2012年08月15日

管理者の業務とは何をすればよいのでしょうか?(風俗営業の管理者業務実施簿について)

こたえ (プレイグラフ2012年2月号「法務相談カルテ」にて)

 風適法では、営業所ごとに管理者を選任することが義務付けられており、選任した管理者については都道府県公安委員会に届け出なければなりません。
 そして管理者は、業務の健全化のため経営者や従業者に対し必要に応じて助言や指導を行わなければならず、さらには国家公安委員会で定める以下の業務も行う義務があります。

<国家公安委員会規則第37条第1項に定める業務>
 営業所における業務の適正な実施を図るため必要な従業者(営業所の使用人その他の従業者をいう)に対する指導に関する計画を作成し、これに基づき従業者に対し実地に指導し、及びその記録を作成すること。

「指導に関する計画を作成し」とは、
  (ア) 新規採用者指導計画        
  (イ) 日常業務指導年間実施計画
の二つの計画書を作成しなさいと言うことです。

(ア)の新規採用者指導計画とは、ホールで新規従業員(社員のみならずアルバイトも含む)が、その従事する業務に関係する法令について最小限知っておく必要がありますので、その指導内容を定める計画を意味します。
(イ)の日常業務指導年間実施計画とは、新規採用後において指導を定期的に反復し、かつ月ごとの重点を決め、年間指導を行うための計画を意味します。
 「従業者に対し実地に指導し、及びその記録を作成すること」とは、前記の指導計画に基づいて実際に指導し、その結果(指導の日時、場所、対象者の氏名、指導事項等)を記録しなさいと言うことです。

<国家公安委員会規則第37条第2項に定める業務>
 営業所の構造及び設備が第8条に規定する技術上の基準に適合するようにするため必要な点検の実施及びその記録の記載について管理すること。

これは、風俗営業者に義務付けられた構造及び設備の基準を維持するため、管理者が定期的に点検し、その記録を作成しなければならないということです。
 構造設備の点検は、技術上の基準を項目ごとチェックし、一ヶ月に1回程度で、なるべく日を決めて行いましょう。その実施記録が、構造・設備等の点検実施簿と呼ばれているものです。

<国家公安委員会規則第37条第3項に定める業務>
 ぱちんこ屋(スロット専門店も含む)営業にあっては、営業所に設置する遊技機が第9条(著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機の基準)に規定する基準に該当しないようにするため必要な点検の実施及びその記録の記載について管理すること。

 管理者は設置した遊技機についても法が定める基準に適合しているか否かについて点検を実施し、その記録を管理することが義務付けられています。その記録は遊技機の基準点検実施簿と呼ばれています。

これまで説明した
@ 新規採用者指導計画
A 日常業務指導年間実施計画
B 指導実施簿
C 構造・設備等の点検実施簿
D 遊技機の基準点検実施簿
は総称して「管理者業務実施簿」と呼ばれており、すべて営業所に備え付けていなくてはなりません。

 これらのほか管理者には以下のような業務を行う義務があります。

イ) 18歳未満の年少者が客として立ち入ろうとした際に営業所外へ立ち退くべき事を勧告するなど必要な措置を講ずること。
ロ) 従業者名簿及びその記載について管理すること。
ハ) 営業所に置ける業務の実施に関する苦情の処理を行うこと。
ニ) 営業所に置ける業務の一部を外部に委託する場合において、その委託契約の内容、業務の履行状況その他の事項の点検の実施及びその記録の記載について管理すること。

 これら管理者の業務は努力義務に過ぎないため、管理者業務に真剣に取り組む必要性があまり理解されていないようです。
 なお、風適法に基づく行政処分の基準には、営業停止命令の処分軽減事由というものがあります。
・法令違反について営業者の関与が無く、かつ法令違反を防止できなかったことについて過失が無いと認められること。
・具体的な改善措置を自主的に行っていること。
といった事由があれば、営業停止期間が短くなる可能性がありますが、管理者業務をしっかり行っていれば、こういったことを証明しやすくなります。
 管理者業務は風俗営業の健全化を自主的に促進するため設けられたものとされていますから、ホールの実情に合わせて柔軟に企画し実施しましょう。




のぞみ総研風営法担当者

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posted by 風営法担当 at 11:34 | 法務相談カルテ

2012年08月09日

広告違反事例を見て思う

昨年6月の通知からおよそ1年たっての再度の通知。
今回もさらに事例が増え、解説がより事こまかになりました。

地方ごとに
「こんなこと言われた。アレも禁止された。」
といった情報が飛び交っています。
去年もそうでした。いつもそうです。

でも、行政が言いたいことは以前と「同じこと」なんですよね。
今出ているような違反事例は、私達は以前からNGだろうと思っていたことで、別段新鮮な情報ではありません。
よくあるご質問として、「○×の表現はダメですか?」と聞かれますが、言葉がどうこうということではありません。

「その広告表現について一般市民に対しその意図を明快に説明できますか?できないならきっと風営法に違反するような不法な意図があるんでしょ?だったら行政は放っておきませんよ。」

ということなわけです。

昨年の通知の後、広告規制に配慮したホールと、そうでないホールがありました。
いや、一時期はきちんとやっていたけれど、しばらくすると忘れたかのようになってしまったお店が多々ありました。
むしろ悪質巧妙化してゆく傾向もありました。

まじめに法令を守っているとバカを見る。
そういう状況になってしまったら、行政としてはガツンとやるしかありません。
そういう時期ですから、行政としてはあらゆる点に注目し、疑惑の目を向けることになるでしょう。
当然ながら、この一年の「おこない」がよろしくなかったホールは注目されやすいでしょう。

「この広告はどういう意味なの?なんか不自然じゃない?」
と聞かれたとき、適切に説明ができますか?
「屁理屈」になってしまわないですか?

セミナーの際に参加者の理解度を測りたくて、こんな質問をすることがあります。
次の文章の意味がわかりますでしょうか。

@パチンコ店は本来は禁止された営業

A賭博と一線を画する営業となるための規制

Bぱちんこ営業が遊技として存在する上で例外は一切存在しない

いずれも今年の行政講話の中で語られたセリフの一部です。
これらの意味を理解できる人が現場にいないとしたら、かなり危険だとお考えいただいてよいでしょう。

行政の意図を理解できなければ、現実の対応も何もありません。
行政とコミュニケーションをとるために風営法を「理解」しましょうと言っていますが、どういうわけか「暗記」がお好きな方が多いようです。
違反事例を何十個覚えたところで、勘違いを蓄積するだけで役に立ちません。

確かに現在、「こういう広告は違反なのでやめましょう。」という表現の通告が出ている地域もありますが、これは「風営法をわかってくれそうもない人」へ向けて、仕方なく話を単純化して説明しているのであって、本当に言いたいことはそこではないのです。

違反事例に書いてなければOKだとか、逆に、違反事例として書いてあるものは全部ダメだとか、そういった極端な誤解が飛び交って、最終的に「行政には温度差がある」という感想につながる傾向があります。

違反の背景は個別の事案によって様々ですから、案件ごとに行政の対応に違いがでるのは「当たり前」なわけです。
事実を単純化した噂話を元に憶測を重ね、
「あっちではOKで、なんでこっちはNGなんだ?」
という不満を持ったところで、あまり意味がありません。

自身で風営法を解釈し、行政の意図を冷静に読み取り、適切に対処できればよいのです。
それは日々、ちょっとずつ工夫し努力すれば誰でもできることだろうと思うのです。

(ここ最近出張続きでして、久しぶりのアップになってしまいました。。。)


<追加情報>
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☆のぞみ総研 風営法勉強会 「ここだけの話」 参加者募集のお知らせ
http://fuei.sblo.jp/article/57915297.html

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posted by 風営法担当 at 20:46 | パチンコ・ゲームセンター・遊技場