私はもっぱら神奈川県の手続きを見ていますが。
給付申請者の身分確認のために毎回運転免許証を提出しているところ、第7弾まではこれでOKだったのが、第8弾ではNGだと言われ、理由を聞いてみると、免許証の有効期限が経過しているからだと。
なるほど、確かに第8弾の期間中ではすでに免許期間が経過しています。
しかしながら、<運転免許の期間>と<身分確認>は別次元です。
第7弾までいちいち免許証で本人確認を終えておきながら、第8弾では本人確認ができませんと。
なぜなら免許期間が過ぎたから。だからまた新しいデータの提出を求めるなんて、意味があるのだろか?
つまり、神奈川県はすでに自らが協力金を支給した県民について、前回と同様の方法で支給するにあたって、いちいち本人であるかどうかを疑っているということですが、自分が過去に支給した事実は全く無視して、免許証を交付した神奈川県公安委員会の免許証を出させるの? どちらも「神奈川県」の機関ですけどね。
あ、そうか。この手続きを実質的に担当しているのは、行政から委託を受けた民間企業なのかな?
もしそうなら、彼らには自分たちが行政手続きの窓口であるという意識が希薄なのだろうか。
そういう事業者が、行政たる自覚もなしに面倒くさいことを県民に押しつけて、それをもってがんばっているふうにして県からお金をもらっているのかな。よくわかりませんが。
さらには。
飲食店の入り口に<営業時間短縮していることを示すポスター>を掲示している様子の写真をデータで送るのですけれど。
そのポスターにおける店名が写真では小さくて見えにくいと言われました。
でもね、その写真の中には、そのお店の看板が映されていて、その看板の中で店名がでっかく表示されていて、その店のドアに張り付けたポスターであることは疑いがない写真なのです。
なのに、ポスターに書いてある店名が見えにくい?
だからなんなんだ?
この店が時短営業していることがわかるでしょ?
第7弾でも、第6弾でも、同様の写真を送って、それで確認済みだというのに。
まさか、この写真を見ておきながら、実は別の店のじゃないかって疑っているの? もうこの店は協力金の審査を4回パスしたんだけど。似たような写真を何回ださせたら、この人たちは納得するんだろう。。。
その旨を県の担当者に伝えたところ、なんと。
「ほかの店のポスターを持ってきて張るかもしれないでしょ。だからやっぱり・・・」
「やっぱり」ってなんだろう?でも、その人にとっては「やっぱり」なんでしょうが、私にはよくピンときません。
おそらく、この「やっぱり」の意味を分析すれば、彼らの問題点がまるわかりになるでしょう。
ポスターの店名がなんであろうと、この店が時短営業していることが確認できればいいんじゃないの?
たしかに県が推奨するポスターには店名の記入欄とか、「第〇弾」とかありますが、この協力金の趣旨は、県の要請に協力した事業者に対する協力金であるはず。
つまり、協力したことを確認できればよいはずなのに、実態確認と無縁な部分でケチをつける審査になってしまっています。
「県民のこともこの制度の趣旨も考えていませんでしたね。やっぱり。」
てなことになってしまいませんかね。
ああ。これは風営法でもよく起きていることなだな。
法制度の趣旨がわからない人ほど、どうでもいいようなこまかい部分にばかり意識が向かってしまってしまい、市民に余計な負担をかけてしまうんです。
それで「がんばったこと」になっている。
私、自分の子供にはよく言うんです。
「どんなにがんばっても、無駄なことは無駄なんだよ。だから、無駄な努力にならないよう精いっぱい考えようね。<考えること>を最優先で頑張ろう。」
そういえば今、埼玉県で重大なる問題が起きていて、私のところには、困惑している行政書士さんからの相談が多数寄せられています。だから私は埼玉の風営手続きは基本受けないようにしていますけれど、埼玉県民は実にかわいそう。
そういった現象は、風営法の分野でも問題だと思いますが、多くの一般市民、しかも感染防止に協力してくれている事業者に対して行われている休業協力金において起きてしまっているのは、私はとっても残念に思います。
ネット申請の活用は結構なことではありますが、すでに協力金は11弾に及びました。
その都度面倒な手続きを強要し、筋違いな運用しておきながら、「いうこと聞かないなら協力金を出しません。」と。
まあ、起こりがちな現象なので、この国の人たちが事務をやると往々にしてこうなるんだな。と思っています。
許認可権を持つ旧態依然たる役所だけでなくて、民間委託の事業でも短期間でこうなるんだと。
この国の人たちの心に沁みついている<ある問題点>が、なんとなく見えてきましたよ。
つまり、この国の問題点は、役所だけにあるわけではないのです。
あなたの周辺では起きていませんか?
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