2009年02月09日

新宿ホストクラブの立ち入り拒否摘発

 昨年11月、新宿署が歌舞伎町のホストクラブに立入りを実施した際に、従業員が入口に立ちはだかり、他の従業員に玄関ドアの鍵を閉めさせ、「何もないから帰ってください」と言って、当署員の立ち入りを拒否したとして、風俗適正化法違反の現行犯で逮捕したとのことです。



 よく勘違いしている人がいるのですが、風俗営業許可を取っていなくても、風俗営業をしていいれば、それは立派な風俗営業となります。



 たとえば、従業員が客に接待する飲食店営業は「風俗営業」です。

 たとえ風俗営業許可をとっていなくても「風俗営業」です。

 許可なしに風俗営業を行うと無許可営業になり、許可があれば合法営業だということです。

 風俗営業者にはいろいろな義務や規制がかけられていますが、風俗営業許可をまだ取得していないからといって風俗営業者としての義務や規制から免れるわけではありません。

 ですので、無許可営業のホストクラブが警察官の立ち入りを拒否すると100万円以下の罰金刑に処される可能性があります。



 いまさらですが、ホストクラブは風俗営業です。

 客に接待する飲食店であれば2号(社交飲食店)にあたります。

 たとえ従業員が男性であっても同じことです。

 ホストクラブは深夜に営業していることが多く、法律の営業許容時間を越えてしまう店がおおいことから、風俗営業許可を取得しても意味がないと考えてしまう経営者が多いようです。

 

 しかし、仮に時間外営業になってしまったとしても、無許可営業で摘発されてしまっては割りにあいません。

 ホストクラブは風俗営業であって、許可の有無に関係なく風俗営業者としての義務を負っているのだと考えておきましょう。

 

 hino
posted by 風営法担当 at 15:13 | TrackBack(0) | 飲食店業界

2008年11月12日

カラオケ店の客引き行為で処罰という話

風適法は一般の飲食店にも規制をかけている部分があります。

でもほとんど知られていません。

昨年の暮れだったと思いますが、都内で客引きをしていたカラオケ店員が風適法違反で処罰された事例がありました。



「フーゾク営業」ではないし、「風俗営業」でもないないのに、どうして処罰されるのか?と思われるかもしれませんが、深夜営業の飲食店について、「客引きしてはならない」という規制が実際にあります。



夜12時を過ぎて営業している飲食店は「客引き」をしてはならないのです。

カラオケ店と言えど、深夜に営業している飲食店ですから、客引きすれば違反行為として処罰されるのですが、実際に罰金刑になった事例があります。



居酒屋も同様です。そして客引きに対する取り締りは近年とても厳しくなっています。

青少年の保護にかかわる場合や、一般市民の迷惑になるような場合は、警察は厳しい対応を取る傾向があります。

客引きは通行人にとっては迷惑だから当然と言えば当然です。



カラオケ店だから大丈夫ということではありません。

客引き以外にも、



・従業者名簿の備え付け

・午後10時以降、18歳未満の者に接客業務をさせることの禁止

・午後10時以降に18歳未満の者を営業所に客として立ち入らせることの禁止

・営業所で未成年者に酒類又はたばこを提供することの禁止



といった規制がありますが、これらを知っている店は少ないのではないでしょうか?

今まで大丈夫だったから大丈夫、はいつか通用しなくなるかもしれません。

年末は取締りが厳しくなる時期ですから、ご注意いただきたいです。





hino









禁止行為)

法第二十二条  風俗営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。

一  当該営業に関し客引きをすること。

二  当該営業に関し客引きをするため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。

以下省略



法第三十二条  深夜において飲食店営業を営む者は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

一  営業所の構造及び設備を、国家公安委員会規則で定める技術上の基準に適合するように維持すること。

二  深夜において客に遊興をさせないこと。

2  第十四条及び第十五条の規定は、深夜において飲食店営業を営む者について準用する。この場合において、これらの規定中「その営業」とあるのは、「その深夜における営業」と読み替えるものとする。

3  第二十二条(第三号を除く。)の規定は、飲食店営業を営む者について準用する。この場合において、同条第一号及び第二号中「当該営業」とあるのは「当該営業(深夜における営業に限る。)」と、同条第四号中「業務」とあるのは「業務(少年の健全な育成に及ぼす影響が少ないものとして国家公安委員会規則で定める営業に係るものを除く。)」と、同条第五号中「十八歳未満」とあるのは「午後十時から翌日の日出時までの時間において十八歳未満」と、「を営業所」とあるのは「を営業所(少年の健全な育成に及ぼす影響が少ないものとして国家公安委員会規則で定める営業に係るものを除く。)」と、「第二条第一項第八号の営業に係る営業所にあつては、午後十時(同号の営業に係る営業所に関し、都道府県の条例で、十八歳以下の条例で定める年齢に満たない者につき、午後十時前の時を定めたときは、その者についてはその時)から翌日の日出時までの時間において客として立ち入らせること」とあるのは「保護者が同伴する十八歳未満の者を客として立ち入らせる場合を除く」と読み替えるものとする。
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2008年10月28日

ガールズバーで摘発のニュース

<行政処分等の無料相談(全国対応)>



新宿歌舞伎町のガールズバーが摘発されたというニュースを見ました。

いずれこういうニュースが流れるだろうと思ってました。

<ガールズバーは女性がバーテンダーの店。都市部で流行しているが、無許可接待容疑による摘発は異例という。>

と記事にありました。

ちなみに、この件での容疑は<無許可で風俗営業を行った>という罪です。

風適法では一番重い200万円の罰金の可能性があります。

ひとつ不思議に思うのは、どうして許可を取っていなかったのかという点です。

当事務所では一応風適法は専門分野ですので、クラブや遊技場の依頼はそれなりに受けてきましたが、ガールズバーという業態での許可手続はほとんど依頼がないのです。

しかし、許可を取っていれば少なくとも<無許可営業>では立件されなかったのです。



試しに「Wikipedia」で「ガールズバー」を眺めてみましたが、ひとつ気になったのは、ガールズバーが流行する背景に深夜営業の取締り強化があったという部分です。



たしかにここ2,3年の間、警察の取り締りは格段に厳しくなりました。

そしてもともと、風俗営業は原則として深夜0時までしかできないことになっていますから、それを受けて「深夜酒類提供飲食店営業」の開始届出をして、堂々と深夜営業をするというパターンになってきたという流れが考えられます。



しかし、深夜営業を堂々とする代わりに、接待営業をコソコソとやる結果になりました。その「こそこそ」部分がガールズバーならではの営業方法だったのだと思います。



ところで一般の方がよく誤解するのは、法律違反はみな同じ、だと考えていることです。

無許可営業も無届営業も、時間外営業も、みな同じ法律違反だから、それなら深夜営業の届出をして堂々と深夜営業をして、そして見つからないようにコソコソと接待営業をすればよい、という発想です。



ところが、無許可営業は200万円の罰金がありうるのですが、風俗営業許可を持っている店における時間外営業には刑事罰がありません。営業停止処分はありうるけれど、いきなり罰金というふうにはならないのです。(ただし、指示処分等の違反は別ですけれど)



風俗営業で商売すると確かに深夜営業はできません。

しかし無許可で接待営業するリスクに比べれば、風俗営業許可を持って時間外営業した方がはるかに低リスクだと思うのですがいかがでしょう。

もちろんいずれも違法は違法で悪いことです。

でもモラルの点をまずさしおいて、無許可のガールズバーというのは割りに合わないのではないかと思います。



以上



hino








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2008年09月25日

近隣商業地域で風俗営業1号の許可をとれるのか 料理店と飲食店の違いとは

しばしば悩む問題なのですが、風俗営業の営業所の用途地域が近隣商業地域であった場合に風俗営業1号(社交飲食店)の許可が出るのでしょうか?

答えは「許可がでます」

風営法の許可基準では住居系の用途地域(たとえば住居地域など)でなければOKで、さらに学校・病院など保護対象施設が規定距離内に存在しなければよいということになっています。

なってはいますが・・・・。



建築基準法の用途制限を見ると、近隣商業地域で制限された用途の中に「キャバレー、料理店、ナイトクラブ、ダンスホール等」が含まれています。

キャバレー、ナイトクラブ、ダンスホール、いずれも風俗営業1号,2号、3号の種別にあたる風俗営業なのでわかりやすいですが、「料理店」だけはひっかかります。

料理店と言ったら一般的に何を思い浮かべるでしょうか?

料理を出す店のことだから、レストラン、寿司屋さん、そしてファーストフードも料理店?

と考えてしまっても非常識ではないでしょう。

しかし建築基準法が想定している「料理店」の範囲は全くの別の意味のようです。



昭和26年当時と思われる行政の見解によると、<カフェーは料理店に含まれるが、レストランは飲食店として取り扱う。「飲食店」と「料理店」の区分については、風俗営業取締法に基く名称は、各都道府県により区々であり全国的に名称を統一できないから、名称が和洋の如何に関わらず、飲食が主か遊興が主かによって区分すること。従って通常「かっぽう料理店」「レストラン」は飲食店に含まれるが、遊興を主用途としたカフェーは料理店に含まれる。>という考え方だったそうです。



つまり最初から風営法を意識した規制になっています。

確かに風営法の2号営業の定義として「待合、料理店、カフェーその他設備を設けて客に遊興又は飲食をさせる営業」(2条1項2号)とあります。

現在では「社交飲食店」という言葉が使われていますが、元々2号営業は「待合」「料理店」「カフェー」と呼ばれていたのですね。

では料理店と飲食店とはとこが違うのかと言うと、女中さんや女将さんがいて店で接待などの遊興をする店は料理店で、単純な飲食のみを提供する店が飲食店だという意味のようです。あくまでも当時の建築行政の考え方です。



女中さんという言葉は一昔前はホステスさんのことを意味していたのですね。

ちなみに「カフェー」も2号営業にあたるようですが、「カフェー」と「カフェ」では違う意味として扱われています。

つまりカフェーはホステスさんが接待する店のことで、民法の勉強の際によく出てくる「カフェー丸玉女給事件」というのも、喫茶店ではなくて、今で言うところのキャバクラのような店での出来事だったのですね。



というわけで、建築基準法用途制限の「料理店」は今で言う2号営業社交飲食店を意味するので、建築基準法としては近隣商業地域での2号営業は違法営業だということになります。

ところが冒頭述べたとおり、警察が風俗営業許可申請を手続として取り扱うのは都道府県公安委員会の委任事務、つまり行政手続として取り扱っていますから、犯罪捜査としてどうこう言うのではなく、あくまで風営法関係法令に従って処理します。よって行政としては建築基準法違反でも許可してしまうということになってしまいます。

奈良市のラブパチ条例で話題になったホールも、条例違反の不起訴決定に先駆けて風俗営業許可を取得していたと思います。



そうなると、近隣商業地域で1号営業をするのかどうか悩むところです。

もちろんこれから営業所を新設するのであれば、やめてください、という結論になりましょうが、長い間無許可でやってきた店が警察の立ち入りを受けて許可を申請しようとするケースもよくあります。こういった場合に廃業するわけにもいかず、かといって許可申請をして大丈夫だろうかということが気になります。

というのも、一部の警察署で建築基準法違反を理由に許可取下げを求めたり、申請を受理しないといった話をまれに聞くからです。

警察は手続を取り扱っている場合は行政としての顔を持っていますが、犯罪捜査の場合は司法としての顔を持ちます。

つまり風俗営業許可を出しておきながら、営業開始と同時に建築基準法違反で立件することも可能なわけで、これをどのように考えるかが難しいところです。

ここ数年は警察が建築指導課や消防と共同で実査にのぞむ場合も現にありますから、許可さえ取れるならそれでよい、と割り切るには勇気が要ります。

非常に悩むところです。


posted by 風営法担当 at 11:09 | TrackBack(0) | 飲食店業界

2008年08月06日

自民党で無許可ネットカフェ規制検討の議員連盟発足

 7月23日、自民党有志議員は無許可のインターネットカフェが青少年犯罪の温床になっているとして対策を検討する議員連盟を立ち上げ、設置基準の明確化など規制法案の提出方針を確認した。というニュースがあります。



 この議連の会長は平沢勝栄議員ですから、警察庁の思惑が絡んでいるのかなあと思ったりします。

 最近よく問題にされる<掲示板での犯罪予告>は今後深刻な社会問題に発展しそうですから、早いうちに対策を講じたいというところが本音ではないでしょうか。かといって情報統制のイメージを持たれると騒ぎになる恐れがあるので、青少年の非行防止というキーワードも必要になるでしょう。

 

 もちろん、ネットカフェが青少年の非行の温床になりやすいということも事実ですし、もともと一般的なネットカフェはなんらかの部分で風適法などの法令違反になりやすい営業です。

 よく摘発の理由となるのが「区画席飲食店の無許可営業」です。

 せまい客席を持つ飲食店を営業するには風俗営業許可が必要なのです。



 ならば許可をとればよいじゃないか、とはゆきません。

 風俗営業は原則として夜12時を過ぎての営業ができませんので、深夜営業が避けられないネットカフェは許可をとったからといって合法営業になるわけではありませんし、18歳未満の客の立入が制限されますから、通常のネットカフェは到底無理ですね。

 仕方がないので区画を撤去しなければならないのですが、それではお客さんが来なくなってしまいます。



 というわけで、ネットカフェ営業を認めつつ適度な規制を加えるとなると、法改正がどうしても必要となります。

 深夜での区画席飲食店営業を認める代わりに、厳しい構造設備基準と身分確認義務等を設定するというのが私の想定ですが、そうなるとちょっとした法改正ではすまなくなりそうです。

 今後に注目です。
posted by 風営法担当 at 20:38 | TrackBack(0) | 飲食店業界