2018年07月01日

最近のダンス規制の話題について思う

風営法に関連するトピックをネットで検索したり、風営法違反関連のニュースを見たりしておりますと、最近はダンス規制の在り方を問い直すテーマが多くなっています。

都内のクラブハウスが無許可営業として警察の取り締まりを受けたことなどがきっかけで、<ダンスが遊興として規制を受けるのはおかしい>という議論が再発しているかのようです。

この議論は風営法改正によって消えたと思っていました。改正してからずいぶん時間が経っていますけれどね。

特定遊興飲食店の許可を取って注意しながら営業するなら、夜中にお酒を出して客にダンスをさせ、騒がせてもいいですよ。

という法改正をしたのですが、許可を取れない店が摘発されて廃業するのは可哀そう、ということなのか。

じゃあ、改正後にまじめに許可を取った店や、すでにあきらめて廃業した店の立場はどうでしょう。

こういう議論はとっくに終わったと思っていましたが、たまたま自分の趣味や価値観を害しそうな話になると、過去の経緯を無視していろいろ言う人がいるものですけれど、今回もそういうことなのかどうか。

風営法は基本的に「夜中に騒ぐのはやめましょう」という風俗環境に対する常識が前提となっている制度です。

その例外として許可制になったのが特定遊興飲食店営業なのです。

無許可営業を探知したら法に従って摘発するのが警察の仕事。店舗の近隣住民から苦情があったならなおさらのことですから、摘発する警察に文句を言うのは筋違い。

文句を言うなら、「なぜああいう改正をして一時は喜んだのか?」が争点でしょう。喜んでましたよねえ。違いましたっけ。。。

音楽関係の方々の発言は社会的に影響力が大きいのか、風営法をもう一度議論しようとする雰囲気を醸し出していますが、ダンスが深夜でなければならず、しかもお酒付きでなければいけないという主張で、世論を説得できますでしょうか。

夜12時前であれば、又はお酒なしであれば、遊興(ダンスも)は許可なしにできるのです、すでに。

まあ、議論をすることは良いことです。風営法の分野にはいろいろな問題がありますもの。

私もこのブログでいろいろ述べてきました。

たとえば、風営業者に対する社会の偏見について、そろそろ気がついてほしいという世間様への訴えもあります。

「自分達の仕事が風俗営業と一緒にされるのはおかしい」とおっしゃる人がいます。

その言葉にどんな意味が含まれているのか、よーく考えておられるのかな?

それにしても、音楽の分野はP業界の雰囲気とはかなり違っていますね。そもそもP業界ではみずからの業界の法的位置づけを理解しようとする人が少ないです。

自分本位でもいいから、もう少し法制度について議論する雰囲気があってもいいのじゃないか。

なんとなくうらやましく思えてしまうのです。
posted by 風営法担当 at 14:13 | 風営法一般

2018年05月21日

合理的に行動できない人々

風営法関係の仕事にもいろいろありまして、営業上の相談や研修講師のほか、許可や承認を受けるための手続の手配もしております。

日ごろからお客さんや行政さんとのお付き合いをしていることが、研修や相談にとても役に立っています。
人あってのコンプライアンスですからね。感覚を研ぎ澄ますことがとても重要なのです。

風営法の世界の真実を知っている人と知らない人。
この違いが大きいという話は、このブログでもたびたび取り上げています。

「今まで大丈夫だったのに。」

「こないだはうまくいったのに今回はなぜ?」

「法律に違反しなければいいんだろう。」

「なんでもっと早くすすめられないんだ!?」

こういうセリフを毎日聞いているものですから、それに対する説明方法も身にしみついておりますけれど、ご理解いただくにはそれなりの手間と時間がかかります。

その説明をサービス化したのが当社の「法務コンシェルジュ」なんですけどね。

それでも、話に耳を傾けてくれる人はありがたいし、一回で理解してくださる方はなおありがたい。
まあ、そういう人は少数派ですけどね。

「何度説明してもわかってくれない」という人もおられまして、私の説明が悪いのか、相性が悪いのか、相手の心理的状況によるのか、いろいろありますけれど、基本的なリスクをご理解いただかないまま手続や研修を手配するのは、私にとってとても危険。

よって、文書やメールでもお伝えしますよ。
あとで「知らなかった」と言われても困るし。

しかし、「大丈夫」と信じ切っている人の気持ちを切り替えさせるのは容易ではありません。
聞く耳を持たない人なら「なおさら」です。

立場を変えれば自分も同じ「わからず屋」なんだろうなあ。と思います。
病院でお医者さんと話をしたときに、よく思います。自分は健康の大切さを甘く見ていると。

とは言っても、売り上げを上げたいとか、早く営業を開始したいとか、そういう欲求があるわけですよね。
そりゃそうだ。経営者だもの。

だったら、もっと早く相談してくれて、もっといろいろ工夫していれば、もうちょっとなんとかなったんですよ。なんでそういうことをしないで、今になって不満を持つのか。

そうか、自分も立場を変えると同じことになるんだな。。。

と思うことがあります。
でもですね、うまーく対処されているお客さんもいるんです。

私の話をヒントにして、適切に対応してくださる方が現におられます。
偉いなあ〜、とつくづく思います。

つまり、できる人はやる。できない人だからやれない。

たとえば、売り上げのために広告やイベントを打つのも結構ですが、人に相談するくらいなら、法的なリスクをちゃんと念頭において考えましょうよ。

つぶれるのは自分のお店ですよね。
たかが指示処分を受けるかどうか。そんなちっぽけなことで悩んでおきながら、風営法も通達も読んでいない。

じゃあ何を悩んでいるんだろう。
私もそうなんでしょうが、人間心理というものは合理的ではないことが多いのですよ。

言い換えれば、単純な計算通りに行動できる人はエライですよ。
私には難しいことですけれど。
posted by 風営法担当 at 14:52 | 風営法一般

2018年05月01日

廃止届出義務違反で罰金刑の逆転無罪 について思う

ススキノ「風営法違反」 高裁で逆転無罪判決
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/185011

こんな記事を発見しましたが、情報が少ないので詳細はよくわかりません。

まあ、「めずらしいなあ」と思ったわけです。

性風俗特殊営業の廃止届出義務違反について、簡裁で20万円の罰金刑となり、控訴して高裁で無罪判決となったそうです。

廃止届出義務違反は50万円以下の罰金。
しかし、廃止届出義務違反で刑事罰というのは、現実世界の感覚としては珍しい。

つまり、「よほどの事情」があるということです。
で、想像します。

そもそも、<すすきの>と言えど、ソープ、ヘルスなどの店舗型性風俗特殊営業は「既得権営業」となっています。

つまり、客室面積に関わる個室の増築を、もし「していた」とすると、風営法では既得権を喪失することになります。
もちろん、判決文が公開されていないので実情はわかりませんから、あくまで想像の話。

警察が立ち入りして、「あれ、客室変わってるじゃないか。既得権喪失だ。営業停止せよ。」

で。事業者さんが「わかりました。廃業します。」と素直に営業をやめたとしましょう。

しばらくして、警察としては「まだ廃止届出されていないぞ。どうなっているんだ?」

「いや、もうとっくに廃業しましたよ。」

「なに!?なんで廃止届出もってこないんだ。」

あくまで私の想像です。
いつのまにか廃業されていても、行政庁としてはその時期を明確には把握できない。

問題があるケースだから、行政部内で文書として決済しなければならない。
店舗型が一件消えるというのは、結構目立つ話ですもの。

<いつ廃止したのか>は事実情報として行政的には重要です。

しかし、いつの間にか廃止してました。廃止の時期もわからない。やめちゃった事業者さんと連絡も取れない。なんとなく落ち着かない。

まったくもって私の想像です。
そして、廃止届出義務違反として立件したれ。と。

地検が起訴するのもちょっと意外ですが、よほどの事情かな。
そして、簡裁は有罪にしました。

しかし、「たかが廃止届義務違反で罰金刑かい!」
うーん、その気持ちはじゅうぶんわかる(私の勝手な想像です)

そして高裁の判断が、

「警察の検査で営業をやめざるを得なくなった場合、警察はあえて店側に廃止届を提出させる必要はない」(北海道新聞より)

なるほど。。。

つまり、こういうことでしょうか。

営業を廃止するという意思を行政庁に通知する行為が「届出」。

行政の立ち入りで違法営業が発覚し、速やかに営業を廃止した事実を行政側が「もし」すでに知っているのなら、それでもあえて廃止の届出をさせる必要はない。

こんな趣旨でしょうかね。

廃止届にこだわる行政側の気持ちもよくわかります。
「廃止したなら届出してよ」
と思いますよ、普通は。

でも、罰金刑が妥当かどうか。
こういったところがレアケースとして面白いところです。

ともあれ、判決文を見ないと自信をもっては言えないので、あくまで私の想像です。
実情と異なっている可能性があるので、ここの内容はいずれ削除又は変更するやもしれません。

しかし、想像力は大事なのですよ。
なにしろ私の仕事は、断片情報から事実を想像しないと対応できないのです。

風営法のリスクをふまえたアドバイスをしているわけですからね。
posted by 風営法担当 at 11:06 | 風営法一般

2018年04月06日

風営法手続の手数料が一部改訂されました(平成30年4月1日から)

風営法関係手続のうち、下記の手続の手数料が、平成30年4月1日から減額されています。

・営業所の構造又は設備の変更承認申請 11,000 円 → 9,900 円

・特例風俗営業者の認定申請 15,000 円 → 13,000 円

・特例風俗営業者の認定申請(同時申請分) 11,700 円 → 10,000 円

・特例遊興飲食店営業の許可申請(同時申請分) 16,000 円 → 15,300 円

証紙を使用する地域では、間違って証紙を購入すると面倒ですし、行政窓口でうっかり間違った料金を支払ってしまうと、後の精算が面倒くさいことになります。

金額の不足なら追加で払えばいいだけですが、払い過ぎの場合は還付の手続が面倒なのです。

法令的には各都道府県が条例でさだめていますが、おそらく全国一律の改訂になっていると思います。

めったにやらない手続ではありますが、まったくやらないわけでもないので、一応ご注意いただきたいです。

弊社が研修の際に配布している「風営法関係法令資料集」末尾には手数料一覧が記載されていますが、この部分を改訂しなければなりません。

皆様にはよろしくご注意願います。

質屋営業、警備業、銃砲等刀剣類、探偵業、火薬類についても一部改訂されています。

posted by 風営法担当 at 14:03 | 風営法一般

2018年04月05日

憲法だけじゃなくスナックも護る・・・!? という記事について思う

憲法だけじゃなくスナックも護る党になる!?
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12180-664023/

こういうネットのニュース記事を拝見しまして、日々風営法を眺めている私として思うところを述べようかなと。

で、率直に申しますと、客観性にチト欠けるかなと。

「警察が接待の基準をどんどん厳しくして」とありますが、基準は変わっていなくて、無許可営業に対してこれまでより広範囲に取り締まっていると言うことでしょう。

そうでないと、許可を取っている事業者はどう納得すればよいのか。

警察がスナックを取り締まることについて、
「スナックは街のオアシスで、おしぼりを手渡しただけで風営法違反で逮捕といった警察の権益のための検挙は、言ってみれば庶民イジメ。私個人の問題意識として取り組んでいました。こうしたスナック摘発は憲法違反だと、訴え続けていきたいと思っています」
という議員さんのお話がそのとおりだとすると。

おしぼりを渡しただけで逮捕になるケースは聞いたことが無いので、仮にそういう事例があったとしてもきわめて異例だと思いますし、そういう場合は不起訴でしょうね。

例外的事例をあげて「庶民イジメ」の論拠にするのはいかがなものかと。

私は許可を取る手続の代理も仕事で受けておりますが、手間暇をかけて許可を取り、管理者講習や面倒な管理者業務をやっているたくさんの事業者さんがいるなかで、深夜に接待をしながら無許可営業しているスナックの摘発がおかしいと言われても、「そうかあ?」と思います。

風営法の制度の問題点とか、許可を取るのに手間がかかりすぎるとか、そういった論点ならばまだしもですが。

最近はスナックとガールズバーの線引きも難しいし、駅前はダメだけど郊外ならOKみたいな不公平も問題ありだし、法を運用する警察としては、小さなスナックだから黙認する、というわけにもゆかないでしょう。

むしろ、風営法をないがしろにしている事業者をまんべんなく摘発しないといけないと思います。

例えば、風俗営業者でありながら、店舗型性風俗の実態を持つ店がたくさんありますけれど、店舗型業者にとっては我慢ならない話でしょう。

風営法の制度上の秩序を崩壊させてしまうことは、行政としてはなんとしても避けるべきだと思いますから。

確かに、無防備なスナックばかりを、「やりやすいから」という理由で点数稼ぎで摘発するのはいかがなものかと思います。

たちの悪い店が長々と営業しているケースがいくらでもあるでしょ。と思います。

そういったご指摘ならば、私もうなづけるんですけどね。。。
posted by 風営法担当 at 11:32 | 風営法一般