2017年04月18日

新社会人に伝えておきたいコンプライアンスの話

この春から社会人になる方々のために、コンプライアンスの観点から伝えたいことは何だろうかと。

新人さんは入社と同時にたくさんのことを覚えなければならないので、法律やルールを教えても、意味がよくわからないでしょうし、すぐに忘れてしまいます。

もちろん、社内のルールを見せておくことは重要ですから、就業規則などもひととおり説明しておくべきですが、そちらは会社の方にお任せしましょう。

私が気にしているのは、新社会人の皆さんのコンプライアンス感覚のこと。

企業不祥事の事例を見せた後で私から質問するのです。

「不祥事はなぜ起きたのでしょう?ルールを守らなかったからだと思いますか?」

ほとんどの人が「そのとおり。ルールを守らないから不祥事が起きた。」と答えます。

言い換えると、「ルールさえ守っていればトラブルは起きない。」という感覚です。

さて、皆さんはどう思われますか。

私が新社会人向け研修でテーマにすることは、「リスクの優先順位」です。

あなたにとって一番大切なものは何ですか? → 「それは命です。」

そうですね。多くの人にとって命と健康は大事なものです。

ならば、命とルール。どちらを優先しますか?

そう。命の方が優先ですね。

たとえば、会社に遅刻しそうなとき。遅刻はルール違反ですね。違反したくないから、どうするか。

信号を無視したり、周りをよく見ないで走ったり。クルマやバイクや自転車で通勤するなら、とても危険ですね。

上司から怒鳴られてもいいから、10000分の1の確率で起こる事故を避けてください。命がかかっているんですよ。

と、こういう話をします。

もし事故が起きたらどうなるか。民事と刑事の責任の実情も説明します。

損害賠償額の考え方。刑事責任の考え方。

これは社会経験を積んだ人でも、イマイチわかっておられない場合があります。

たとえばこんな実例もあります。

あるカラオケ店で、てんぷら油から出火しました。

人手が少ない店舗だったので、調理の担当者が配膳までやっていた。

ほんの一瞬のすきに、油の温度が上がりすぎて出火し、死傷者がでてしまった。

責任を取るのはだれですか?

調理の担当をしていたアルバイトさんでした。

巨額の賠償と刑事責任を負うのです。悲惨な話です。

死傷者が出るから大変なことになるのです。

ルールを守ることより、死傷者を出さないこと。これが重要なことなのです。

皆さんの会社でも、このことを徹底していただきたい。

若い皆さんは、どんなことが命や健康に関わることなのか、よくわかっていない人がいるかもしれません。

私はルール違反をやたらと恐れさせてはいけないと思います。そこは冷静に判断していただかないといけません。

ルールより大事なことをちゃんと意識させてこそ、意味のあるコンプライアンスなのだと思います。




posted by 風営担当 at 11:22 | コンプライアンス総合

2017年01月22日

法律依存症について思う

童謡「森のくまさん」の替え歌をネタにしていた新人芸人さんが、著作権法の関係でトラブルになっていましたね。

外国の童謡の原作については著作権フリーだとしても、翻訳された歌詞について著作者が存在する。

著作者には著作者人格権の一種である同一性保持権がある。

翻訳された歌詞を改変した替え歌は、同一性保持権を侵害している!?

<どうしたらいいですか?侵害ですか?どっちが正しいのですか?>

と、なりますね。ですが、風営法のごとく、著作権の世界もあいまいなことばかり。

専門家が白黒はっきりつけるだけで済む。ということにならないことが多いのです。

理論的な答えがたくさんありうるなかから、その事案に何をどう合わせるかは最終的に裁判で決めること。

でも、判決の確定まで争うことなんて、ほとんとありません。

多くは、当事者の話し合いで決まること。なんらかの「納得」が生じれば、それで終わりです。

「納得」は、「正義」かもしれないし、「理屈」かもしれないし、「金銭」や、「記憶の喪失」や、「見栄」や「あきらめ」かもしれないし、いろいろありえます。

「森のくまさん」は<法律違反だから>問題が生じたのでしょうか。

似たようなことは、ほかでも結構たくさん起きていたのじゃないでしょうか?

だったらなぜ?

結局、法律なんて、その程度のものだし、現実の問題を解決する決定打になることは、めったにありませんし、「法律どおり」なんて、「現実には無理」という風景がそこかしこに存在します。

でも、法律どおりにやっていれば問題は起きない、と思っている人。

そういう人は法律依存症の傾向があるかもしれません。むしろ、それが「普通」なのでしょう。

風営法も同様で、そもそも、今ホールで当たり前のごとく行われている手続が、「実は違法だった」なんてことが、ないとも限りません。。。 というか、実は「あります。」

それでも、それに疑問をさしはさむ人が少なければ、そのまま動いてゆくし、疑問に思う人がいれば、そこではじめて「問題」になる。

そういう生々しい話を前提におかないと、風営法の本当の理解にはならないし、使えないのですよ。

風営法は重要。でも、ルールを覚えるだけではどうにもなりません。

ですので、私が研修を行う際には、「そういった話」を、私にしてみれば「法律依存症体質を和らげる柔軟体操」みたいな研修を、行わせていただいているのです。

法律を解説すること=かたい話=姿勢を正しくして聞きましょう=面白くない=眠い

こういう研修に価値があるんでしょうか???????????

とかく誤解を受けやすい私たちの活動ですが、時間をかけて説明できれば、おおむねご理解いただけるのだと思います。



posted by 風営担当 at 14:01 | コンプライアンス総合

2016年11月01日

介護職で在留資格がとれることに

介護の仕事を目的とした外国人の在留を認める法改正案が可決されそうです。
高齢化社会に対応し、介護分野でのサービスの向上と人手不足解消を目指したものです。

法案はこちら(法務省)
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri05_00011.html

弊社では企業の在留法務の包括支援も行っているため、外国人雇用についてはホール業界周辺の方々からもよく問い合わせを受けております。

ホールでの外国人材の活用は今のところ定住者に限られており、今後もこの状況は基本的に変わらないでしょうが、介護分野の開放を皮切りとして変化が見込めるのかどうか。ホール営業はかなり難しいとは思いますが、全般的に、徐々に、外国人の活用が増えてゆくとは思います。

介護職での在留には介護福祉士の資格が必要なので、介護職を目指す留学生が増加していました。
介護職を目的とする技能実習制度も拡充され、外国人技能実習機構とかいう機関が設立されます。

法案はこちら(厚労省)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/189.html

外国人技能実習機構は技能実習生を受け入れる企業を監理する機関。
「監理」は「管理」よりも厳格にチェックすることを意味します。

介護職の外国人を受け入れる企業の在留管理は簡単なことではありません。
いろいろな問題が発生することでしょうが、こちらも総合的に支援してゆくつもりです。

のぞみ合同事務所
外国人の雇用・在留手続・国籍帰化
http://thefirm.jp/visa.html


posted by 風営担当 at 10:48 | コンプライアンス総合

2016年10月25日

違反処分の噂について思う(後半)

警察庁の方からメッセージ(H28.10.12)として語られた内容が伝えられてきています。

気になる部分のみ抜粋します。

「これから述べる内容は本年6月の行政講話でお伝えしたことですが、極めて重要なことである・・・」

「・・・一部の営業者が入替に躊躇している状況があることも把握しています・・・」

「警察としては、現在、業界をあげた撤去の進捗状況等を注視しているところであり、その状況等に応じて必要があれば所要の措置を講じることとなります。・・・」

抜粋おわり


第一次と第二次でさえ、「ほぼ撤去」の状態です。
本番である第三次の撤去が「ほぼ」となることを避けられない以上、「所要の措置」が講じられます。

それが「撤去済みホールだけの問題」だとは思わない方がよいです。
立ち入る以上は総合的にチェックされます。それは「過去」にも関係するかもしれません。

兆しはすでに表れています。
ですので、「いま噂になっている違反事例」だけに注目しても、あまり意味がありません。

弱点は各店舗によって異なるのに、遠くの見たこともない店舗で起きた事例(しかも噂)だけを教訓になさいますか。

今重要なことは、遊技機の性能変更であり、賞品規制問題であり、それらを背景とした広告宣伝等であって、変更届出義務違反などはオマケ程度の問題です。

そのオマケの背景に別の何かが潜んでいたらエライことになります。
これについては、ここではこれ以上説明しにくいです。

とりあえず、本震が徐々に近づいていると感じます。



posted by 風営担当 at 11:46 | コンプライアンス総合

違反処分の噂について思う(前半)

最近、立ち入りが増えているからでしょうが、「違反処分を受けたホールがいるからウチも危ないのでないか」という話が多数舞い込んでおります。

ハンドル固定、構造設備の変更、その他の変更の無届け、等がキーワードですが、広告規制違反以外での違反事例には、新鮮さが感じられるためか、注目されやすいようです。

でもですね、それらの噂が「法的にありえないストーリー」になっていることが多いです。
皆さん、風営法はわかっているおつもりでしょうが、ありえないストーリーを信じて右往左往するのは、やはり<問題あり>だと思います。

「三つのギョウ」は重要です。

つまり、法令を使う人たちの立場や状況をふまえて、その人たちの心情を想像して対応することが、特に現場の責任者にとっては重要なのですが、

「たしかにこう言われた」

というだけで、それのみを信じて、疑いを持たないで、情報を次々に伝達してゆくから、ときに奇妙な物語へと変換されてゆきます。

その伝達に関わった人たちは、いちいち法令を確認していないし、その噂の背景を想像できるところまでには理解が至っていないということでしょうが、確かに難しい課題ではあります。

私がセミナーでチョコっと話したことが、巡り巡って正反対の解釈になって私の耳に戻ってきたことはよくあります。つまり、私のセミナーも1回や2回聞いてもらったくらいでは、私の意図は伝わらないし、誤解もされるということです。

風営法だけでなく、行政側の状況や世論などもふまえた総合的な理解が必要ですが、それは容易なことではありません。

まさか、「3時間程度の風営法研修で大丈夫だ。」なんて思ってはいませんよね。




posted by 風営担当 at 11:17 | コンプライアンス総合