2012年06月27日

これを読んだ人は10月から犯罪者になる!?

消費税増税法案の衆議院通過が身近な問題として世間の注目を集めていましたが、一方でもうひとつの身近な法案、著作権法改正案が今月20日、可決成立しました。

今年の10月1日から、
『違法であることを知りながら有償の音楽又は映像を私的使用の目的で複製する行為』
について、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金が科されることとなりました。

 ※法案の詳細はこちらをクリック 参議院 第180回国会 議案審議情報

たとえば、このブログをすでにお読みになった人が、
「TVで話題になっていたAKB48の新曲をYouTubeで発見し、ドライブ中でも聴きたいがためにその楽曲データをパソコンにダウンロードした。」
10月以降は、これが犯罪だということです。

わかりやすく解説しましょう。
もう一度、頭の体操だと思って上記『 』の中を見てから以下をお読みください。

@この「ブログ」をすでにご覧になった以上、皆さんは著作権法改正によってこのような行為が「違法である」ことをすでに知っています。

Aさらに、AKB48の新曲がTVで話題になっていることを知っているということは、その楽曲データが「有償の音楽」であることも知っています。「有償の音楽」とは、本来お金を払わなければ通常は入手できないはずの音楽という意味です。

Bそして、ストリーム形式以外の方法でそのデータをダウンロードすると、それは「違法な複製」です。
(YouTubeに備わったストリーム形式の機能で映像を見たり音楽を聴くことは「違法な複製」とはなりません)

@ABの全ての要件を満たした時点で犯罪だということなのであります。
これだけのことで二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金ですが、飲酒運転や覚せい剤の所持と同レベルの重さです。

もし、「違法であること」を知らないでダウンロードしていたらどうだったのでしょう。
たとえば、
「私、AKBとかいう人たちを知りませんが、なんとなく興味がわいたのでダウンロードしてコピーしたようです。これって違法だったんですか?」

これでは犯罪とならないでしょう。
「有償の楽曲であること」も、「違法であること」も、本当に知らなかったということならば。。。
なお、改正著作権法の附則の中で、こんなことが書いてありました。

「国及び地方公共団体は、未成年者があらゆる機会を通じて特定侵害行為の防止の重要性に対する理解を深めることができるよう、学校その他の様々な場を通じて特定侵害行為の防止に関する教育の充実を図らなければならない。」

いずれ学校でも著作権法に関するセミナーやら授業やらが行われるのでしょう。
そのときには、耳をふさいでいた方が身の為だったりして。
なんてことは冗談ではありますが、未成年者も法令を理解しなければならない時代になりました。
現実には、「知らなかった。」で済むほど甘くないのですから。

弊社でも、風営法だけでなく、法令全般を楽しく理解していただくための工夫を行っています。
自分で考え、意見として話してみる。
こういうことを日頃から継続しておくことで、いつの間にか法的判断の能力がアップしてしまうものです。

風営法だけでなく、様々なコンプライアンスセミナーに対応していますので、お気軽にお問合せいただきたいです。
もちろん、いつでも気軽に相談できる「法務コンシェルジュ」をご利用いただければなによりです。
風営法だけでなく、法的な問題を幅広く、難しいことをわかりやすく、お話させていただいております。

posted by 風営担当 at 16:07 | コンプライアンス総合

2012年06月20日

ダンス規制撤廃について思う 〜 ダンス規制は完全撤廃が妥当?

http://www.cinra.net/news/2012/06/14/122821.php

最近、風営法関係の話題が増えているように感じます。
たとえばダンス規制に関する話。
風営法の規制対象からダンスを外してほしいと言う請願活動が行われていると言うニュースがありました。

ダンス規制については私もこのブログ上で時折触れてきました。
ダンス規制という面で風営法を見ると、確かに「果たしてこのままで良いのかな。」と思う点がありました。

ダンスを楽しんでいる方々がダンス規制を無くすべきだと考えるのは、ごく自然なことでありますし、このように多くの皆さんが風営法について関心を持ち、議論することは社会にとって、とても良いことだと思います。

私がこれまで見てきた風営法というのは、「普通の人は知らないでいい法律」というイメージでした。
「日が当たらない法律」という言葉を、コンプライアンスのセミナーでも使ってきました。
そう、法律には日陰(ひかげ)と日向(ひなた)があります。
社会が無視すれば、法律は誰か特定の人たちにとって都合のよい運用をされてしまうものです。

とは言いつつも、風俗営業の枠からダンス営業を無くしてしまうべきかと問われると、現時点では「う〜ん。」と考え込んでしまいます。
風俗営業は、「この世から無くなってほしい営業」ではなくて、「必要だけど注意してやってほしい営業」なのですね。

風俗営業として規制を受けるということは、「ダンス営業をするな」ということでなく、「ダンス営業をするなら許可を取ってルールを守りながらやってください。」という意味になります。
自動車の運転も同様です。
「自動車は社会にとって必要だけど、危険だから、運転するなら免許を取りルールを守って運転してね。」
という制度です。

ダンス営業を免許制から無免許制に変えてしまったらどうなるのか。
ダンス営業をしているお店の多くは飲食店です。
飲食店では深夜に遊興させることが風営法で規制されています。
遊興と言うのは、簡単に言うと「大勢で騒ぐような遊び方」とでも言いましょうか。

音楽を演奏することも「遊興」に当たるので、たとえ風俗営業でなくとも、飲食店であれば深夜のダンス営業は相変わらず禁止です。
法改正で深夜に営業できるようにするなら、「ダンス営業だけは深夜に騒いでいてもOK」という了解を社会から得ておく必要があるでしょうが、それは容易ではないでしょう。

しかし、「風俗営業者特有の規制」を受けないで済むとなれば、客室面積やダンスフロアの面積制限がなくなり、年少者の立ち入り規制も緩和されますし、店内の構造設備基準も一部緩和されます。
管理者講習はなくなるし、従業者名簿の管理も一部不要になり、風営法関係の手続も基本的に不要です。
場所の要件や営業者の身分要件も無くなり、警察の立ち入りも今よりは難しくなるでしょう。
事業者にとっての実益としてはそのくらいでしょうか。。。?

ただ私の想像では、場所の要件や経営者の人的要件は重要だと思いますし、従業者名簿の管理や一部の構造設備基準、年少者の立ち入らせなどの一定の義務付けは必要だと思います。
確かにダンスは今や「不健全」から「健全」なるものへ、イメージも実態も変わってきたと思います。
でも、小学校の隣のクラブハウスで小学生が夜10時頃に踊っている状況を私は想像できませんし、その営業所を暴力団や児童買春の常習者などが経営できるといったことを社会的に容認できるものかどうか。
従業者の年齢制限や在留資格の確認なども、青少年の健全育成や治安対策の必要性から察すると不要とは言いにくいところです。

「ダンス規制を一切なくせ」「風俗営業から外せ」という路線だけで本当によいのかどうかが悩ましいのです。
風営法の中で実情にそぐわない点を修正しつつ、ある程度は風俗営業の枠組みの中で規制を受け入れてゆくという方向性の方が現実的ではないかと思うのです。
「規制の現状維持か、撤廃か。」ではなく、「適度な規制」を模索することが重要ではないでしょうか。

風俗営業の1号、3号、4号を見直す時期には来ていると思いますが、完全撤廃された場合の悪影響については検討されているのでしょうか。
後で、「やっぱり規制しておくべきだった。」と世間に思わせてしまうような事件や現象が多発したりしたら、それこそダンス営業の未来に悪影響を及ぼすかもしれません。
それと、もうひとつ。

風俗営業という言葉のイメージが非常に良くないような気がしますが、そんなに風俗営業であることがいけないことなのか、ということも、考えてもらえたらと思います。
風俗営業は融資を受けられないという話をよく聞きます。
「じゃあ、ビジネスホテルが実態としてラブホテルだったらどうなんですか?」
「融資を受けれます。」

こういう具合で、「風俗営業」という言葉が「フーゾク」などのわいせつなイメージとゴチャマゼで受け取られていたり、風俗営業だからという理由で実態も見極めずに差別されてしまうという現象もあり、ある種の偏見や無理解が風俗営業を不当におとしめているような気もします。

風俗営業の許可があるということは、公安委員会、つまり警察のお墨付きがあるということです。
住基カードや運転免許証より、風俗営業の許可証や管理者証の方が、よほど信頼を高めるアイテムだと私は思います。
公安委員会(警察)が過去5年間の犯罪歴や身分要件(暴力団との関係や薬物中毒なども含め)を調査した結果として交付されるものが風俗営業許可証や管理者証なのですから。

このテーマはデリケートな分野なので、あまりブログで触れたくはないですし、そもそも性風俗がどうなのかということも難しい問題ですが、この業界で必死に働いている人たちの姿を日頃見ている私としては、世間の反応について、時に悲しくなることがあります。

風俗営業であることが、そんなにイヤなことなのか。
それは要するに、風俗営業に対するある種の「感覚」の裏返しだったりしないでしょうか。
風俗規制をよくご理解いただくということは、風俗営業がなんたるかということもご理解いただくということであって、風俗営業に対する不当な偏見を払拭していただくことも、私にとっては無視できないことです。

無意味な規制はなくした方がよいです。
でも規制が必要な部分があれば必要に応じて規制をするべきです。
この点は、はずせない部分だと思うのです。


posted by 風営担当 at 21:26 | 風営法一般

2012年06月12日

変更の事由 地域によって書式が違う!?

※後日談として
この件につきましては、どうやら「変更の事由欄」が一つの方の書式が正しいようです。
まさか、書式がちょっと違うくらいで問題が生じることはないと思いますが、東京法令出版に記載された書式を使っている方が無難なようなので、その旨をあらかじめご了承のうえ以下をご覧ください。

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お問合せで気がつきました。
風俗営業者が遊技機の入替えなどで使用する変更承認申請書の書式。
「別記様式第11号」という書式ですが、この書式の一番下に「変更の事由」という欄があります。

ホールの店長さんなら、入替えのたびに眺めているはずのこの書式。
私が日頃使用している書式では、この「変更の事由」欄は一つ。
しかし、ある地域ではこの欄が左右二つに分かれているのだそうです。

ウソか本当か調べてみると、その地域の本部さんのホームページではたしかに「変更の事由欄」が分かれていました。

記入ミスということかもしれないので、その方面にいる知り合いの方に聞いてみると、この書式が一般に使用されているとのこと。

さらには、別の県警さんのホームページでも分割タイプでした。

申請書の書式は風営法施行規則で定められているので全国共通のはずですが、私が持っている東京法令出版の書式は分割されていないタイプで、大成出版というところの法令集では分割タイプだという話もありました。

気になったので、各都道府県警のホームーページを眺めてみましたが、書式を掲載しているところでは、2箇所以外で「変更の事由」が分割されているところは、まだ発見できていません。

いったいどちらが正しいのか、調べていますがよくわかりません。
そもそも「変更の事由」について「新」と「旧」に分けて書く必要性がよくわかりません。
実際のところ、分割タイプの地域では、変更の事由は左側の欄に記入するのが実務上の取り扱いのようです。


どうでもよいことではありますが、ちょっと面白い話でしたのでアップしてしまいました。

posted by 風営担当 at 18:02 | 風営法一般