2008年09月12日

公共的施設における禁煙条例案 「例外一切無し」はありえない

神奈川県知事が発表した「公共的施設における禁煙条例」の素案について、いろいろな話がとびかっています。



以前は例外ナシの禁煙規制でしたが、今回のニュースによると<学校や病院、官公庁など「第1種施設」では禁煙が義務付けられ、レストランや居酒屋、ホテルといった「第2種施設」では禁煙か分煙を選択できる>

というところまで譲歩されていました。



いずれにしても、「公共的施設」の中に夜の飲食店やパチンコ店が含まれているところが気になるところです。



分煙の方法について、どの程度の選択肢があるのかわからないのですが、受動喫煙をほとんど100%防止するとなれば、かなりのコストがかかるのだろうと思います。



パチンコ店はともかく、夜の飲食店で禁煙をするわけにはゆかないでしょうから、当然に分煙の具体的方法が問題となります。



いくらの予算でどの程度の効果があるのかということがはっきりしないうちに一律規制をしてしまうのはいかがなものかと思います。

客席数や営業時間などで区分けするのが妥当なところだと思いますが、どうもそうではないようです。



風適法の実務の面から想像しますと、小さなスナックやクラブでこのような条例をまともにあてはめたら大変なことになると思います。



客室内に分煙装置を設置したり、煙が禁煙エリアに向かわないように壁やつい立を設けたり、場合によっては禁煙室を増設にするなどが考えられますが、これは風俗営業の構造設備基準と真っ向からぶつかります。



もし装置を設置する場合、100p以上の高さのものは「客室内の見通しを妨げる」こととなり設備基準違反となります。仕切りやつい立も同様です。



もし別室を作ってしまうと、洋室の場合は各室の床面積について、風俗営業2号の場合で16.5u以上、深夜酒類提供飲食店ならば9.5u以上の広さを確保しなければなりません。よほど大きな店でなければ不可能なのです。



つまり、ほとんどの店舗で風適法違反になってしまうおそれがあります。

もし完全合法化せよと言ってみても、現実には無理でしょう。

県の職員が夜中に飲食店を見回りして指導や処分を行えるでしょうか。

おそらく全ての店が「禁煙」の看板を貼り、灰皿風の小皿をテーブルに置いて、「客が勝手に喫煙してるんです」と言い訳をして、それでおしまいです。

役人が客の前で「たばこを吸わせるな」などと言ったら、酔った客達がだまっているかどうか。

県の職員は夜の街で身分を明かせなくなるかもしれません。



つまり、このような条例を作ったところで、どうせほとんどの店は守らないし、取り締りもされないし、マジメに設備を作った店だけがバカを見ることになります。

そして誰のためにもなっていないのですから、こんなバカげた法案も珍しいです。

国民が守れないようなムダな法令をつくることは、国民が遵法精神を失う要因となります。



そもそも風俗営業店の中は18歳未満立入り禁止の大人の世界です。

家族連れや子供が入れる空間ではないのですから、このような空間も「公共的施設」と一緒にして「例外なし」と考えてしまうのは常識に欠けると言わざるを得ません。



禁煙や分煙の規制を拡大することには賛成できますが、意味の無い部分に

まで規制を広げては困ります。

私はタバコが嫌いな人間ですから、レストランや駅、ホテルなどで禁煙や分煙をしていただくのは結構なことだと思っています。

この条例案が適正に手直しされて無事施行されてほしいと思います。



hino
posted by 風営法担当 at 13:57 | TrackBack(0) | 禁煙条例関係
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