とてもありがたいことです。
貴重な時間を割いて研修にあてるのですから、なるべく効果的な内容にしたいと思います。
では、研修を行うにあたっての私の基本的な考え方について。
理想は「法令を理解し使いこなせるようになる」ことです。
しかし、法やコンプライアンスの基本を理解していない人が、風営法だけを見ていても、本当の理解には至りません。
ましてや、法律が嫌い、自分で考えるなんて大嫌い。という人には、まあ無理な話です。
それでも、仕事人として責任がある以上は理解しなければなりません。
そこで重要になるのは、時間配分です。
将来どれほどの時間を研修に割けるのか。
時間を割くことができないとわかっているなら、中途半端な理解になるにせよ、今もっとも重要な部分のみを取り上げることになります。
将来の研修時間に期待できるなら、その分、基本的なテーマを先に取り入れることができます。
もちろん理想を言わせていただければ、コンプライアンス→民法刑法→風営法、という段階を踏んでいただきたいです。
グループ討議にも時間をかけて、法令を面白いと感じつつ、自分で考える訓練をしていただきます。
それがうまくゆけば、あとは各人で勝手に法令理解を進めてくれるようになるでしょう。
ところが。
学んだことしか覚えない。
学んでないことについては考える意思も興味もない。
資料を渡しても自分の意志では読まない。
そういう感覚の人に、いくら細かい解説をしても、ほとんど意味がないし、ときには有害でもあります。
私は研修参加者に対して二つの分類をしています。
みずから情報をえたいと思っている人(やる気ある派)と、そうでない人。
「法」に対する堅ぐるしいイメージせいでしょう、一般的に「やる気ある派」は少数派ですが、その分布程度は企業によって個性があります。
「やる気ある派」かどうかの見分け方は簡単です。
本質にせまった質問があるかどうか。です。
さて、私は「やる気ある派」と「やる気ない派」のどちらのための研修をすればよいのか。
これは悩みます。そこで、とりあえずは、「やる気ない派」の人達の中にもやる気を出してくれる人が増えるように、いろんな話をします。
それはもっぱら、法令に対する見方の話です。
人生において法令理解がいかに重要で価値のあることであるか。
そういった話をまじえながら「やる気ある派」を増やす働きかけをしつつ、解説をすすめます。
時間に余裕があるなら、法令を身近に感じてもらえるような研修に時間をかけて、「やる気ある派」を増やしたいと思います。
が。それはとてもぜいたくなこと。
風営法について型通り語るだけでは、「やる気」まではとても無理。
ある程度工夫して、それでもやる気がでない人に対しては、私としては、あきらめることになります。
やる気のない人に合わせすぎてしまうと、貴重な存在である「やる気ある派」のやる気を削ぐことにもなります。
どんなことだって、自分から学ぼうとしなければ身につきません。
ですので、細かい解説よりも、「見方」「考え方」を伝え、あとは本人に任せます。
「やる気ない派」の傾向としては、理由よりも「答えだけ」を知りたいと願うし、答えがあいまいだとイライラします。それは私からすると「不適切な思い込み」ではありますが、それを解消するには時間と手間がかかります。
やる気さえあれば、やることは単純です。
ただ、疑問を持ち、調べ、考えてみる。
法令なんて、誰でも調べれば確認できるのです。
しかし、体質として法的思考に向いていない人は、現状では少なくない。
基本はそういうことですが、ご要望があるなら伺います。
しかし、やる気がない人全員に短時間でしっかり理解させろ、と言われたら、よほど簡単で当たり前のことしか伝えられません。
そのあたりのことをあらかじめ考えてから、研修を企画していただきたいと思っています。
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