2013年08月24日

著作権法が厳しくなると聞きましたがホール営業に影響がありますか?

こたえ (プレイグラフ2012年11月号「法務相談カルテ」掲載)

 本年6月20日、改正著作権法が成立しました。改正点はいくつかありますが、その中で厳格化にあたる改正点は「違法ダウンロードの刑罰化」の部分です。違法ダウンロードは誰でも簡単にできてしまう、とても身近で油断されやすい法律違反行為です。たとえば動画共有サービス(YOUTUBEなど)でAKB48の映像と楽曲が何者かによって違法にアップロードされていたとしましょう。

 その映像又は楽曲のデータが違法にアップロードされたものであることを知りながらパソコン端末へ故意に保存してしまうと、たとえ家庭内などでの個人的な目的の利用であったとしても著作権法違反となってしまいます。(動画共有サービスのシステム上で動画を閲覧等することは違法なダウンロードにはあたりません。)

 これまで違法ダウンロードは刑事罰の対象とはなっていませんでしたが、今回の著作権法改正によって、平成24年10月1日からは、このような違法ダウンロードについても10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(またはその両方)が科されることになりました。

 たとえ小学生であっても、ファンが趣味で行ったダウンロードであったとしても、「違法にアップロードされたものであること。」と「有償で提供されている映像又は音楽であること。」を知りながらダウンロードすれば、犯罪者として責任を追及されてしまうのです。

 但し、業務上の目的で著作物をパソコン端末に保存することは、もともと著作権法違反であり刑事罰の対象ですので、今回の著作権法改正はホール営業へ直接の影響はありません。パソコンにデータを保存するということは、パソコン上にデータをコピーしたということであり、著作権が存在する著作物をコピー(複製)する際には、事前に著作権者からコピーの許諾を得ておかなければ著作権侵害、つまり著作権法違反であって、刑事罰の対象となりえます。

 ホール従業員が業務上の目的で違法ダウンロードを行えば、その法的責任は雇用主である法人にも及ぶ可能性があります。
 ホール営業では、遊技機に関連するキャラクターやタレントの画像などを広告宣伝で様々に使用していますが、これらは全て著作権者や肖像権者等の権利を侵害しない範囲でのみ使用できるのであって、権利者が定めた使用条件を逸脱して使用する際には、全て権利者から事前の許諾が必要なはずです。ですので、キャラクターの種類ごとに使用条件をよく理解して使用しなければなりませんが、実際のところ、使用条件はきちんと守られているでしょうか。

 「遊技機を買ってやったんだから、キャラクターくらい広告で好きに使って当然だ。」という考え方は、著作権者や世間一般に受けいれられるものではありません。私が巷の店舗をざっと見たところでも、明らかに使用条件を無視していると思えるような使用方法が目に付きます。

 無関係のキャラクターと組み合わせたり、キャラクター本来のイメージを壊してしまうような悪質な改変もあります。店舗WEBサイト上の従業員募集コーナーで、その会社に無関係なはずのキャラクターに「大歓迎!」などと言わせてしまうのは企業として恥ずかしいことだと思わなければなりません。

 パチンコ業界でしか知られていないキャラクターならともかく、AKB48のような認知度のきわめて高いキャラクターの場合だと、パチンコ業界の広告宣伝方法は世間一般の注目を浴びやすくなります。
 広告宣伝の内容については、風営法違反も著作権法違反も全てホール企業が最終的な責任を負うのであって、広告代理店や印刷会社などに責任を押し付けて済む話ではありません。

 著作権や肖像権等の保護に対して、ホール企業としてきちんと対応できているのかどうか、常に念頭に置きながら慎重に対応していただきたいと思います。 
posted by 風営法担当 at 00:00 | 法務相談カルテ