2015年04月12日

役所から定款を提出して欲しいと言われたのですが、定款って何ですか?

(プレイグラフ2013年2月号「法務相談カルテ」掲載)

官公庁に対する許認可申請や銀行取引などの際に、定款の提出を求められることがよくあります。
 定款とは、「会社など法人の組織が活動を行うための最も基本的な規則」と言うことができます。会社だけではなく社団法人や財団法人、NPO法人にも定款があります。
 定款は法人にとって最も重要な事柄を定めている文書ですので、「会社(法人)の憲法」と呼ばれたりします。
法人には必ず定款(又は定款に相当するもの)がありますが、ここでは一般的な「会社の定款」について説明します。
定款は、最初に会社を設立しようとした発起人が話し合って作成します。定款に必ず記載しなければならない事項として、「会社の商号(会社名のこと)」、「事業の目的」、「本店の所在地(市区町村まででも大丈夫です)」、「設立にあたって出資される財産の価額またはその最低額」、「発起人の氏名又は名称および住所」があります。
これらの内容が書かれていない定款は、その定款自体が有効に成立できないので、絶対に記載しておかなければならないことから、「絶対的記載事項」といいます。
定款に記載する事項には、絶対的記載事項のほか、設立時の取締役を決定したり、株式の内容を定めたり、会社設立にあたって自動車などの現物を出資したりする場合に定款で記載しておくことで効力が生じる「相対的記載事項」や、会社設立にあたって任意に営業年度や株主総会の招集年度や株主総会の招集方法などについて定める「任意的記載事項」などがあります。
このような内容を盛り込んで作成された定款は、発起人の署名や記名押印をした後、公証役場で公証人からの「認証」を受けることによって定款としての効力が生じます。こうして会社設立の際に認証を受けて作成された定款を特に「原始定款」といいますが、最近は、4万円の印紙税を節約できるため、電子定款という電子書面で作成された定款で認証を受けている場合がよくあります。
原始定款には公証人の署名が記載されていて立派に見えるので、原始定款のように公証人の認証を受けた定款だけが正式な定款であると誤解されることがよくありますが、定款は書類ではなくルールだということをご理解ください。
会社の事業が拡大したり、役員の任期を変更したりするなど、会社の体制の重要な部分を変えることが必要になってくると、会社設立時の原始定款の内容を変更する必要が出てきます。このような場合には、定款に定められている手続に従って株主総会を開催し、株主総会の決議を経て定款を変更します。
その変更の内容が登記事項であった場合には法務局で登記を行いますが、登記に際しては変更した定款自体を法務局に提出する必要はないので、会社によっては古い内容の定款をうっかり気がつかないまま使用してしまっていることもあります。
最新の定款の内容が反映されている定款を常に備えておかないと、勘違いによって古い定款が第三者に提供されてしまう恐れがありますのでご注意ください。
行政や取引先が定款の提出を求めるのは、その会社の基本的なルールがどうなっているかを知りたいからです。
定款を行政機関に提供する際には、最新の定款の内容を記載した書面に、会社代表者による奥書と署名、日付等を記入して、その書面に記載された内容が真実の定款の内容として間違いがないことを証明することが一般的です。
特に注意が必要なのは、会社の組織や体制を大きく変更するために大幅な定款変更を行う場合です。 
定款の変更には公証人の認証は必要がないので、登記の手続の際に法務局から指摘を受けるまで、定款に問題があることに気がつかないことがあります。法務局の登記手続の途中で問題が出てしまうと、登記の完了が大幅に遅れたり、場合によっては申請を一旦取り下げることになったりします。会社の定款を大きく変更する場合には、一度専門家にご相談されるとよいでしょう。
posted by 風営法担当 at 15:00 | 法務相談カルテ