2011年06月07日

無許可営業でタレントの夫が逮捕のニュース…本当の経営者が誰か

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110607-00000566-san-soci

有名なタレントさんの夫が風営法違反で逮捕されたというニュースです。



風営法違反のニュースは別に珍しくもないのですが、風営法しか取り柄の無い自分にとっては、芸能人と風営法が関連してニュースになってしまうという珍しい話題ですから、つい関心を持ってしまいます。



しかし記事をよく見てみますと、気になるポイントがありました。

夫(Aさんとします)が逮捕される前に別の経営者(Bさんとします)が無許可営業で逮捕されています。



以下は憶測ですが、Bさんは飲食店の許可名義人で、店舗の現場を統括していたのかもしれません。

Aさんは経営資金を提供していて、月々の売上げの一部を手にしていたのかも。



こういう場合に、Aさんが月々取得するお金の性質が、貸付金の回収なのか、投資による利益なのか、経営者としての収益なのか、という問題がありますが、当事者自身がそのことを明確に理解していないという状況が、私の経験ではありえると感じています。



もしAさんが経営者であるなら、無許可で風俗営業を行った責任を負わなければなりませんが、経営責任が無いのであれば、風営法違反の責任も無いということになります。



飲食店の世界では、お金の性質が明確でないまま、契約書も作らずにやりとりされていることが珍しくないようです。

それはそれでウカツなことかもしれませんが、風営法違反が成立するかどうかは、状況次第ではありますが悩ましいケースもあると思います。



Bさんが風俗営業許可を取得して営業していれば、結果としてはこのような事件に発展しなかったかもしれませんが、真実の経営者が誰なのかということは、風営法違反の一種である「名義貸し」の該当性の問題とも関係しますし、少々気になるニュースなのです。ちょっと珍しい事態になっているのではないかという気もします。



まだ逮捕されただけの段階ですし、あくまで憶測なのであまり深くは言えませんが、何か他に背景があるのかもしれません。

今後さらに気になる情報が入ってきたらアップしようかと思います。






posted by 風営法担当 at 21:17 | TrackBack(0) | その他

暴排条例でまさかの勧告

今年の4月までに、全国の都道府県では暴力団の排除に関する条例を整備

してきました。

神奈川県ではこの条例に違反した飲食店に対して、公安委員会から県内初の勧告処分が出ています。



http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1106060054/(神奈川新聞)



排除条例の名称や内容は各都道府県によって若干異なりますが、神奈川県の場合では、条例で禁止される利益供与行為には、融資すること、融資を受けること、増改築を請け負うこと、場所を提供すること、等が含まれており、これら意外にも禁止事項や努力義務が、広く、かつこと細かく規定されています。



一般の事業者に対し罰則を適用している県もあります。

詳しくは各都道府県の条例をご確認ください。



罰則の適用を受けないにしても、勧告がこうしてニュースとして世間の目に

ふれてしまうとなると、罰則以上のダメージを受けるおそれもあります。



まさかとは思いますが、今後パチンコ関連企業が勧告を受けてニュースになるようなことはありませんよう。

条例では、他人が条例に違反していることに気がついたときに、公安委員会に通報する努力義務まであるのです。



ここのところイメージダウンのニュースが続いているP店業界ですが、世間の目が一段と厳しくなっているこの時期ですから、どうか油断なきよう。

今一度ご注意いただきたいところです。



あとは、いかにしてリスクを発見するかということですが、それは別の機会にしましょう。


posted by 風営法担当 at 12:04 | TrackBack(0) | その他

2011年06月02日

違法風俗店をネット広告掲載した会社ら摘発

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110601/crm11060113030017-n1.htm



ニュース記事の文章では「無許可の性風俗店」と表現されていますが、これは誤りで、性風俗店は「許可制」ではなく「届出制」ですから、「無届けの性風俗」とする方が適切です。

ここは非常に勘違いされやすい点なので説明します。



風俗営業は法律によって原則として禁止されている営業なのですが、公安委員会の許可を得たらやってもよい、という営業です。

自動車の運転免許と同じです。



一方、店舗型性風俗営業は一定の場所での営業が一切禁止(許可されることはない)されており、その禁止エリアが非常に大きいので、いかにも「全面禁止」のように誤解されやすいのですが、法的には「誰でも勝手にやってもよい営業(但し、法令の要件を満たしていれば)」です。



性風俗営業は、一定の条件を満たしていれば誰でも「勝手に」やってよい営業なので、事前に許可を得る必要は無いのですが、それでは警察が営業実態を把握できないので、営業開始の10日以上前に届出をする義務があります。



無届け性風俗店が罪に問われるパターンには、「禁止されている場所で営業した」というケース(禁止区域営業)と、「届出という手続をしなかった」というケース(届出義務違反)の二つがあります。



次に、ニュースの法律違反を解説しますと、風営法では公安委員会に届け出ていない性風俗店は広告宣伝してはいけないことになっています。(風営法27条の2)



今回は性風俗店ではなく広告宣伝をした会社が違反に問われている点がトピックなのですが、刑法の世界では「幇助罪」という罪があって、他人の犯罪の実行を容易にする行為(いわゆる手助けのこと)についても処罰できる場合があります。

つまり、性風俗店が行った違法な広告宣伝に手を貸したという罪で逮捕されたものと推測します。



性風俗店が無届け営業であることを知らずに広告宣伝した広告会社は罪に問われません。

しかし、警察からは届出確認書の確認にはげむよう指導されており、業界として届出確認は一般的慣行になっています。

広告掲載された100店舗のうちのほとんどが無届けであったわけですから、「知らなかった」とは言い訳できないということです。



余談ですが、開始届出書の書き方について、広告業界の方から行政よりも細かいことを言われることがあります。

届出内容と広告の記載が異なってしまうと違反に問われてしまうのではないかと心配しているからです。



しかし、広告会社が罪に問われる理由はすでに述べたとおり、「営業開始届出の確認を受けていないことを知っているのに宣伝した」ということなのであって、呼称やら、営業方法やら、ふりがなやらが一字一句完全に同じである必要はなく、肝心な部分だけをしっかり確認しておけばよいのです。



今回のニュースを見て、一般の広告業界の方が心配する必要はないということです。
posted by 風営法担当 at 10:46 | TrackBack(0) | その他