2015年06月18日

風営法改正について思う

ゆれるパチンコ業界の話は別の項で語るとして、ここでは風営法改正について。

風営法改正案が成立し、事実上ダンス営業は(単にダンスをさせるからという理由での)規制がなくなりました。
代わって、夜12時から朝6時までの時帯において遊興させる飲食店が「特定遊興飲食店」という新たな業種として登場しました。しかしこの「遊興」にはダンスは含まれうるということです。つまり、ナイトクラブ等は相変わらず営業方法によっては規制され続けるということ。

規制内容は<法レベル>では風俗営業と全く同じで、これまで法的にありえなかった「深夜遊興飲食店営業」が許可を前提に解禁されたことになります。

そうなると、「遊興とはなにか」が非常に重要となります。
「遊興」の意味を知らなければ、事業者は許可を取る気も起きないし、無許可営業にならないよう注意することもできません。

ならば通常は風営法の第二条の(用語の意義)において定義されるべきところ、今回の法改正ではこの定義が付けが追加されていません。「遊興の定義」は解釈運用基準にすでに書いてあるのだから、基本的なことは法に乗せておくべきですが、どういう理由なのか。

その定義については過去に触れたことがあったと思うのでここには書きませんが、私の感覚では「あまりにあいまい」なのです。行政担当者だってよく誤解しているし、これではお客さんの相談にのりにくい。いろいろなトラブルがありえて怖いからです。

今後、「遊興の有無」で無許可かどうかが判別されことになれば、これは行政側の厳しい解釈と、営業者側の素人的解釈とで混乱するのじゃないかと。ここでいう「素人的」は「常識的」とは言えない場合もありますが、法の趣旨から見て行過ぎた解釈に陥るのは行政側の常であります。

「許可を取れば営業できるから規制緩和」ということですが、その許可が簡単ではありません。
風俗営業許可を出すために申請から許可までの標準処理期間が「土日祭日を抜いて55日」という運用が専らだと思いますが、これは妥当な日数でしょうか。
保健所で飲食店の許可を受けるのに、申請から10日くらいだったりしますが。

しかも、店内設備が営業できる状態になってからの申請ということです。
70日以上も許可を待たなければならず、許可前営業は無許可営業ということで刑罰の対象となります。

私は一面で行政書士ですから、風営法が厳しく運用されると仕事が増えます。
でも、一般国民の立場から考えると、これはいかがなものかと。

公安委員会に提出する図面の細かさ、照明設備の個数やワット数を書かせたり、イスのサイズや、客室のほか調理場の床面積までセンチ単位の寸法取り、保護対象施設をあらわす略図の記載の細かいこと、使用承諾書は共有者全員から承諾を得ねばならない、L字型の形状の客室の奥の部分が見通しが悪いから許可しない、客室や営業所の線の色の指定、住所や文章の表現なども一字の間違いも許さない、などなど、許可を一つ得る上でのハードルがいかに高いことか。

そしてこれらのハードルが行政側の解釈や都合で慣習的に固定されていて、しかも、行政側の都合でいつの間にか変更もされ、さも「常識」という雰囲気で強制される実態。

ある誓約書について、10年前は「出せ」と言われ、5年前は「いらない」と言われ、最近また復活したりとか。
法令に書いていない書類は受け取らない、という発想にはならないのです。

手続の申請に参上しても、「担当がいないからまたにしてくれ」とか、「予約してから出直せ」とか、普通にあります。「忙しいから申請を取り下げろ」というセリフを聞くことさえありえます。

これらは都道府県ごとにかなりの違いがあり、私が見る限り、ある程度合理的な運用をしてくださっている「県」も確かにあるのですが、私の経験上、「これはひどい」と思う地域があるのも現実で、それは風営実務に関わっている行政書士なら皆常識的にわかっていることです。

皆、本音では思っています。
「ここまで細かくきっちりやる必要はあるのだろうか」と。
でも、その方が商売になるからだまっているのです。

ですので、今回新たに出現した「特定遊興飲食店」という営業について、単純に「規制緩和」だとは思いにくいのです。その許可を取るために行政書士に頼んだりするんでしょうか。

普通の人が法令や手引きを読んで自分の努力だけで許可申請できる。
風営許可の多くは零細企業か個人事業者が申請するのですから、それが本来の手続のありようだと思います。
特別に高度な知識や経験は要らないはずですし、そうなるために行政側の努力と工夫があるべきですが、忙しくてそれどころではないでしょう。

法改正によってさらにまた法令が複雑になり、警察行政の仕事が増えたことは確かです。
私などは仕事が増えて結構なことですが、やはり、国民の立場からすると、これはいかがなものかと。

今回の改正はダンス規制の緩和に焦点を絞ったものでした。
そして「ダンス」という言葉だけが「風俗営業」からは脱出できました。おめでとう。

posted by 風営法担当 at 17:45 | パチンコ・ゲームセンター・遊技場

2015年06月11日

取り扱い説明書の値段について思う

「取り説」「諸元表」という言葉が飛び交っています。

ホールにある遊技機は中古機も含めて、取り扱い説明書は所持しておくのが当然だ。
ということのようです。

それで、急ぎ取扱説明書を用意しようとすると、一冊5000円とか12000円とか。
信じられない値段だそうですが、どういうことでしょう。

取扱説明書を有料で販売するメーカーというのは、他の業界にあるのでしょうか。
しかも何千円という値段。

型式試験や検定を受ける際には膨大な紙を印刷して提出していると聞きますが、説明書の値段はどういう計算で成り立っているのでしょう。
おかしなことが多い業界だと思うのです。



posted by 風営法担当 at 20:58 | パチンコ・ゲームセンター・遊技場

2015年06月10日

本音発言のリスク

こんなんじゃやってられない。
それはわかりますが、今更、であります。

行政庁からはここ数年来、こういう状況になることが示唆されてきました。
もはや、実態がどうこう、という配慮は期待できないと覚悟しておくべきでしょう。

個々の事業者が悪いわけではないのでしょうが、大勢の関係者の無意識の行動が蓄積して結果を生むのです。
そもそもホールだけの問題ではない、複雑な背景もあってのことです。

ホールとしては、少なくとも、法令としてどのようにあるべきか、を念頭に置いた対応が必要です。
いざというときに本音をぶちまけてしまうことが、さらに大きなリスクを生むことになりえます。

法的にあってはならないこと、あってもよいこと。
これの区別をしっかり理解しておくことが重要です。

公開セミナーでは概略を説明してきたつもりではありますが、細かい点で誤解されていやしないかと少々不安です。
私は法令を解説したのでなく、考え方を示しただけです。
そして、私には参加された皆さんの法令理解度を把握できません。

私の心の中では、「大雑把な考え方は説明しました。未来についても語りました。法令の確認作業は各人でやってくださいね。」と思っています。

法令の具体的な解説が必要であれば、個別にお問い合わせください。








posted by 風営法担当 at 20:05 | パチンコ・ゲームセンター・遊技場