2017年04月22日

釘調整は6月が相場

ここ半年ほどの間に釘調整がらみでの摘発事案が全国で続発しています。

無承認変更として書類送検。起訴なら罰金。
そして営業停止処分なら2か月から6か月。

とりあえず6か月が相場とお考えください。
しかも、行政処分の決定を待たずに事実上の営業停止になりえます。

きっかけは客からの通報、他店の通報、身内の通報、いろいろです。

今は総合力が問われていますから、法令理解はもちろん、労務環境やハラスメント対策も重要ですが、今からではちょっと。。。

皆さん、違反防止ばかり気になさっていて、起きた時にどうなるかを考えておられない。

ぱちんこ遊技機の運用は今後さらに苦しい局面を迎えます。

どこでいつ起きてもおかしくない。そんな予感です。

起こさないことよりも、起きた時にどうするか、の方が重要になりつつあるような。。。





posted by 風営法担当 at 15:00 | パチンコ・ゲームセンター・遊技場

2017年04月21日

風俗営業許可証を管理する場合の注意点を教えてください。(法務相談カルテ)

(プレイグラフ2014年8月号「法務相談カルテ」掲載)

パチンコ店が風俗営業許可を取得すると、A4版サイズの紙でできた風俗営業許可証が都道府県公安委員会から事業者に交付されます。
 風俗営業許可証は営業所内の見やすい場所に掲示しなければなりません(風営法第6条)。

許可証の掲示が風営法で義務付けられているのは、客等がその営業所を安心して利用できるようにすることや、行政職員が立ち入った際に営業許可の有無を容易に確認できるためであると考えられます。一般的には賞品提供カウンター付近の壁面等に額縁に入れて取り付けるなど、客からも見やすい位置に掲示する方法が一般的です。

 大切なものだからと言って、営業許可証の原本を金庫にしまったり、事務室の内部など客から見えにくい場所に掲示したりしないでください。許可証のコピーを別途保管しておくことは結構ですが、原本は必ず掲示しなければなりません。
 営業所が特例風俗営業者であることの認定を受けている場合には、都道府県公安委員会から交付されている認定証も掲示しなければなりません。食品衛生法にもとづいて保健所等から飲食店の許可を受けている場合も、同様に飲食店許可証を掲示する義務があります。

 許可証には「営業者の氏名又は名称」、「営業所の所在地」「営業所の名称」「営業の種類」などが記載されています。これら許可証に記載されている事項について変更があったときは、その変更にあわせて公安委員会へ変更届出を行いますが、許可証の記載事項も変更内容に合わせて修正する必要がありますので、変更届出と同時に許可証の書き換え申請を行うこととなります。この場合は許可証の原本を一時的に警察署へ預けることとなります。

 もし許可証が汚れたり破れたりして、許可証に記載されている情報が読み取れなくなった場合や、何らかの理由で紛失したなどの場合には、速やかに公安委員会に許可証再交付請求を行ってください。申請手数料がかかりますが、数日で新しい許可証を交付してもらえるでしょう。そして、営業を廃止したときは、速やかに公安委員会へ許可証を返納しなければなりません。

 最後に一つご注意いただきたいのは、風俗営業許可証の裏面のことです。裏面には、重要な事項の変更にともなって許可証の記載事項を書き換えた旨や、風俗営業許可に条件が付された場合の条件の内容等が書いてあることがあります。
 許可に付されている条件には、営業所を一定の方法で拡張してはならない旨が記載されていることがよくあります。これは営業許可取得後に営業所周辺の用途地域が変更されたり、営業所付近に保育所や病院など保護対象施設が開設されたりし場合に付されるものです。

このほか、営業の方法について「遊技機は一人一台としハンドルの操作は必ず手をもって行い機具、器物等を使用して遊技をさせないこと。」といった内容になっていることがあります。これはいわゆる「ハンドル固定」を客にさせてはならないという意味ですので、固定ハンドルでの遊技をホール営業者が黙認したり放置したりすれば、許可に付された条件に違反することとなります。
許可に付された条件に違反してしまうと、最悪の場合は営業許可の取り消しなど重い処分を受ける恐れがありますので、店舗運営に関わる方々は許可証の裏面を見て、その営業所の許可に付された条件の内容を必ず把握しておいてください。



posted by 風営法担当 at 16:55 | 法務相談カルテ

2017年04月18日

新社会人に伝えておきたいコンプライアンスの話

この春から社会人になる方々のために、コンプライアンスの観点から伝えたいことは何だろうかと。

新人さんは入社と同時にたくさんのことを覚えなければならないので、法律やルールを教えても、意味がよくわからないでしょうし、すぐに忘れてしまいます。

もちろん、社内のルールを見せておくことは重要ですから、就業規則などもひととおり説明しておくべきですが、そちらは会社の方にお任せしましょう。

私が気にしているのは、新社会人の皆さんのコンプライアンス感覚のこと。

企業不祥事の事例を見せた後で私から質問するのです。

「不祥事はなぜ起きたのでしょう?ルールを守らなかったからだと思いますか?」

ほとんどの人が「そのとおり。ルールを守らないから不祥事が起きた。」と答えます。

言い換えると、「ルールさえ守っていればトラブルは起きない。」という感覚です。

さて、皆さんはどう思われますか。

私が新社会人向け研修でテーマにすることは、「リスクの優先順位」です。

あなたにとって一番大切なものは何ですか? → 「それは命です。」

そうですね。多くの人にとって命と健康は大事なものです。

ならば、命とルール。どちらを優先しますか?

そう。命の方が優先ですね。

たとえば、会社に遅刻しそうなとき。遅刻はルール違反ですね。違反したくないから、どうするか。

信号を無視したり、周りをよく見ないで走ったり。クルマやバイクや自転車で通勤するなら、とても危険ですね。

上司から怒鳴られてもいいから、10000分の1の確率で起こる事故を避けてください。命がかかっているんですよ。

と、こういう話をします。

もし事故が起きたらどうなるか。民事と刑事の責任の実情も説明します。

損害賠償額の考え方。刑事責任の考え方。

これは社会経験を積んだ人でも、イマイチわかっておられない場合があります。

たとえばこんな実例もあります。

あるカラオケ店で、てんぷら油から出火しました。

人手が少ない店舗だったので、調理の担当者が配膳までやっていた。

ほんの一瞬のすきに、油の温度が上がりすぎて出火し、死傷者がでてしまった。

責任を取るのはだれですか?

調理の担当をしていたアルバイトさんでした。

巨額の賠償と刑事責任を負うのです。悲惨な話です。

死傷者が出るから大変なことになるのです。

ルールを守ることより、死傷者を出さないこと。これが重要なことなのです。

皆さんの会社でも、このことを徹底していただきたい。

若い皆さんは、どんなことが命や健康に関わることなのか、よくわかっていない人がいるかもしれません。

私はルール違反をやたらと恐れさせてはいけないと思います。そこは冷静に判断していただかないといけません。

ルールより大事なことをちゃんと意識させてこそ、意味のあるコンプライアンスなのだと思います。




posted by 風営法担当 at 11:22 | コンプライアンス総合
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