2011年12月21日

ソーシャルゲームを風営法で規制する話

なるほど、以前にソーシャルゲーム関係のニュース記事を見たときに、「風営法で規制する」うんぬんの表現があって少々気になっていたのですが、今頃になって意味がわかってきました。
要するに、ゲーム上でアイテムを入手する際に課金するシステムが盛り込まれていることが「射幸心」をそそる側面があり、これについて風営法による規制が必要ではないか、という話のようです。
なかなか鋭い指摘ですが、このブログは「風営法について思う」なので、ちょっと掘り下げて考えてみます。

射幸心の意味は、「偶然の結果によってトクしたいと期待する心理」であると私は考えています。
風営法が射幸心を気にかけているのは、射幸心をそそられた結果として財産的な損失を受ける可能性がある場合のことです。
つまり、風営法が規制する「射幸心」には「偶然性」という要素が必要です。

プレイヤーが自己の財産を投資して遊戯を行い、その結果として運が良ければ投資額よりも良いものがもらえる。運が悪ければ損をする。

風営法はそういう状況における射幸心のことを気にしていると思うので、仮に

 @ゲームをクリアするためにアイテムが必要だ。
          ↓
 Aアイテムを手に入れるためにはお金の支払いが必要だ。

というシステムの場合には、ユーザーにとって、投資した金額が運悪く無駄になってしまうという要素が無いと思えるので、風営法が規制しようとしている「射幸心」とは少し趣旨が違うと思います。この場合は、単なる「アイテムの売買」ということになります。
しかし、「せっかくお金を払っても運が悪ければアイテムが手に入らない。又は相場より価値の高いアイテムが手に入る。」ということであれば、多少は賭博的な要素が出てくるのかも知れません。
そもそも、ゲーム上で手に入れられるアイテムに財産的な価値があるのかどうかも疑問ですけれど。。。

念のために付け加えますと、風営法では「射幸心をそそる恐れのある」営業について規制していますが、これは店舗営業に限ったことであって、インターネット上の射幸性にまで及ぶものではありません。

よって、現行の風営法に抵触する恐れというものはないのだと思いますが、ソーシャルゲームの要素の中に、判断能力が不十分な年少者にお金を使い込ませる要素があるという話は、なるほど懸念されるのも当然だと思いますし、今後法的な規制がかけられることがあっても仕方がないことだと思います。
賭博的な要素があるのであれば、風営法で届出義務を定めることもアリかと思いますが、射幸性の規制はいろいろな意味で微妙な問題でもあるので、かなり難しいとは思います。

子どもがのめり込んでお小遣いを無駄(?)使いしてしまうだけのことなら、ゲームセンターや、漫画、ゲームソフトなどでも同列の議論が可能ではないかと思います。
ソーシャルゲームに何か特殊な作用を伴う仕組みが働いていて、ユーザーの正常な判断力を失わせるような要素があるのなら別の問題かも知れませんが、実態はどうなんでしょう。

もしかすると、ソーシャルゲームの中には、あらかじめ一定額を投資させておいて、遊戯結果によって損得が発生する、いわゆる賭博的なゲームもあるのかもしれませんし、今後そのような手法が出てくるのかも知れません。
こういったことは賭博罪の適用がまず考えられることであって、賭博罪にならないよう風営法が予め営業方法に一定の制限をかけているのがパチンコ営業や麻雀屋営業などの風俗営業ですが、現状ではインターネット上のサービスには及んでいないと言うことです。

ソーシャルゲームの実態を知らない私に、こんな文章を載せる資格は無いかも知れませんが、風営法と射幸心の関係を考える上で興味深いテーマです。
「パチンコ営業とは何か」「賭博とは何か」といったことは、ホール業界に関わっている人ならば、ある程度正確に理解しておいて欲しいと思います。
posted by 風営法担当 at 15:05 | 風営法一般