2013年02月04日

ニューハーフヘルスと風営法〜また新業態が追加されるのかな

無法地帯「ニューハーフヘルス」 取り締まれない風営法の“無力”
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130203/dms1302030800007-n1.htm

久しぶりに性風俗系の話に興味を持ちました。
最近は「ニューハーフヘルス」とかいう業態があって、実質的には性風俗店と思える業態だったりするそうです。

性風俗店ならば風営法の中の「店舗型性風俗特殊営業」に該当し、営業開始にあたって公安委員会へ開業の届出を行う必要がありそうです。
しかし、店舗型性風俗特殊営業は禁止地域などの制限が厳しいので、新規出店が困難です。

さて、店舗型性風俗特殊営業のうち関係しそうなタイプは、

◎1号タイプ
浴場業(公衆浴場法第一条第一項 に規定する公衆浴場を業として経営することをいう。)の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務を提供する営業

◎2号タイプ
個室を設け、当該個室において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業

◎4号タイプ
専ら異性を同伴する客の宿泊(休憩を含む。以下この条において同じ。)の用に供する政令で定める施設(政令で定める構造又は設備を有する個室を設けるものに限る。)を設け、当該施設を当該宿泊に利用させる営業

(風営法2条6項)
と思われます。

3号と5号以外のタイプでは「異性」という部分が重要でして、「男性から男性へ」のサービス提供は「異性」へのサービス提供にあたらないと考えるのが自然です。
と言うことは、ニューハーフヘルスと言われる業態は店舗型性風俗特殊営業のいずれにも当たらず、届け出する義務がないということです。

というわけで、このタイプの(男性同士の)業態は実質的に性風俗店に近いとしても、風営法としては店舗型性風俗関連営業に該当しないということになりそうです。

規制の抜け穴と言えないこともないですが、いずれこのタイプの業態が問題視されるようになれば、政令改正によって規制対象に盛り込まれる可能性があります。
現に、出会い系喫茶は2011年から風営法施行令第5条によって店舗性風俗特殊営業(風営法2条6項6号の)として規制を受けることになりました。
政令の改正なので、国会審議を経なくとも閣議決定で改正できるわけです。

なお、ニューハーフヘルスというものが仮に店舗型性風俗特殊営業に該当しないとしても、客に対して飲食を伴う接待をしていれば風俗営業2号(社交飲食店)などに該当することがありえます。
その場合は営業許可を取得すれば営業できるのですが、営業場所を賃貸している場合は「風俗営業をできる」という使用権限を疎明する必要があります。

風営法ではいろいろな業態が業態ごとに異なる規制を受けています。
一般の方にとっては(実は私にとっても)非常にわかりにくいと思います。

社会の変化に応じて風営法はどんどん複雑になってゆきます。
風俗営業取締法として昭和23年に制定された当時は、わずか8条まで。
法令集の1ページ分に過ぎません。
それが、こんなに複雑怪奇な法制度に成長するとは。。。


posted by 風営担当 at 10:51 | 2号社交飲食店の法令遵守のポイント

2010年07月29日

従業員の年齢確認

言うまでも無いことですが、接待営業の許可を受けている営業所では、18歳未満の者に接待をさせてはならないことになっています。

そして、従業者を雇う際には必ず生年月日等を確認して、18歳未満の者を雇うことが無いよう注意しなければなりません。

その際には、住所、氏名、本籍、国籍、生年月日等を証明する公的証明書を提示させて確認し、その証明書のコピーを従業者名簿とともに保存する義務があります。

これらの証明書類を保存することには、年齢確認について過失があったかどうかを判定する意味があります。



たとえば17歳の少女が姉の運転免許証を提示しつつ自分が18歳であると主張していた場合に、それを知らない営業者がだまされて17歳の少女を雇用してしまったとしても、その運転免許証のコピーが保存されていて、その営業者が確かにだまされていたのであろうと想定されるのであれば、17歳の少女に接待させてしまったことについて「過失がなかった」と考えることができます。



言い換えれば、「私はだまされたんです」と主張してみても、それを裏付ける証拠が無い限りは「少なくとも過失があった」ということになり、風適法違反の罪に問われることになります。



一般的に犯罪が成立するためには実行者の「故意」が立証される必要があります。

ところが風適法では、18歳未満の者に接待させてしまった場合には、その従業者の年齢を知らなかったという言い訳はできないことになっていて、例外的に、その営業者に過失が無いことが証明できた場合には罪を免れることになっているのです。



従業者名簿の作成管理は、営業者が万が一18歳未満の者に接待させてしまった場合に、その過失が無かったことを立証するためなのであって、本来は営業者の身を守るために行うのだという点をご理解いただきたいです。



第五十条  次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

1 (省略)

2  第二十二条第三号若しくは第四号(第三十二条第三項において準用する場合を含む。)、第二十八条第十二項第三号、第三十一条の三第三項第一号、第三十一条の十三第二項第三号若しくは第四号又は第三十一条の十八第二項第一号に掲げる行為をした者は、当該十八歳未満の者の年齢を知らないことを理由として、前項の規定による処罰を免れることができない。ただし、過失のないときは、この限りでない。



さらには、従業者名簿の不備は指示処分の理由としてもっとも割合が多いので、万全を期して作成管理していただきたいです。

たとえば、本籍地欄が空欄だったというだけで指示処分が出ることがあります。

従業者を雇用した際には、労働させる前に名簿を完備してください。

来客が多くて人手不足になったときに、系列店から急遽従業員を派遣したところ、たまたま警察の立ち入りがあって行政処分を受けてしまったということはよくあります。

また、退職後3年が経過してないのに名簿を処分してしまったというミスもあります。

たとえば、19歳の少女が薬物事犯で立件され、薬物購入費の出所を調べたところ、17歳のときに社交飲食店で働いていたことが判明した、というケースであれば、その少女が退職して3年が経過していないので、もし店で従業者名簿を保管していなかったとしたら非常にやっかいなことになるかもしれません。



このような現実がありますので、従業者を雇う際には年齢について確認し、名簿を作成管理し、退職後3年間は保存し、書類に不備が無いかどうか定期的にチェックしなければなりません。



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