2011年11月13日

ISO26000という規格ができたと聞きましたが、ISO9000や14000のように認証を取得するものなのでしょうか?

 会社経営に影響を与えているのはどのような人たちでしょうか。ホール企業の場合ですと、まずお店に来店してくれるお客様、ホールの従業員、そして会社に出入りしている色々な業者さんといったところでしょうか。さらに忘れてはいけないのが、近隣にお住まいの方や毎日お店の前を通っていく人たちです。こういった人たちのことを「ステークホルダー(利害関係人)」と呼びます。

 株主や従業員、消費者等が企業の活動に対して「物言わぬ」存在だった時代には、企業はその存在を意識しないで済みましたが、現在ではステークホルダーが企業に対して積極的に影響力を行使する存在となってきており、ステークホルダーへの対応を誤った企業ではブランドイメージが大きく傷ついたり、莫大な損失を受けたりするといった事例が増えています。

 3月11日の大震災が原因となって発生した福島第一原子力発電所の事故による電力不足から、パチンコ業界に対しても節電努力への期待がかけられています。業界としても、その期待に応えようと不要な電力消費を抑えるなど色々な節電対策を行っています。このように企業がステークホルダーに配慮しながら事業を行う姿勢が、「CSR(企業の社会的責任)」として社会から求められているのです。企業が継続的にステークホルダーに配慮した経営を行っていこうとすると、企業がそのためにどのように対応すれば良いのかというガイドラインが必要になります。

 これまでにもCSRに関するガイドラインはいくつか出されてきましたが、2010年11月に国標準化機構(ISO)から、企業だけではなくほぼ全ての組織がその対象となるISO26000「社会的責任に関する手引」(Guidance on social responsibility)が発行されました。ISOは、世界標準となる規格を策定する国際組織で、非常に大きなブランド力をもっていますから、ISO26000の動向は早くから世界的に注目を集めていました。

 その特徴は、過去のISO9000シリーズやISO14000シリーズにあるような、「〜しなければならない」という「要求事項」がないということと、発展途上国を含む90カ国以上の国と40以上の国際的機関からそれぞれ政府、産業界、労働団体、消費者団体、NGOや、有識者といった多様な関係者(マルチステークホルダー)が参加して策定されたことにあります。

 ISO26000には、企業に対して「〜するべきである」という推奨事項が多く記載されているという意味で「ガイダンス文書」と呼ばれており、第三者機関による認証もできませんし、「当社はISO26000に適合している」という自己適合宣言を行うこともできません。それぞれの企業が独自に、その実情にあわせて柔軟に課題に取り組むことが求められている点が、規格への適合性を審査して認証するというこれまでのISO認証規格とは大きく異なっています。

ISO26000が、なぜこのような構造をしているかというと、持続可能な発展を実現するための取り組みはまだまだ発展途上であって、これからも多くの課題や成果のある取り組み事例(グッドプラクティス)が蓄積されることによって、社会的責任が現在の状態で留まることなくこれからも進化していくということが期待されているからなのです。

ISO26000では、「組織統治」、「人権」、「労働慣行」、「環境」、「公正な事業慣行」、「消費者課題」、「コミュニティへの参画及びコミュニティの発展」という7つの中核主題について、企業が主体的な行動をする際のガイドとして活用することができるようになっています。認証も自己宣言もしなくていいということで、ISO26000を活用しようとする企業は、それぞれの組織ごとに対応しやすい分野から取り組むことが可能です。

認証規格ではなくガイダンス文書であることから、個々の企業がわざわざ対応する必要はないと誤解されがちなのですが、これまでは考慮する必要のなかった小さなリスクであっても、企業の社会的責任を厳しく追求され、企業の存亡を左右するきっかけになりかねません。現にステークホルダーである一般消費者の評判が稼動に直結しているホール企業であれば、企業の社会的責任を意識した経営を行うことはなおさら重要です。そういったリスクをなるべく小さくするためにも、可能な部分からISO26000を活用することが重要になってくるのです。

M.Imamura
posted by 風営法担当 at 00:00 | 法務相談カルテ

2011年11月12日

ホールの指示処分が出ています。もう一度風営法を見直しましょう。

 ここ数日の間に各方面で、ホールが指示処分を受けたという情報が入っております。
 広告宣伝に関するものも、それ以外のものもあります。
 立入りの際にチェックの対象となるのは広告宣伝だけではないので、ホール営業全般について見直ししておいて欲しいということは、この夏の頃から皆様にお願いしていた事ではありました。
 やはりここにきて、行政の立入りが頻繁になると、広告宣伝だけでなく、様々な風営法又は条例違反が摘発されるようになってきました。

 「今までは言われなかったから大丈夫。」という考えは、この際捨てましょう。
 「年末になれば行政も忙しいから、そのうち忘れてくれるさ。」なんて甘い期待はやめましょう。
 今更ではありますが、ホールの問題点をもう一度念入りにチェックしてください。
 
 何度も言いますが、90点ではだめなのです。
 行政が求めているのは100点満点です。
 1カ所でも違反があれば指示処分はでます。
 指示処分がでれば、2度目は致命傷かもしれません。
 「たぶん大丈夫」の思いこみはキケンです。

 都市部に比べて、地方は比較的「甘い」と思ってきました。
 しかし、地方でもすでに非常に厳しい指導を受けているところがあるようです。
 もう時代は変わっている。これからもさらに変わる。
 そう言う認識で対応していただかないと、今後は非常にキケンだとお考えください。
  
 まず、風営法をよく勉強しましょう。
 管理者講習で聞くような、「アレはダメ、これもダメ」といったレベルの話ではありません。

 許可営業の責任とはどういうものなのか。
 賭博罪との関係性はどうなのか。
 行政処分の仕組みはどのようになっているか。
 行政が期待していることは何なのか。
 
 そういった制度の基本的な部分について、どうもほとんど理解されていないように思えてなりませんし、そのことが様々な不満や誤解を生んでいて、私どももなんとかしなければとは思いますが、日頃のご相談の際には、とてもこのようなことまでは伝えきれません。
 皆さんが独自に時間をかけて勉強してくださることを期待しております。
posted by 風営法担当 at 10:00 | パチンコ・ゲームセンター・遊技場

2011年11月11日

良好な企業風土の目安とは?

先日、企業風土コンサルタントの手塚利男さんとの会合で、企業風土についてご意見を伺いました。
ホールの企業風土改革について、いろいろご相談いただいております。

手塚さんは、いすゞ自動車の風土改革活動に取り組まれた経験をきっかけに、2006年株式会社プロフェスを設立され、自動車・電機・機械など開発生産販売型のメーカー系企業を主体に、組織風土・体質変革の支援を行なっている方です。
著書である「ギスギスした職場はなぜ変わらないのか」(Nanaブックス)は大変ためになります。

http://www.professi.co.jp/(株式会社プロフェス)

手塚さんに、「企業風土が健全であるかどうかは、どのように判断したらよいでしょうか?」
と質問したところ、

「単純すぎて申し訳ない話なんですけどね・・・・」

と前置きされたあとで、

「何かを言ってはならない。という雰囲気があるかどうかがポイントです。」

と説明してくださいました。

これを、私の知り合いのある人に話したところ、
「それは理想論だよ。社内で本音を言えるわけないよ。」と言われました。

私の説明が悪かったせいか、
「社員は思ったことを正直に言うべきだ。」
という話だと受け取ったようです。

そうではなくて、社員が遠慮無く思ったことを言えるような雰囲気を作ってゆきましょう、という話なのですね。
それは難しいことかも知れませんが、複雑なことではないのかもしれません。
手塚さんは、「簡単」とは言わず、「単純」という言葉を使われていました。
そして、こうもおっしゃっていました。

「コンサルタントにはいろいろいますけれど、私がすすめるやり方は漢方みたいなものです。」

すぐに効果がでるわけではないけれど、時間をかけてジワジワ効果が出てくる方法という意味でしょうか。
それは、経営者が押しつけるものでなく、社員の潜在的な力を引き出すことでもあるのでしょう。
なるほど、手塚さんの落ち着いた雰囲気と重なって、とても納得してしまったのでした。

皆さんの会社では、
「遠慮無く思ったことを言える雰囲気ですか?」

では、我が社の場合は・・・・・!?

posted by 風営法担当 at 10:00 | コンプライアンス総合