2011年11月09日

なんでも警察に聞いてしまうのはなぜ

弊社では、ホール営業に携わるお客様へ、風営法の学習コンテンツを提供しています。
わかりやすく作ったつもりではありますが、やはり日々チェックしながら内容を改善してゆかなければなりません。
わかりにくい表現や、解説が不足しているところを発見したいので、今日は、たまたま手の空いた事務員さんに、内容のチェック作業をお願いしていました。

日頃、風営法の諸手続を担当している事務員さんでも、風営法を法的に理解することは簡単ではないようで、基本的な部分についていろいろ質問を受けました。

「どうして風俗営業は許可制なのに、フーゾクは届出だけすればよいのか?」
「そもそも許可と届出はどう違うのか?」

いつも自分が担当している手続のことでも、根本的なところに気がついていないことはよくあります。
しかし、こういった基本的なことを理解してもらうことは簡単ではありません。

「注解風営法」という、警察学校の偉い先生(現役警察官の)の書いた本があります。
上下2巻で1000ページをはるかに越える、ハードカバーの本です。
「裏付け調査の意味でコレを読んでみて」
と言って事務員さんに渡したのがこの本でしたが、
「意味のわからない言葉が多い」
ということで、かなり苦労している様子でした。

しかし、理解しにくい理由は言葉の問題だけではないようでした。
一つには憲法に対する理解があるかどうか。
「憲法なんて、現実社会では役に立たない存在だ。」と思われているフシがありますが、風営法を理解する際に、「憲法が保障する自由」からスタートしているかどうかということで、理解の仕方がかなり違っているように思います。

ホール業界の方々は、法令についてなにか判断に迷ったときに
「警察からOKをもらって安心したい」
と考える傾向がありますが、これが「何から何まで」という人もいます。
でも、風営法に関係しない部分について、行政としては「良い」とか「悪い」とか言えないのです。
法的に権限が無いことを行政が指導することはできないということです。

別の行政機関が摘発しようとしたときに、
「誰々がやっても良いと言ったからやりました。」
などと言い訳されたら、とんだ迷惑です。
誤解されたくはないので、とりあえず「ダメ」と言っておきたくなります。
それは「私にOKとは言えないのだからダメなのだ。」という意味であって、法理論としての「ダメ」とはちょと別の意味です。

「それを聞かれたら、とりあえずダメと言うしかないだろうなあ。そしたらあきらめるつもりなんだろうか・・・」

そう思うことがたまにあります。

「基本的に何をすることも自由なのだ」
という視点から発想がスタートする原理。
この「自由の原理」を持つ社会のことを、
「自由主義社会」と言います。
さて、日本国は自由主義社会なのでしたっけ。

原則と例外が逆転している光景を、風営法の分野ではよく見かけます。
風営法の常識は、他の法令の世界から見ると非常識なのかも知れません。

そういうことはどうでもよいと思われるかもしれないですけれど、それでもやはり、憲法の理解は重要だと思いますから、今後はそういった部分のコンテンツやセミナーも企画しようと思っています。

posted by 風営法担当 at 20:26 | 風営法一般
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