警察庁は内閣府令を改正して、従業者名簿における本籍地の記載を削除する改正案を公表しました。
以下はパブリックコメントのコーナーです。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=120140012&Mode=0
さて。
公布日は未定ですが、仮に改正内閣府令が施行された場合には(たぶんそうなるでしょうが)、すでに作成された従業者名簿における本籍情報は無意味ということになります。
ならば、それらを全部塗りつぶせということになるのでしょうか。
もちろん法令にはそこまでの義務を明記しませんが、法的に意味がない個人情報が掲載された名簿を店舗ごとに管理しつづけるのは、個人情報保護の観点からして問題あり、という視点がでてくると思います。
少なくとも改正後は名簿に本籍地情報は法的に不要ですから、弊社でも名簿の書式をいじって配布せねばと考えておりますが、現場の事務処理でこの改正の内容を徹底しないと、いろいろなトラブルが生じるだろうと思います。というか、「本当に全部不要?」という問題もあります。それは別の場所で触れます。
なお、遊技場営業については確認書類としての「住民票の記載事項証明書」等を保管する義務はありませんが、風俗営業の中の1号から6号(接待飲食店等)、酒類提供飲食店営業、性風俗関連特殊営業については保管義務があります。
その場合に従業員に用意させる「住民票の記載事項証明書」は、「都道府県」までだけを記載したものとなります。(「都道府県まで」となる理由と、遊技場営業者の場合における注意点は別のコーナーで説明します。けっこうやっかいな部分があります。)
さて、そんなやっかいな証明書を従業員の皆さんが無事に取得できるものでしょうか。
ここからが重要なポイントなのですが、市町村の窓口で
「私の住民票ください。本籍は都道府県のみを。」
と請求したら、窓口で「できません。」と言われる確率が低くないです。
私達が日常的に「住民票」と呼んでいる証明書は、正確には「住民票の写し」又は「住民票の記載事項証明書」という証明書ですが、市区町村の窓口ではこの二つの証明書を 別々のものとして扱っています。
「住民票の写し」で本籍地情報記載のものを請求すると、「都道府県のみを記載した住民票の写しは交付できません」と言われたりします。
ならもうあきらめるのか!? いやいや、「住民票の記載事項証明書」であれば、本籍地の都道府県のみを記載した証明書を交付できますよ。
「バカにしてるのか!?」と思う気持ちは抑えてください。これは結構よくある現実です。
つまり、改正内閣府令の施行後に従業員の皆さんが証明書を請求するときには、次のように請求してください。
「本籍地の都道府県までを記載した<住民票の記載事項証明書>をください。」
2014年08月25日
本籍地情報廃止の改正案がでました。そして施行後の注意点について思う。
posted by 風営法担当 at 11:58
| 風営法一般
2014年08月21日
本籍の確認を廃止 というニュースについて思う
http://jp.wsj.com/news/articles/JJ11408483153063794752819771293802101573889?tesla=y&tesla=y&mg=reno64-wsj
本籍地の確認をやめることを警察庁が決定したとあります。
たまたま昨日、風営法のセミナーでこの話を取り上げました。
こんなことを話しました。
風営法の第一条に「目的」が書いてありますよ。
目的は、「風俗と風俗環境の保持」そして「少年の健全育成の邪魔をさせないこと」の二つです。
この目的のために存在する法律ですから、風営法の規制や義務も全てそのために存在していますし、そのためにのみ運用解釈できるのです。
たとえば、従業者名簿は18歳未満の者の年齢確認に必要な情報を記入させるのです。
警察の犯罪者探しのお手伝いのために名簿が存在するわけではありません。
だとしたら、本籍地欄は年齢確認に関係がないのだから名簿に記載する理由はありませんよね。
風営法関係法令にはオカシな部分がありますよ、ということです。
オカシイ ということに気がつくくらいのセンスをもってくださいと。
こういうところにようやく光が当たるようになってきました。
でもオカシイところはほかにもたくさんあります。
そういうオカシイところが今まで放置されてきたのはなぜか。
法律を見ていないからです。
では法律を見ないで何を見ているか。
それは業界の方々ならわかるはずです。
今後は法令中心主義がより徹底してゆきますから、肝心の法令の問題点も注目されやすくなります。
まだニュースの話ですから、今回の法令改正がどうなってゆくかはまだわかりません。
ただ、名簿のこと以外にも問題点はあります。
この機会でどこまでスッキリできるのか、期待しておりますけれど。
本籍地の確認をやめることを警察庁が決定したとあります。
たまたま昨日、風営法のセミナーでこの話を取り上げました。
こんなことを話しました。
風営法の第一条に「目的」が書いてありますよ。
目的は、「風俗と風俗環境の保持」そして「少年の健全育成の邪魔をさせないこと」の二つです。
この目的のために存在する法律ですから、風営法の規制や義務も全てそのために存在していますし、そのためにのみ運用解釈できるのです。
たとえば、従業者名簿は18歳未満の者の年齢確認に必要な情報を記入させるのです。
警察の犯罪者探しのお手伝いのために名簿が存在するわけではありません。
だとしたら、本籍地欄は年齢確認に関係がないのだから名簿に記載する理由はありませんよね。
風営法関係法令にはオカシな部分がありますよ、ということです。
オカシイ ということに気がつくくらいのセンスをもってくださいと。
こういうところにようやく光が当たるようになってきました。
でもオカシイところはほかにもたくさんあります。
そういうオカシイところが今まで放置されてきたのはなぜか。
法律を見ていないからです。
では法律を見ないで何を見ているか。
それは業界の方々ならわかるはずです。
今後は法令中心主義がより徹底してゆきますから、肝心の法令の問題点も注目されやすくなります。
まだニュースの話ですから、今回の法令改正がどうなってゆくかはまだわかりません。
ただ、名簿のこと以外にも問題点はあります。
この機会でどこまでスッキリできるのか、期待しておりますけれど。
posted by 風営法担当 at 15:40
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