2012年04月09日

「我が社は大丈夫」の根拠はありますか?

弊社は総合的なコンプライアンス支援を行っておりまして、私が担当している風営法なんてものは、普通の企業にとっては関係ない存在でしかありません。
むしろ、人事労務や契約などの方が企業法務にとってはなじみが深いです。

風営法以外の分野は弊社の他の担当がおりまして、私は知的財産関係の部分だけを担当しています。
もともとは著作権を中心とした知的財産関係のコンプライアンスが私の専門だったのですが、紆余曲折ありまして、気がついてみると風営法のお世話になっており、さらに時間がたつと、主に遊技産業のお世話になっておりました。
こういう経緯でしたので、私が風営法を眺める目線は「総合コンプライアンス」が中心であって、行政手続は一部に過ぎません。

さて、私がコンプライアンスを自分の課題におき始めた当時、月刊総務という雑誌で著作権や肖像権のセミナーや執筆の機会をいただいていた関係で、今でも月刊総務オンラインという総務情報サイトでコラムを掲載させていただいています。

こちらは風営法に関するテーマで書きます。
「我が社は大丈夫」の根拠はありますか?
という第一回目で始まり、10回連載の予定です。

http://www.g-soumu.com/column/2012/04/1-16.php

一般企業の総務の皆様にご覧いただく関係上、総合コンプライアンスの一環としての話題になります。
「風営法に関係していないつもりでも、<実は関係していた>ということがありえますよ。」
そういう内容になっています。

最近、各所に原稿をのせているので、このブログで掲載できるネタが限られてきました。
でもネタが切れているわけではありません。
たくさんの皆様からのご相談内容を栄養源にして、日々思いついたことをこちらでアップしてゆきます。
posted by 風営法担当 at 16:34 | 風営法一般

2012年04月05日

風営届け拒否「違法」というニュース

店舗型製風俗店が営業禁止地域で摘発されたという、別に珍しくも無いニュースですが、私の目を引いたのは、その営業者が公安委員会に営業開始届出をしていたところ、警察署で受理を拒否されていたと言う経緯があって、その点について行政側に違法があったという法的評価を裁判所が下していたことです。

申請の不受理。

私にとっては、別に珍しくも無い、見慣れた光景です。
申請書類に不備があった場合、それを指摘されれば当然ながら指導どおり改善します。
ところが、ときに法的な根拠の疑わしい指導があって、結果として「受け取り拒否」と見受けられることもあります。

これには都道府県ごとの温度差があって、東京や比較的地方のエリアではよくあることでしょう。
たとえばこんなことです。

・深夜酒類提供飲食店の開業届出をした際に、賃貸借契約書や登記事項証明書など、使用権限を疎明する書面が無いから受理できないと言われた。(法的にはは不要なはず)

・風俗営業許可申請をしたところ、当該店舗でかつて許可を持っていた事業者がいて、その前事業者が許可証の返納手続をしていないことを理由に許可申請を拒否された。(申請人と前営業者は無関係だから不受理は不当なはず。)

・電話で予約しないで警察署に申請に出向いたところ、「予約が無いから帰れ」と言われた。(開庁時間中であれば予約なしでも対応するのが行政の義務)

・行政書士に頼まないで本人で作成した書類だからという理由で受け取り拒否。(バカらしい話ですが)

・変更届出期間が経過したのに理由書(始末書みたいなもの)を用意していないので受取を拒否。
(理由書が無くとも届け出は受けないと。)

・組合を通じないで申請したので受け取り拒否。(地方のホールでは今でも組合を通じて申請しているところが多いです)

・遊技機の入替え回数についての業界自主規制に反していたので申請拒否(自主規制のルール違反では拒否できませんね)

などなど、ちょっと時間があれば、この類のことはいくらでも思い出せそうです。

これらは行政手続法の問題がありそうですが、そういったことを私は行政さんに言わないし、言いたくもありません。
行政側に、それなりの理由とか事情といったものがあるだろうと思うからです。

ただ、中には「どう考えてもオカシイ。」と思う現象もあります。
イヤ、昔はよくありましたが、最近はかなり減りました。
それでもやはり、たまに「エッ」と思うことは、あるにはあります。

私が思うに、風営法のありようを司法の目線でみれば、おかしなことは山ほどあるでしょうが、だからと言って現状が変わるわけでもないでしょうし、行政側の状況を考えると、受理の拒絶という現象はある程度やむをえない場合が多いだろうと思います。
もちろん、この点について適切に対応しようと努力されている様子も日頃見ておりますので、放置されていて良いとも言えず、なんとも言いにくいところではあります。

このニュースでは、店舗型性風俗特殊営業の有効性については、必要な書類がそろっている限りは届け出不受理でなく、受理後の審査結果によって対応するべきという、言わば当たり前のことを裁判所に指摘されただけのことですが、現実の運用からすると、司法と行政では考え方にこんなにもかけ離れたポイントがあるものかと、密かに感慨にふけってしまいました。


posted by 風営法担当 at 14:07 | 風営法一般