2013年02月14日

風俗営業としての営業所の範囲はどこまでですか?

こたえ (プレイグラフ2012年5月号「法務相談カルテ」にて)

A,これからパチンコ店を開業しようとするとき、営業所が保護対象施設から規程の距離内に存在している場合は風俗営業許可を受けられません。
 規程の距離は各都道府県条例で定められており、風俗営業の営業所が保護対象施設からの規程距離の範囲と少しでも重なってしまうと風俗営業が許可されないことになります。

 距離計算の結果、営業所の位置が規程距離のギリギリの位置に存在している場合には、どの地点をもって営業所であると解釈するべきなのかが重要な問題となります。警察庁解釈運用基準では次のような記載があります。

<営業所とは、客室のほか、もっぱら当該営業の用に供する調理室、クローク、廊下、洗面所、従業員の更衣室等を構成する建物その他の施設のことをいい、駐車場、庭等であっても、社会通念上当該建物と一体とみられ、もっぱら当該営業の用に供される施設であれば、「営業所」に含まれるものと解する。>

 パチンコ店を構成する廊下、洗面所、従業員更衣室、事務室、倉庫等が営業所に含まれるということは理解しやすいと思いますが、専用駐車場や、建物の外部にある植え込み、駐輪場等も、本体営業所の建物と社会通念上一体と見られる場合には営業所に含まれるものと解釈されます。
 
 一例として、駐車場がパチンコ店とは別営業の飲食店との共用である場合であっても、利用の実態としてもっぱら当該パチンコ店の用に供されているときは、当該駐車場はパチンコ店の「営業所」に含まれると解釈できますが、「もっぱら」の判別は難しく、実際のところ悩んでしまうケースがよくあります。

 なお、<営業所建物の床面積の算定の根拠となる部分>と<営業所の範囲>は別の概念ですが、よく混同されるので注意してください。つまり、許可申請時に公安委員会に提出した平面図を見ていただくと、「営業所床面積の算定根拠となる範囲」と床面積が記載されていると思いますが、そこに書かれている「範囲」が、保護対象施設などとの距離制限を判断する際に重要となる「営業所の範囲」と一致しない場合があります。

 公安委員会に提出している平面図上では、「建物の床面積」を表示しているのであって、建物の外にある駐車場、駐輪場、植え込み、屋外通路などは床面積の算定の基礎とされていないので、建物の外の敷地にまで営業所の範囲が及んでいる場合には、平面図上で示された営業所床面積と「営業所全体の範囲」は一致しないことになるのです。

 では、公安委員会で把握されている「営業所の範囲」はどのように確認すればよいかと言うと、許可申請時又は構造設備の変更承認申請の際に提出している略図を見ていただく必要があります。
 略図とは、営業所周辺の一定の範囲内を示す地図であり、営業所の範囲とともに付近の保護対象施設に関する情報が略記されているものです。

 この図面を見ていただければ営業所の範囲がどこまでであるかがわかりますが、中にはその点が不明瞭な略図も存在しています。
 保護対象施設との距離を考えるにあたっては、その営業所の範囲の一番外側で、それぞれの保護対象施設に最も近い部分を距離計算の基点にします。

 また保護対象施設についても、その施設の敷地や駐車場等を含めて考えます。
 学校の付属施設などで、本校舎から離れた飛び地などが保護対象になってしまう場合もありえます。これら以外にも注意すべきケースがたくさんありますので慎重に検討していただきたいです。

 営業所が複合施設の一部分として存在している場合には、その複合施設全体の敷地ではなく、当該営業所が所在する部分を水平面でとらえた位置を営業所の範囲として考えるのが原則です。
 「営業所の範囲」は賞品買取り問題とも関連しうる概念ですので、各店舗で常に把握しておいていただきたいです。

風営法担当
posted by 風営法担当 at 00:00 | 法務相談カルテ