2017年12月21日

大宮ソープ火災と既得権営業について思う

大宮のソープランドの火災で死傷者がでたニュースのことで、マスコミさんからのお問い合わせがありまして、関係法令や風営法の制度上の経緯などについてお話ししました。

ホール業以外のことを考えるのは久しぶりだったので、ここで一つ。

店舗型性風俗営業のほとんどは既得権営業です。
条例で全国のほとんどが出店禁止区域になっており、もともと営業していたお店だけが、届出された営業の方法でのみ営業が許されている状況です。

営業所建物の増改築をしてしまうと既得権を失ってしまうので、事業者さんは原則としていじれないということです。
公安委員会に営業所内の精密な図面を提出しているので、いじると立入の際にはバレてしまいます。
私も一時期、いろんなソープやストリップ劇場などの図面作成をしてました。

個室の客室面積をちょっと増加してもNGだし、一度客室を撤去してから元通り、という方法もNG。

この状況下で耐震対火災補強工事ができる技術を持ったスーパー建設会社がこの世にはあるのでしょうが、それを頼むほどの経済的余裕が今どきの店舗型事業者にあるでしょうか。

今回は火災が問題になっていますけれど、そもそもそういう小さな話ではないですよ。
今の風営法の制度では、「店舗型性風俗はなくなってしまえばいい」という前提のもと、既得権事業者が徐々に消滅してゆくのをじっくり待つ戦略です。

「徐々に消滅」というのは、事実上「建物の老朽化」とイコールです。
事業者としては貴重な既得権を最大限生かそうとしますから、建物が使えなくなるギリギリまで使いたい。

ですから火災はもちろん、自然崩壊もありうるし、地震が来たら一斉にペチャンコということにもなります。当然、死人もでるでしょうが、それは「予定されていること」です。

だから、今回の火災の死傷者も、これから続くであろう犠牲のほんの一部分にすぎないわけです。
人口減少により建物の老朽化は社会全体の問題ですが、人の出入りが激しい風俗店の老朽化のリスクがとりわけ高いことは、過去の類似火災の件数から見て明白です。

最近、地震予想のニュースが多いですね。
この年末は消防警察合同の立ち入りが増えるでしょうけれど、行政の立ち入りだけで済む問題ではないと思うのです。

ズバリ申しますと、一定の要件で改築を認めたらどうか。
又は、どこかでスッパリと廃業させる法律を作るか。だと思います。

なお、既得権営業は風俗営業でもあります。
パチンコ店の既得権営業については、またいずれ。




posted by 風営法担当 at 12:07 | コンプライアンス総合