2011年07月07日

警察の“突然の方針転換”にネットカフェ存亡の危機?というニュース

警察の“突然の方針転換”にネットカフェ存亡の危機? ←ニュースリンク



ネットカフェ規制のニュースが増えていますが、上記記事の中で、いくつか気になった点がありましたので触れてみます。

「この規則はもともと、いわゆる同伴喫茶などを取り締まるためのもの。それをネットカフェの取り締まりに使うといういわば“無理筋”だ。」と記事にありました。



「無理筋」については気分としてわからなくもありませんが、そのことは最後に述べるとして、現行の風営法を見る限り、一部のネットカフェ営業に規制がかかってしまうことは無理からぬところです。



「警察が取締りをしなければ問題なし」と考えるのならば、業界はコンプライアンスについての意識に欠けているという話にもなりかねません。当たり前のことですが、警察がどうであろうと風営法は存在しており、ネットカフェ営業の方法次第で当然に違法となってしまうのは、警察の判断でどうこうできることではないからです。こういう発想が出てきてしまう状況こそが、業界が後手に廻っている兆しだと思います。



それに、ネットカフェ営業が治安や風俗環境に悪影響を及ぼす可能性があり、その悪影響を許容範囲に留めることが期待できないということにもしなったとすれば、風営法にしろ条例にしろ、結果的に何らかの規制対象となることは避けがたいでしょう。



私はこの記事を読んでネットカフェ業界の今後の状況について想像しているのですが、こういう状況は風営法の世界ではよくあることで、人によってはネットカフェ業界に対する警察の対応について「手ぬるい」という印象を持つ人もいるでしょう。



たとえば、昨年ラブホテル規制が厳格化された際にも、もともと風俗営業の業界にいた方々は対応が早かったし、一見余計なことと思われるような面倒なリスク対応も手抜かり無く、リスクの見極めも一般のホテル事業者よりはるかに厳しく見積もっておられたと私は感じています。



逆に、風営業界を知らない人の場合は、「どうしてそこまでするのか。」「どうして今まで放っておいたのか。」「結局は黙認してくれるのではないか。」といった様々の愚痴や期待が出てくるものですが、現実を受け入れるまでには相当の道のりと時間が必要となります。現実に対する受け止め方は、その人の心理状況によって様々なものです。



さらに気になったのは、以下の部分です。

「今年4月以降の警察の調査は、前回の通達のような書面による厳格なものではなく、口頭によるもので、再調査を開始した。それゆえ、各県警による“温度差”もあるようだ。再調査の進む大阪とは裏腹に、首都圏のネットカフェ経営者によれば、「東京でも埼玉でも、警察は本人確認を徹底しているかどうかの確認には来ているが、室内の見通しをよくしろとか、風適法を申請しろとかの指導は無い」として様子見の構えだ。だが、警察も全国に再調査を命じた以上、「大阪以外は問題なし」で終わるとも思えない。」(以上、抜粋終わり)



警察の対応方法としては、まず最初に書面で通知して理解を促したという実績を作り、次には店舗ごとに具体的な指導を行って改善の機会を与え、それでも無視した店舗に対しては摘発するという段取りが一般的です。

その過程で対面した警察担当者の発言や態度というものは、それがたとえ個人としての本音であったとしても、それをもって今後の警察行政の対応を見極める材料とするわけにはゆきません。担当者が個人的にどう考えていようとも、組織としてやるとなったらきっちりやるのが行政なのです。



現状維持を強く望むあまり、現実を都合良く解釈したくなる気持ちはごく自然なものですが、最悪の場合を想定しておくのが経営者の務めだと私は思います。甘い期待に引きずられてリスク判断を誤りませんよう。



例えば、個室ビデオ営業に衣替えする動きも出て来るという話が記事にありました。個室ビデオにおいて、果たして飲食提供なしで営業を継続できるものでしょうか。仮にその「衣替え」が無許可営業を隠蔽するための衣替えに過ぎないのであれば、それで警察の取締りを逃れられると考えるのは少々甘い発想だと感じます。ネットカフェの実態がある限り、隠蔽にはいつか限界が来るのだと考えておくべきでしょう。



現に、ガールズバーなどで「カウンター越しなら大丈夫」という思い込みのもと、接待営業(社交飲食店)の許可を得ないで深夜酒類提供飲食店営業として営業していたケースがよくありましたが、現在では摘発の話が珍しくありません。多くの場合、深夜酒類提供飲食店で偽装するよりも、社交飲食店営業として許可を得て営業した方が総合的なリスク判断として適切であると私は思います。



「この際、問題企業を徹底的に叩いてもらった後で、厳格な運用基準なり、業法を作るなりしてもらって、風適法対象になる“日陰”扱いの商売をまっとうに扱ってもらいたい」との声もあるそうですが、こちらの発想の方が長期的には業界の発展につながると思います。一度逃げの手を使うと永遠に逃げるはめになりかねません。



キャバクラ営業に対する規制を接待ガールズバーに適用するのは無理筋ではないように、狭い個室を持つネットカフェ営業に同伴喫茶営業の規制を適用しても無理筋とは限りません。限りませんが、ここで一つ、法制度上のポイントとして、「もしネットカフェの個室が一人用限定であったらどうか。」と言う点をあげておきます。と言うのも、区画席飲食店の規制はやはり、同伴を対象としたものであったろうと思うからです。現行法令の条文にはそのような文言がないにしても・・・
posted by 風営法担当 at 09:44 | TrackBack(0) | その他
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