2018年05月01日

廃止届出義務違反で罰金刑の逆転無罪 について思う

ススキノ「風営法違反」 高裁で逆転無罪判決
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/185011

こんな記事を発見しましたが、情報が少ないので詳細はよくわかりません。

まあ、「めずらしいなあ」と思ったわけです。

性風俗特殊営業の廃止届出義務違反について、簡裁で20万円の罰金刑となり、控訴して高裁で無罪判決となったそうです。

廃止届出義務違反は50万円以下の罰金。
しかし、廃止届出義務違反で刑事罰というのは、現実世界の感覚としては珍しい。

つまり、「よほどの事情」があるということです。
で、想像します。

そもそも、<すすきの>と言えど、ソープ、ヘルスなどの店舗型性風俗特殊営業は「既得権営業」となっています。

つまり、客室面積に関わる個室の増築を、もし「していた」とすると、風営法では既得権を喪失することになります。
もちろん、判決文が公開されていないので実情はわかりませんから、あくまで想像の話。

警察が立ち入りして、「あれ、客室変わってるじゃないか。既得権喪失だ。営業停止せよ。」

で。事業者さんが「わかりました。廃業します。」と素直に営業をやめたとしましょう。

しばらくして、警察としては「まだ廃止届出されていないぞ。どうなっているんだ?」

「いや、もうとっくに廃業しましたよ。」

「なに!?なんで廃止届出もってこないんだ。」

あくまで私の想像です。
いつのまにか廃業されていても、行政庁としてはその時期を明確には把握できない。

問題があるケースだから、行政部内で文書として決済しなければならない。
店舗型が一件消えるというのは、結構目立つ話ですもの。

<いつ廃止したのか>は事実情報として行政的には重要です。

しかし、いつの間にか廃止してました。廃止の時期もわからない。やめちゃった事業者さんと連絡も取れない。なんとなく落ち着かない。

まったくもって私の想像です。
そして、廃止届出義務違反として立件したれ。と。

地検が起訴するのもちょっと意外ですが、よほどの事情かな。
そして、簡裁は有罪にしました。

しかし、「たかが廃止届義務違反で罰金刑かい!」
うーん、その気持ちはじゅうぶんわかる(私の勝手な想像です)

そして高裁の判断が、

「警察の検査で営業をやめざるを得なくなった場合、警察はあえて店側に廃止届を提出させる必要はない」(北海道新聞より)

なるほど。。。

つまり、こういうことでしょうか。

営業を廃止するという意思を行政庁に通知する行為が「届出」。

行政の立ち入りで違法営業が発覚し、速やかに営業を廃止した事実を行政側が「もし」すでに知っているのなら、それでもあえて廃止の届出をさせる必要はない。

こんな趣旨でしょうかね。

廃止届にこだわる行政側の気持ちもよくわかります。
「廃止したなら届出してよ」
と思いますよ、普通は。

でも、罰金刑が妥当かどうか。
こういったところがレアケースとして面白いところです。

ともあれ、判決文を見ないと自信をもっては言えないので、あくまで私の想像です。
実情と異なっている可能性があるので、ここの内容はいずれ削除又は変更するやもしれません。

しかし、想像力は大事なのですよ。
なにしろ私の仕事は、断片情報から事実を想像しないと対応できないのです。

風営法のリスクをふまえたアドバイスをしているわけですからね。
posted by 風営法担当 at 11:06 | 風営法一般