2011年12月01日

指示処分とは何ですか?

<行政処分等の無料相談(全国対応)>


こたえ (プレイグラフ2011年11月号「法務相談カルテ」より)

 警察が風俗営業者の法令違反を発見した場合の対応には、一般的に、口頭注意指示処分営業停止処分許可取消し刑事処分などがありえます。

 このうち指示処分とは、その名のとおり「指示をする処分」のことです。
 都道府県公安委員会(警察)は、風俗営業者が法令に違反した場合に、風俗環境や青少年の健全育成に有害な行為を防止するため、風俗営業者に対して必要な指示をすることができます(風営法第25条)。

 事業者にとって、ある行為が法律違反にあたるのかどうかということはわかりにくい場合もありますし、風営法には様々のルールが定められているので理解するのが大変だということもありますから、風俗営業者の法律違反を全て厳しく取り締まることには多少の無理があります。

 このような事情から、風営法では風俗営業者の自主的な努力を促して風俗営業を健全化へ導くことも目的の一つとしており、指示処分はそのための主要な手段として位置付けられています。

 風俗営業者が日常的な営業活動においてうっかり違反してしまったような場合には、原則として最初は行政指導や指示処分により対処することとし、行政指導や指示処分によっても自主的な健全化が期待できない場合や悪質な違反行為があった場合については、営業停止や許可取り消し、刑事罰など、より重い処分を課すこととなっています。

 指示処分は、違反状態の解消のための措置や違反防止のための措置等を具体的に示して行われます。


 例えば店内に、著しく射幸心をそそるおそれのある行為が行われていることを表す<のぼり>を立てていたという場合には「速やかに当該のぼりを撤去すること。」などの指示内容となりますし、客室内の見通しを妨げる設備を設置していた場合には「客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと、その他営業所の構造及び設備の技術上の基準を遵守すること。」のような指示内容が想定されますが、再度の違反を防止するための措置や、改善後の報告を求めるような内容になることもあるのです。

 指示処分を受けた後で速やかな改善が行われなかった場合には、指示処分違反として重い処分を受ける恐れがあります。
 たとえば広告宣伝規制に関する指示処分に違反した場合の営業停止処分は、40日以上6月以下、基準期間3月(量定B)の営業停止等命令が想定されますが、その指示のとおりに違反部分を改善していれば、それ以上の問題にはなりません。

 指示処分は比較的頻繁に行われる行政処分です。
 平成22年度における全国の風俗営業に対する行政処分件数は9145件でしたが、そのうちの8349件が指示処分でした。なお、そのうちもっとも多い違反事例は従業者名簿に関するもののようです。

 改善を指示されるだけの処分ではありますが、指示処分を受けた場合には次のようなデメリットがあります。
 まず、風俗営業者が指示処分を受けてから3年以内に同種の違反行為を行った場合には、営業停止処分の際に比較的重い処分を課せられる可能性がありますし、一度指示処分を受けた風俗営業者は、全店舗についてその後10年間にわたって特例風俗営業者の認定を受けられなくなってしまいます。

 すでに特例風俗営業者の認定を受けている場合には、指示処分を受けたことによってその認定を取り消されることになりますので、近く予定している店舗リニューアルを構造変更承認申請でなく変更届出で済まそうとしていた場合には、リニューアル計画に狂いが出るなどのダメージが想定されます。

 たかが指示されるだけの処分とは言え、処分を受けないよう注意するに越したことはありませんし、指示処分を飛び越して営業停止処分を受ける恐れがない訳ではありません。

風営法のひろば 〜 風営法に違反した場合の処罰
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posted by 風営法担当 at 00:00 | 法務相談カルテ