コンプライアンス問題として、とても興味深いです。
角界のルールでは「女人禁制」。
世間の常識では「男女平等」+「人命尊重」
研修で議論してもらうと、身近なテーマで意見が対立することがあります。
他人も自分と同じ感覚だと思い込んでいるのが日常。
しかし、その思い込みが通用しないときにコンプライアンス問題が起きます。
行司さんにとっては「女人禁制」という業務上の絶対ルールがあります。
ここでいう「絶対」は、今回のように<土俵上で市長がクモ膜下出血で倒れる>という異常事態には通用しませんでしたが、行司さんにとってそれは「結果」に過ぎません。
周囲の観客か関係者か知りませんが、「女が土俵にあがっていいのか」といった複数からのヤジを聴いたら、行司さんがその影響を受けてしまうのは当然。
まじめな行司さんほど、自分がよく知っているルールにこだわるのも自然なこと。
さて、こういったことはホールの現場でもありえますね。
守らねばならない「日常のルール」
周囲から寄せられる「業界内の常識」。
そして異常事態の発生と一瞬の判断。→ 摘発 → 営業停止
事前に思考訓練をしていないと、緊急時の適切な判断は期待しがたいものです。
風営法をルールとして覚えさせる。・・・・で?
それだけでいいのですか?
風営法を守って摘発?
そんなことが・・・・。ありえないと思っていらっしゃる?
ありえますよ。Aさんは風営法を守った。で、ほかの部署のBさんは守っていない。
Aさんは自分がルールを守ることしか考えていないのですが、会社としては法令違反のまま。そしてAさんの「善行」のおかげで問題が発覚する。
こういう光景はどこの会社にもあります。
中途半端な理解は危険ですが、ご本人は中途半端とは思っていません。誰でもそうです。
しかし、突然にトラブルが発生したときに、その「知識」がかえってリスクを増大させてしまいます。
研修しなければよかったね。。。。
ルールを覚えさせるだけで、<基本方針の明確化>や<使い方の思考訓練>をおろそかにするのなら、やらない方がよかった。つまり、もったいない研修になります。
法的リスクは企業としてコントロールするべきですが、できていますか?
そして、そういうもったいない研修や体制は、<大きい組織>において顕著です。
それがホール経営に致命的な打撃を与えることになりかねないと言うことを、ホール経営に関わる多くの方々がイマイチご理解されていないか、又は「あえてフタをしている」。
・全てのルールを守ろうとしている「まじめな」業界人の方々。
・一方で、ルールを理解しないまま危険な綱渡りをしている方々。
ホール経営上は、どちらも問題ありです。そして、こういう人たちが混在しいているのが組織というもの。
「え?ルールを守って何が悪いんだ!」と思われましたか。
では、例の行司さんは「女人禁制」のルールを守って、その結果どうなりました?
だから私は、ルールよりも大事なことを業界の皆さんに伝えたいのです。
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