上のためということになるでしょう。売上アップのためにやってるんでしょうから。



そうなると、遊技機を入替えるという行為も「競争」の一種であろうと思われます。



自粛とは要するに「競争の制限」にあたると思うのですが、この制限の理由が「APEC」ということは、合法性の理屈として成り立つのでしょうか?



行政は風営法で義務付けられている手続について開庁時間中に受付ける義務がありますが、当然ながら行政の方から「APEC期間中は受付できません」なんてことは、法的根拠が無いので言えません。



つまり入替え自粛には法律による根拠は無く、業界の一方的な判断によるものですので、これが「一定の取引分野における競争を実質的に制限すること」にあたらないのだとしたら、どのような理由によるのだろうかと思ったのです。



今回が初めてのことではないし、何かしらの理由があって公取が合法性を認めているのかもしれないので、私としては自信を持ってはいません。



ただ、この独禁法の条文を見て、業界団体としてはいったいどのような論理構成を備えているのだろうかと、フト、思った次第です。



おそらく、充分検討されたうえでのこととは思いますが。



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2010年08月17日

年少者立入り禁止は徹底していますか?

風営法で規制されている営業の多くで、18歳未満の客の入店や利用が禁止されています。

風俗営業の場合、ゲームセンターを除く全ての営業で18歳未満の客を営業所に立ち入らせることが禁止されており、ゲームセンターでは年少者の入店はできるものの、夜間の一定の時間における年少者の入店を禁止しています。



この違反については、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金、となっています。

行政処分ならばB量定。

40日以上6月以下の営業停止等命令。基準期間は3月となります。



接待飲食店やパチンコ店等では、かなり厳しく遵守していると思いますが、問題になりやすいのがゲームセンターです。

ある時間は年少者を入れても良いが、ある時間を過ぎたらダメ、となるからです。

たとえば神奈川県では夕方の6時以降は16歳未満の客を入店させられませんのが、5:50に入店した15歳の少年がたとえゲーム中であっても、6時までに追い出さなければならない、ということになります。

 

ゲーム中の客にゲームを途中でやめさせるということができますか?

と質問したら、おそらく多くのゲームセンターでは「それは無理」という反応になるような気がします。

しかし、それはゲームセンターという業界の方々の感覚であって、これをパチンコ業界の人に聞いたら、必ずしもそういう反応ではないでしょう。



私の感覚からすると、ゲームセンター業界の皆さんは風営法と警察行政に対するリスク判断が比較的甘いです。

営業者側にとって都合のよい解釈が、ある程度通用すると思い込んでいる人が多いのです。



当然ながら、風営法は業界ごとに処分の軽重を分けているわけではないので、たとえゲームセンターであっても基本的には同じルールなら同じ運用で適用されることになります。

「えっ。この程度のことでも処分を受けるの?」

という結末に至るリスクが常にあるということは忘れないでいただきたいです。



風俗営業者は年少者の立ち入りを防止するために精一杯の努力をすることが求められていますので、「知らなかった。」「気がつかなかった。」という言い訳が通用するわけではありません。

もし「知っていて入店させてしまった。」ということなら、なおさら責任が重いということになるでしょう。



日頃から年少者の入場制限について、注意の張り紙をしたり、アナウンスで呼びかけたり、客に声をかけたり、身分確認を行ったり、といった作業を行う必要があります。

さらに重要なことは、その実施した記録を作成し保管することです。



口先だけで「やってます。」は通用しない場合があります。

これらの作業をどのように行ったか、従業員にはどのような指示をしているか、ということが後日明らかにできる状態にしておくことがリスク対策として重要です。



ゲームセンターに限らず、経営者さんに「大丈夫ですか?」と質問すると、ほとんどの人は「大丈夫、大丈夫。」となります。

しかし、私達の目線ではぜんぜん大丈夫には見えていません。

「9割大丈夫。」を許せる人と許せない人とでは、リスクが根本的に異なります。

「大丈夫」と思う人にこそ、営業所のリスク対策をもう一度考えていただきたいです。

本当にリスク対策をしている人なら、簡単に「大丈夫。」とは思わないものです。



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