2020年07月13日

風営法への過大な期待について思う

「東京でコロナ感染が再拡大。風営法などの法改正で、実効性のある対応を」
https://blogos.com/article/470521/

↑このような記事を見まして、忘れないうちに思うところを述べます。

世間の皆様が風営法をどのようにイメージしているかを考えるのは私の専門領域でもあります。

私が関心を持った部分は、参議院の方のご意見の中の次の部分です。

「委員会質疑等でも、私はたびたび法改正(特措法or風営法)によって感染源となりがちな接客飲食業等には強制力・実行力をもって、補償とセットで休業していただく仕組みが必要だと訴え続けてきました。」

これは、風営法を改正して休業させるという意味なのかどうか。
感染予防として休業を法的に義務化するとしても、風営法の規制の目的と無関係なので、風営法を根拠にして休業を強制するのは無理かなと思います。特措法ならばありえるのでしょうかね。

健康問題は厚労省の管轄になりますし、飲食店は全て食品衛生法の規制を受けていて、保健行政の職員は立ち入り権があり、行政指導もできます。

でも、新型インフルエンザの感染予防は食品衛生の分野ともちょっと違うんですよね。
飲食物を通じてウィルスが感染する可能性はありますけど、食品衛生法だけで対応するのも、ちょっと無理かなと。

飲食業全般に規制をかけるなら保健行政がやるのが好ましいかもしれませんが、もしかすると「保健所よりも警察の方が頼もしい」というお考えでしょうか。でも、そこまでのことは記事にないので、わかりません。

さらに、こんなことも記事にあります。

「・・・・
・エビデンスに基づく詳細な制度設計
・闇営業をする違法業者の厳格な取り締まり

を行わなければ意味をなしません。特に後者については、第一波の際からずっと遵法業者が切実に望んでいたことです。」

「風営法対象業種は都道府県公安に届け出が必要なため、無届けで営業をしている業種は発見しやすく、警察・公安が本気を出せば取り締まりがしやすい業態のはずです。
無届け業者については法改正をするまでもなく取り締まれるはずなので、まずはこちらの摘発を徹底する。」

と記事にありました。
なるほど、と思います。

風営法と言う法律がある以上、しっかり取り締まりをして法令を守らせる。
法改正ではなく、<取り締まりをちゃんとやってね。>ということですが、元々やってなかったの?という話で終わってしまうかなと。

私も4月にこれについてブログで思ったことを書きました。
営業時間規制を守らないホストクラブなどがクラスターの温床とか言われている割には、取り締まりのニュースがあまり多くないので、手ぬるい感じはしておりましたけれど、どうなんでしょう。指示処分くらいは出ているのでしょうか。

「風営法対象業種は都道府県公安に届け出が必要」とありますが、言い換えれば、届出をして風営法を守っている限りは、たとえ感染予防策を講じていないとしても風営法に違反しませんし、警察もとやかく言えません。

総括しますと、<警察は風営法違反業者をしっかり取り締まってください。>

という主張はごもっともですが、それ以外で風営法に関係する部分は実質的にほぼ意味がないと思いました。

ネット記事では、風営法と警察に過大な期待をよせるご意見を散見しますが、法の運用上無理なことを議論するのはもったいないなと思いましたので、ここに述べました。
posted by 風営法担当 at 12:30 | 風営法一般