ちょっと前の記事ですが、ジャーナリストの江川紹子さんが朝のテレビ番組「モーニングショー」の玉川さんの発言などについて批判をしているという記事↑です。
再び休業要請が出るのではないか、という声もあるし、パチンコ店がらみだったので今さら注目しました。
休業要請に応じないパチンコ店について、
「警察庁で<閉めてくれ>と言ったら閉めるでしょう」
と玉川さんが言ったとか。
気持ちわかりますよ。
世間にはそういうイメージがあるということですね。
ほとんどの視聴者はそれを見て「うんうん」と思ったでしょう。
なので、玉川さんがそう言うのもわかるんです。
それに、実際にそういうたぐいの影響力が、風営法にもとづく監督権限を持つ警察に存在することも否めませんから、間違いとも言い難い。
そこは天下の警察ですから。
が。江川さんってすごいなあ〜。と私は思いました。
法的に根拠のない方法での権力行使はいけませんね。
法治国家として、行政権力を抑制する機能を備えた政府として、そういう違法な権力行使はNGです。
少なくともジャーナリスト、つまり、<権力の濫用がないように国民に正しい事実を伝える仕事をしている人>にとっては、許しがたいことのはずです。
新型ウィルスは怖い。
その気持ちはわかります。
そこで出てくるのが超法規的措置というやつですね。
でも、突然ゴジラが出現したのとはレベルが違います。
関係法令を改正する余裕だってあったはずなのに、そういう議論をすっ飛ばして、違法に権力を行使させるのを当然と思わせてしまうような発言は、メディアとしてはよろしくないです。
とは言っても、玉川さんの気持ちはわかりますよ。
コメンテーターとして率直な気持ちを表明したわけで、多くの国民も共感している。
しかし、ルールをガチガチに守るのを善だと信じ、気に入らない誰かがちょっとしたルール違反をしたときに叩きまくるメディアや国民が、こういうときにはさらっと法を無視するんです。
気分次第で適当にルールを扱うことがいかに危険であるか。
終戦について毎年考えるこの時期です。
あの数百万人の犠牲にいたる道筋の発端はどこにあったのか。
それを考えずして犠牲者に黙とうすることを、私は受け入れることができません。
風営法に基づく立ち入りにしても、当の行政当局者が「それはまずいんじゃない」と苦言を漏らす。
なのに、政治家やメディアがヤレと言う。
そういう国なんですね、日本という国は。
その部分が戦前と変わっていない。
つまり、反省していない。
だけど黙とうはする。
国民は悪くなかった。あの戦争は狂った軍人たちが勝手に始めたことだ。国民は被害者だ。。。
では、非国民と思しき人の居宅に憲兵隊が押し入って脅し、拷問する。そういうことを帝国のメディアや臣民がヤレという。
それとこれは、どう違うかな。
そういったことについての警戒感をもって、江川さんは批判をなさったのかなと思いました。
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