2011年11月16日

今年の4月から労働局に行動計画を届出なければならないと聞いたのですが?

こたえ(プレイグラフ2011年3月号「法務相談カルテ」にて)

 次世代育成支援対策推進法という法律が平成15年に制定されています。
 この法律では、従業員数が301人以上の企業に対し、「一般事業主行動計画」を策定して都道府県労働局へ届け出ること、その行動計画を公表すること、従業員へ周知すること等が義務付けられています。
 従業員数が300人以下の企業については、これらの届出、公表、周知等について努力義務が定められていますが、平成23年4月1日からは、従業員数が101人以上の企業についても「義務」の対象となります。

行動計画の届出・公表・従業員への周知の義務の拡大
平成23年3月31日まで 平成23年4月1日以降
301人以上の企業 義務 義務
101人以上300人以下の企業 努力義務
100人以下の企業 努力義務

 「一般事業主行動計画」とは、仕事と子育ての両立がしやすく、男女とも無理なく子育ての時間がとれる職場づくりのための計画です。
 企業がそれぞれの実情に合わせて柔軟な発想で計画するべきものですが、期間と具体的な目標を定め、定期的に見直しをすることが求められます。
 大切なことは、従業員の意見を聞くなどして現状を把握し、そのうえで現状から一歩でも二歩でも前に進むための工夫を考えることです。
 厚生労働省が定める行動計画策定指針では、行動計画を策定するにあたって基本となる以下の6つの視点をあげています。

(1) 労働者の仕事と子育ての両立の推進という視点
(2) 企業全体で取り組むという視点
(3) 企業の実情を踏まえた取組の推進という視点
(4) 取組の効果という視点
(5) 社会全体による支援の視点
(6) 地域における子育ての支援の視点

 計画期間が終了し一定の要件を満たした企業は「次世代育成支援対策に取り組んでいる企業」として厚生労働大臣の認定を受けることができ、認定企業は「くるみんマーク」を使用することが認められます。 
 次世代育成支援に取り組むことは企業のイメージアップにつながり、人材の流出防止や人材確保の優位性が高くなることがメリットであると言われています。
 近年では、こうした取り組みが市場での業績や企業の売上率の向上にも関係していることがわかってきましたが、その背景には仕事と家庭での生活が共に充実することによって、従業員一人ひとりのモチベーションが高まるところにあると考えられています。
 厚生労働省の資料によると平成22年6月の時点で、届出義務がある従業員数301人以上の企業13,780社のうち、届出済み企業は12,088社(87.7%)であったのに対して、努力義務に過ぎない従業員数300人以下の企業では、36,847社のうち3,358社(9.1%)が届出済みとなっています。
 努力義務であるにも関わらず従業員数300人以下の企業の約1割が届出を行っていたと言うことです。
 また、次世代法の認定企業数は920社で、前年に比べ203社増加しており、認定企業のうち130社が従業員300人以下の企業でした。
  次世代法の届出又は公表の義務に違反しても刑事罰の適用はありませんが、厚生労働大臣は違反した企業に対して、相当の期間を定めて届出又は公表をすべきことを勧告することができます。
 罰則が無いという理由で行動計画を策定しなかったり、形ばかりの対応で済ませてしまおうとする企業は少なくないかもしれませんが、これから取り組まれる企業にはぜひ前向きに意義のある行動計画に取り組んでいただきたいと思います。

posted by 風営法担当 at 00:00 | 法務相談カルテ