2013年05月14日

風俗店、風俗業、風俗産業、という言葉について思う

橋下大阪市長のコメントがニュースになっていました。

たとえばこんな具合です。
http://www.asahi.com/politics/update/0514/OSK201305140001.html

慰安婦問題と米軍がどう関係しているのか、ニュースをざっと見た限りではよくわからないですし、どういう状況と背景でコメントされたのかもよくわからないのですが、各社のネットのニュースをチラと見たところでは、「風俗店」「風俗業」「風俗産業」という単語が出ています。

これらの単語を一人の人物が同時併用するものか少々疑問ではありますが、そもそもこれらの単語は何を意味しているのでしょう。

売春宿という意味なのか、売春させない性風俗店なのか、売春とまったく縁の無い風俗営業なのか。
この報道を見た一般人は「売春宿」というとらえ方になっていませんでしょうか。

法律的には<売春をしない性風俗サービス>が存在しているのですが、そういう意味合いがあいまいになっていて、<風俗=売春>という図式にすりかえられているのではないかと勘繰ってしまいます。
もしそうであるなら、ずいぶんと人を馬鹿にしたものです。

そもそもなんで売春させるサービスは「風俗」と呼ばれるのでしょうか。
「風俗」という言葉は、<社会風俗>とか<下町の風俗>とか<風俗画>とか、いろいろな使われ方をしていますが、それらの使われ方の一部に「性風俗」という使われ方もあります。

本来は「性」のみを対象としているわけではない「風俗」という言葉を、一人歩きさせている責任の一端はマスコミにもあるのじゃないかと、フト思ったりしますが、「風俗」という言葉の混乱は性風俗の問題が適当にごまかされてしまう原因のひとつかもしれません。

日本では売春は法的に禁止されていますから、性風俗サービスは<売春をさせていない>という前提で存在が許されています。
売春の無い性風俗店も性風俗産業もありうるのですから、公職にある人が「風俗店」という言葉を仮に使ったとしても、それは「売春宿」という意味とは限らず、合法的な性風俗店を意味しているのではないかと私は思います。

売春の無い性風俗店で男性がサービスを受けたり、そもそも性風俗店ではなく「風俗営業」であるキャバクラなどで接待を受けたりする社会行動は、まさに現代日本の一部に定着した「社会風俗」であって、そういった「社会風俗」として定着しているサービスを米兵が利用することがイカンと言う理由は、日本サイドにあるのでしょうか。

こういうサービスでストレスを発散してもらうことでによって、兵士の性犯罪や暴発を抑制する効果があるかどうかという議論があってもよいかと思います。
それがどうしてニュース表現では「売春」とか「慰安婦」といった言葉とごちゃまぜになって、それに対する説明もないままに批評が付加されてゆくことになるのか。この問題の根は深いです。

性風俗問題に切り込んだとたん、「この人は売春を容認している」という筋違いの批判を受けてしまうような現実がある以上、要路の責任者としては「実態に対処するか、身奇麗でいたいか」という二者択一の判断を迫られるわけであって、この土俵に乗って意見を言わない人と言うのは、結局この問題について真剣に考えるつもりの無い人なのだと思います。

そういう意味では、こういったデリケートな、一般人やマスコミが真剣に向き合おうとしない問題について意見を言おうとする市長さんと言うのは、なかなかたいしたものだと思います。

せめてそういったことが一般人にもわかるようなニュースを報道していただきたいと思います。
その「風俗店」という言葉を英語に訳してもスジが通るような報道であれば、もう少し意味が明らかになるでしょう。

私は特定の新聞社をひいきにしているわけではありませんが、この点をあいまいにして報道している報道機関と、そうでない報道機関とでは、結局その体質の違いを如実にあらわしていると思うのです。


posted by 風営担当 at 10:25 | 風営法一般

2013年05月10日

法律と規則はどう違うのでしょうか?

こたえ (プレイグラフ2012年8月号「法務相談カルテ」にて)


「営業の基本となる法律や通達をきちんと確認しない慣習」を改善せよという行政からの声も聞こえてきていますから、法令や通達という存在がどういったものであるかを理解し、規制の根拠をご自身で確認することはとても重要だと思います。

 まず皆さんは、法令や通達を作ったり修正したりできるのは誰であるか、ということをご存知でしょうか。

 風営法と言えば法律ですから、国会での議決を経て作られたルールです。国会が作ったルールなので、このルールを変更することができるのは国会だけです。
 しかし、風営法はその内容の詳細について行政庁に判断を委ねている部分があります。

 細かいことまで全て国会で議決することにしてしまうと、時間がかかりすぎるため社会情勢に対応した柔軟なルールの見直しができなくなるからです。

 法律の委任を受けて定められる場合としては、政令や府令(省令)、規則といったものがあります。政令は内閣が定めるもので、風営法関連の政令としては「風営法施行令」があります。府令は内閣府が定めるもので、「風営法に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令」があります。規則は一般的に国家公安委員会などの行政委員会が定めるもので、「風営法施行規則」があります(いずれも正式名称が長文のため略記しています。)。

 たとえば、賞品の等価交換に関する規定は風営法には書いてありません。風営法第19条の「遊技料金等の規制」という条項の中で、「風俗営業者は、国家公安委員会規則で定める・・・賞品の提供方法・・・に関する基準に従い、その営業を営まなければならない。(一部抜粋省略)」とあります。
 賞品の提供方法の基準については国家公安委員会が定めた規則の方を見てください、ということなのです。

 国家公安委員会は内閣総理大臣から国務大臣として任命された国家公安委員長を中心として構成され、全国的な警察制度を管理運営する委員会です。その国家公安委員会が風営法によって任されて作った規則をまとめたものが「風営法施行規則」です。

 その第35条第2項で、賞品の等価交換に関する定めがあります。

法第十九条 の国家公安委員会規則で定める賞品の提供方法に関する基準は、次のとおりとする。
一  次に掲げる営業の種類に応じ、それぞれ次に定める物品を賞品として提供すること。
イ ぱちんこ屋及び令第七条 に規定する営業で遊技球等の数量により遊技の結果を表示する遊技機を設置して客に遊技をさせるもの
 当該遊技の結果として表示された遊技球等の数量に対応する金額と等価の物品

 このように、賞品の等価交換に関する規定は風営法ではなく風営法施行規則に定められています。この規則は国家公安委員会が作った規則なので、国家公安委員会が改正することができます。その国家公安委員会の事務を執り行い補佐するのが警察庁の役割です。

 警察庁の仕事は、都道府県警察が行うような一般的な警察のイメージと比べてかなり地味ではありますが、警察庁と警視庁とで名称が似ているのでよく誤解されます。
 警察庁の中の5つの部局のひとつに生活安全局があり、その中には風営法の制度運営の分野を担当している保安課があります。

 風営法に関して、警察庁から都道府県警察本部等に対し事務上の取り扱いに関する命令や法令解釈を示すことがあり、これらを通達と言うことがあります。また、警察庁や都道府県警察本部の関係部署から業界団体等に対し法令遵守の徹底を求めたり、営業上の配慮や改善などを要請することがありますが、このような場合には「通知」という言葉が使われることがあります。

 法律、政令、府令、規則。これに各都道府県の条例を含めたものを広い意味での「法令」と言います。これら各種の法令のほか、通達、通知、業界団体が自主的に取り決めたガイドライン、これら各々の違いを意識しながら、日々の判断を行っていただきたいと思います。
 
posted by 風営担当 at 00:00 | 法務相談カルテ

2013年05月08日

ホールの構造変更の承認はいつもらえるのか

ひとつの店舗を開店するにも、ちょっとした変更届出で済むこともあれば、許可の新規取得、現状の構造を維持しての許可取り直し、構造変更、会社分割などいろいろなパターンや組み合わせがあります。

どのパターンにおいても、その店舗がおかれた状況や、お客様のご都合によってかかる手間や苦労はいろいろです。

理想的なケースは、計画に余裕があり、予定どおりに進行し、役割の分担が明確で、コミュニケーションも充分、という環境です。

当然ながら、この逆のケースは大変な手間と心労が重なります。
社長の鶴の一声でオープン日が前倒しになるとか、施行計画が途中で変更されるとか、工事計画にもともと無理があるとか。
さらには行政側の都合というものもあります。

たとえば構造変更の承認を得る場合、承認通知の日は構造検査の日から10日後というケースが多いようです。
それは標準処理期間に関する内規がそうなっているわけです。
では構造検査の日はいつか。
それは行政庁の検査担当者のご都合によるわけです。

工事が完了したその日に検査を受けられると思い込んでいるお客様は多いです。
そんなわけないでしょ、とは思いますが、経営側の立場としては一番都合のよいスケジュールで進んでほしいと願うわけで、その「願い」がいつの間にか「すでに決まった話」に変化する現象を過去に何十回も見てきました。

検査日を決めるにあたって、所轄署の担当者の都合だけで決まる場合もあれば、検査の人手を3人そろえるために3人の都合で決まることもあり、それに浄化協会や警察本部がからむこともありで、なかなかこちらの都合どおりにはなりません。

私の経験では、工事完了日の1月後の検査ということもありました。
これでは予定もなにもあったものじゃない。
グランドオープンに間に合わないわけです。

「明日に検査をお願いします。」というわけにも行かないので、検査日については事前に余裕をもって行政庁に相談しておかなければなりません。
しかし、工事が終わっていない段階での検査予約ならば、
「もし工事が間に合わなかったら・・・・」と考えると、夜眠れなくなります。


そのことをお客様に言うと、「大丈夫と業者が言っているから大丈夫。」と言われます。
でも、大丈夫だった確率は経験上3割くらいでしょうか。
工事が予定通りに行くケースの方が少ないのです。

なので、行政側でも「工事が完了するまで検査日は決めない。」というケースがあるわけです。
ごもっともではありますが、ホール側にとっては厳しい話です。

だから、検査日を工事完了予定日の直後にもってゆくのは難しいし危険でもあります。
そして、ごめんなさい。仕事柄、お客様がおっしゃる「大丈夫。」を否定はしませんが、信じていません。

では余裕をもって・・・というのも、実際には難しいものです。
承認が早く出すぎると、今度は「損をした」という話にもなりかねません。
今までそういうことを言われたことはありませんが、多少は気になります。

でも、こちらは占い師ではないので、「このスケジュールで大丈夫」なんて言える訳もありません。
まあ、そこをどうにかするのも仕事のうちなのですが。。。

というわけで、我々の仕事の手間や心労は同じ手続でもピンきりでして、特殊なリスクに対応して様々な手間や工夫をかけることもありますから、えてして当初のお見積もりどおりにはゆかないものです。
事前に手間を予測するのはかなり無理がありますし、場合によっては失礼にもあたります。
「お客さんの会社はどうせ面倒なトラブルが多いだろうから・・・」とは言えませんもの。

正直なところ、手続にかかる手間はお客様の個性によっていろいろです。
手堅くリスク管理をされている企業もあれば、いつもギリギリで綱渡りのような行動をされる企業もあります。統括する担当者が不在のため、同じ会社なのにたくさんの人から問合せを受けることもあります。

要するに何を言いたいかと言うと、手続報酬は同じ手続でも内容次第でいろいろだということです。
ずうっと前から書きたかったことを、今頃ふと思い出して書いてしまいました。

posted by 風営担当 at 17:54 | パチンコ・ゲームセンター・遊技場