2012年05月28日

論理と心理

今年になってセミナーの講演回数が増えました。

その多くはホール業界向けです。

私のセミナーは、考えてもらうセミナーです。

私は冒頭でよく質問します。

「法律を守らない人は悪人ですか?」

多くの人は、「もちろん悪人だ。」と応えます。

「では、あなたは全ての法律を守っていますか?」

とたずねると、ほとんどの人が

「自信がない。」

という反応です。

世の中のほとんどの人は「善人」のはずですが、

法令を守っていると言う自信はないのです。

つまりこれは「論理」的にオカシイということです。

それでもこのような矛盾が生じるのは、人々が往々にして

「心理」で考えているからです。

論理としてはオカシイけれど、人は心理で考えてしまうものだ。

そういう視点を持って法令を活用するしかないのが、人間社会の現実です。

そういう視点で風営法を眺めていただくのが、私のセミナーの特徴です。

暗記でなく、論理と心理を組み合わせて分析できる人だけが、法令の知識を生かすことができます。

明日からまた出張させていただきます。

posted by 風営担当 at 19:33 | 法務コンシェルジュサービス

2012年05月18日

17歳からの買い取りを隠した疑い−古物営業法違反の虚偽記載

こんなニュースがありました。

「書類送検=未成年からの買い取り隠した疑い−虚偽記載・警視庁」
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012051800266

大手DVDレンタル店で、社員が古物営業法違反で逮捕されました。
容疑は、帳簿に記載した内容に虚偽があったとのことです。
6月以下の懲役又は30万円以下の罰金にあたる違反です。

虚偽の記載を行ったのは、都条例違反が発覚しないためだったとのことです。
「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の違反かもしれません。
しかし、ニュースによると「青少年」ではなく「未成年」とあるので、違うのかどうか。
青少年は18歳未満の者を意味しますが、窃盗容疑の少年は当時17歳とのことです。

15条2項
古物商(古物営業法(昭和二十四年法律第百八号)第二条第三項に規定する古物商をいう。以下同じ。)は、青少年から古物(次条第一項に規定する物を除く。)を買い受けてはならない。

青少年から古物を買い受けることは条例違反ですから、それを裏付けるような情報(譲渡人の氏名又は年齢か)が帳簿上のどこかに記載されていたので書き換えたのかもしれません。
帳簿上の虚偽が発覚したということは、譲渡人である青少年が窃盗事件で送致されているので、その背景を警察が調査した結果ではないかと思われます。

青少年から古物を買い受けた場合の条例違反は、30万円以下の罰金。
虚偽記載による古物営業法違反は、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金。
懲役のあるなしが違うだけです。

ミスを隠そうした分、余計に印象が悪くなっているような気がします。
逮捕された社員に責任があるのかどうかはわかりません。
誰が指示したのかということは今後判明するのかもしれません。
ミスが判明した時点で自主的に行政へ報告していたら、逮捕ということにはならなかったのじゃないでしょうか。
それとも他に事情があるのか、私の考え違いか。
フト、いろいろ推測してみました。

posted by 風営担当 at 17:55 | コンプライアンス総合

2012年05月16日

広島ホテル火災を見て思う 〜 内側からの板張りのこと

宿泊客7人がお亡くなりになった火災ですが、ニュース映像でみる限りではラブホテルのように見えます。
もともと窓だったであろう部分には、内側から板が張られており、消火活動の妨げになったとのことです。

風俗の世界では珍しくも無い光景ですが、あの窓の様子を見て私が思い浮かべたのは、ラブホテルではなく、風俗営業の2号営業の店の窓のことです。

風俗営業の構造設備基準の中に、
「客室の内部が当該営業所の外部から容易に見通すことができないものであること。」
とあります。
客室に外部から見通せるような窓があれば、許可申請時の構造検査をパスできません。
よって、カーテンで外から見えなくすればよいという解釈もありますが、ある地域では、「内部から板を張らなければダメ」と指導していることがありました。

「カーテンならいつでも開放できるから、構造設備基準の脱法行為を行えるじゃないか。」とのこと。
なるほど、風営法としてはその方が「確実な法令遵守」になるかもしれませんが、火災が発生したときにはどうなのかということは、以前から少し気になっていました。

それが建物の1階ならばともかく、2階ならどうなのでしょう。
このような基準が存在する理由は、子どもなどが風俗営業所の中を見れてしまうのはいかがなものか、という配慮によるのだと思います。
では、建物の2階より上にある営業所についてはどう考えればよいでしょう。
通りかかりの子どもからは見えませんが、近所のマンションからは見えてしまう、ということがあり、悩ましい問題です。
階があがるほど、火災発生時の危険性は大きくなります。

出火後の避難のしやすさや消火のことなどを考えると、板を張らないでカーテンや遮蔽シートなどを使用する方がよいと思うのですが、風俗営業許可の検査の際には、「それではイカン。」という指導をする地域もあります。
しつこいですが、これは消防でなく風営法の話です。

あるケースでは、厨房の窓まで板張りを要求されたことがありました。
これって大丈夫かしらと思って、「カーテンとかシートではダメですか?」と暗に再考を促したこともありますが、受け付けてもらえませんでした。

さて、こういった店で火災が発生して犠牲者が出たとしたら、妙なことになりはしないかと思いました。
フト、そんな未来を想像をした人は、私だけでしょうか。
しつこいですが、これはホテルでなく、2号営業の話です。

posted by 風営担当 at 21:00 | 風営法一般