2012年01月11日

賞品と景品という言葉はどう違うのですか?

こたえ (プレイグラフ2011年12月号「法務相談カルテ」にて)

 お客様が獲得した玉やメダルと引き替えにパチンコ店が提供している物品のことを、多くのパチンコ店では「景品」と呼んでいると思います。
 「景品カウンター」「景品棚」「景品倉庫」「特殊景品」などの言葉が使われているように、景品はパチンコ店営業にとって、とても重要な存在です。
 ところが、肝心の風営法では「景品」という言葉は一つも出てきません。では風営法において、玉やメダルと交換されているあの物品はなんと呼ばれているかというと、「賞品」という言葉が使われています。
 パチンコ店で働いている皆さんは「ショウヒン」と聞いたら「商品」を思い浮かべる人が多いかも知れませんが、風営法では「賞品」の方が重要な言葉なのです。
 「賞品」の「賞」という字は、たとえば「一等賞」「ノーベル賞」などのように、技能や功績について評価する際に使われます。技能や功績が評価されたときに、賞としてお金が渡されれば「賞金」と言われ、物品が渡されれば「賞品」と言われます。
 一方で「景品」は、何かを購入した際に「おまけ」として付属していたり、抽選などで運良く当たりくじを引いた人に与えられたりしますが、技能や功績を評価した結果として提供されるものではありません。
 つまり、「賞品」は人の技能や功績に対して提供されるものですが、「景品」は技能や功績に関係なく提供されるものだと言えます。
 一生懸命努力した人に対して「がんばったから景品をあげよう。」と言ったら、「バカにしてるのか。」と思われるでしょう。がんばった人に渡す物品に対しては「賞品」と言うのが常識です。
 ではパチンコ遊技で獲得された玉やメダルと等価で提供される物品はどうなのかと言うと、パチンコという「遊技」で技能を競った結果に対して物品を提供することになるので、「景品」ではなく「賞品」でなければなりません。
 パチンコ営業を賭博からなるべく遠ざけるためにも、パチンコは「サイコロ」や「すごろく」のような「運」だけで結果を左右する「遊戯」ではあってはならず、「遊技」、つまり技能を競う遊びでなければならないのです。
 技を競っているのだから賭博とは違うのだ、という考え方を強く意識して風営法は作られているのです。ですので、パチンコは「遊技」であり、その結果に対応して提供される物品は「賞品」でなければ、パチンコ店営業の法律的な位置付けがおかしくなってしまいます。
 一方でパチンコ店は「景品」も提供することがあります。
 来店されたお客様全員にジュースを差し上げている場合、このジュースは景品にあたります。景品ですから、遊技結果との関連性があってはなりません。もし関連性があるとなると、等価交換違反と解釈されるなど、風営法上の問題が生じます。
 来店ポイントの蓄積に対応して景品を提供しているパチンコ店もあるようですが、景品を提供する際に、お客様が「賞品」と「景品」とを区別しにくい提供の仕方をした場合も、賞品に対して景品を上乗せしたという考え方が成り立つ可能性があるので、やはり等価交換違反となりえます。
 ですので、景品と賞品は完全に区別して提供する必要があります。
 景品については景品表示法という法律で、景品の提供方法を規制していますから、こういったことにも配慮して提供しなければなりませんし、業界独自のガイドラインも気にしなければなりません。
 以上の通り、法的には「賞品」と「景品」は言葉の意味として全く別のものであり、パチンコ店においては厳密に区別して取り扱われるべきです。
 「賞品カウンター」「賞品棚」「賞品倉庫」。最近はとくに、このような言葉の表現をきっちり使い分けるよう意識していただく必要性が高まっていると思うのです。


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posted by 風営法担当 at 00:00 | 法務相談カルテ