2021年11月21日

役員変更の登記は変更の都度行うのでしょうか?

A,会社が他の会社と新たに取引をはじめる場合には、新規取引先となる会社の基本的な情報を得るために、その相手方の会社の登記事項証明をみずから法務局で取得したり、相手方の会社から譲り受けたりすることがよくあります。

なお、「登記簿謄本と登記事項証明は違うものですか?」という質問がよくありますが、会社の登記に関する事務がコンピューターで行われているために登記事項が電子データとして保管されている法務局では、電子データの内容を印刷して発行するので「登記事項証明」として発行されます。
紙に書かれた簿冊(いわゆる登記簿)で登記事項を管理している法務局では、登記簿に書かれた内容をコピーして発行するので「登記簿謄本」(謄本とは複写した紙という意味です。)という証明書を発行します。どちらも証明されている内容は同じですが、現在はほとんど全ての法務局がコンピューター化されていますから、基本的にどこで取得しても「登記事項証明」が交付されます。

新たな取引を始める際に取引相手の登記情報を見れば、様々なことを分析することができるので、安全な取引を始めようとするうえで登記情報には重要な意味があります。
もし法務局で登記されている情報が不正確であれば、取引の相手は安全で円滑な取引を行うことはできません。
たとえば契約にあたって、相手側の「取締役」と称する人物が登記されていないような場合には、その「自称取締役」の実在を確認できないので、そのような相手と契約することは危険だと考えることができます。
このように登記情報は企業間の円滑な取引のためにも重要な意味を持っていますので、会社の状況の変化に応じて常に正確な状況を登記しておくことは、会社の信用を維持しておくために最低限行っていなければならないことです。

会社の役員や本店の所在地が変更された場合などにも、変更の登記を行う必要がありますが、変更の内容ごとに登記すべき期間が定められています。原則として、登記の事由が発生したときから、本店の所在地においては2週間以内、登記された支店の所在地においては3週間以内に登記を行う必要があります。(会社法第915条、第930条など)

この期間内での登記を怠って、時間が経過してから登記を申請しても、登記期間を過ぎているという理由だけで登記申請が却下されるわけではありませんが、申請を怠った会社の代表者に過料という制裁がなされる場合があります。過料とは、「あやまち」と書いていることからわかるとおり、行政上行わなければならない義務に違反したりした場合に科される行政罰であって、刑事罰ほどに深刻な処分ではありません。
パチンコ店が風俗営業の許可を受けようとする際に、「一定の罰金刑を受けたことがないこと」といった要件を満たしている必要がありますが、「過料」は刑事罰ではありませんので、過料を受けたことがあっても許可の可否に影響はありません。

登記の遅滞に関する過料の額は、100万円以下の範囲で裁判所が決めることになっています(会社法第976条第一項第一号など)が、実際に100万円の過料の制裁が行われるということはほとんどなく、だいたい3万円から10万円程度となっていることが多いようです。

登記事項証明書に記載されている内容は、現在のその会社の基本的な状況を反映していると考えることができます。ここには、商号、本店所在地、事業目的、資本金額、株式数、役員など法令で定められた内容が記載されています。そのほか会社によっては、新株予約権や種類株式に関することや、有限会社から株式会社に組織変更されたこと、本店の所在地が移転しているといったことなども、登記情報の記載で確認することができますが、これらの変更に関する情報についても、変更後速やかに登記申請を行う必要があります。

以上のとおり、会社の変更登記は会社の信用維持のために重要なことですので、登記手続きを適切に管理して、登記を怠りなく行っていただきたいです。
posted by 風営法担当 at 19:25 | 法務相談カルテ

2021年11月15日

ぱちんこ営業・インボイス制度・古物営業許可取得

はい。このタイトルにしたのは、P業界の方々にそろそろこのことを理解いただく必要があると思ったからです。

古物営業許可をとっとけばいいんでしょ。

誰が? ううん。そう。

で、許可を取るにも、重要ポイントをきちんと理解していただいて、それを踏まえて運用していただきたい。

なんでもかんでもおかみに聞けばいい。

という習性が身についている方々。特に昭和世代の方々。

あぶないです。<ことの本質>と<時代の変化>を冷静に考えてみていただきたい。

まずはそこからです。ようく考えてから行動してください。

お願いします。

弊社へのお問い合わせは 電話042-701-3010 風営担当まで。
posted by 風営法担当 at 17:29 | パチンコ・ゲームセンター・遊技場

2021年11月08日

風営法の規制を受ける経営者が見落としてしまうこと

前回のブログで触れた「まんだらけ」の書類送検のニュースですが、その後、事業者の公式サイトにおいて見解が述べられています。

https://www.mandarake.co.jp/information/customary/211025/index.html

これを見て私が気になったのは、「応援のメッセージ」がくっついていること。

「H系なんて他のお店もいっぱい扱っているのに何故まんだらけだけ?と思いました。不公平感が拭えません。」

という<応援者>のコメントをわざわざこのようにして引用していることから、経営トップの方は、摘発されたことについてまだご不満があるのだろうな、と想像しました。

確かに、風営法を厳密にあてはめたら、違法な店舗はたくさんあります。

しかし、それは「まんだらけ」と同種の業態に限りません。

これは私の「感触」にすぎませんが、世間一般の皆さんが想像するよりもずっと多くの「違法営業」が様々な業種で存在しています。

「ならば、どうしてウチだけが?」

と考える経営者はたくさんいます。それは、自分が摘発されたから、そう思うんですね。

そして、取り調べを受けたときにも、そういう発言をして、近隣同業者のことも話す。そして警察が他の違法店の情報をキャッチして、その近隣の同種の店舗を一通り摘発する。これがよくある<展開>です。

しかしですね。この摘発はそもそも、どういう背景で起きたんでしょう。

よくある話として、近隣住民からの苦情が多かったとか、隣近所に迷惑をかけていたとか、そういうことがあると、地域の風俗環境に対して責任を持つ警察署の立場として無視できなくなります。

だから、やるべきことをやらねばならない。そうでないと、地元の市民から「頼りない警察」と思われてしまいます。

だからこうなった。と私は勝手に想像するのですが、もし私の想像と同じ認識をしていたとしたら、こういった「不満」を会社として公式に表現するものかな。

なにか大事なことを見落としているのではないか。または、そのことが経営トップから理解されていない。またはそのことが部下や専門家からトップに進言されにくい組織ではないか。いやでも、上場企業ですよね。

なんとなく、そんなことなどを心配してしまいました。私の想像ははずれているかもしれませんが。
posted by 風営法担当 at 13:06 | 性風俗業界

2021年10月22日

「もっぱら」の意味を考えさせるニュース まんだらけ書類送検

「まんだらけ」を書類送検 禁止区域で風俗営業の疑い
https://news.yahoo.co.jp/articles/6463269f85fed20e0d133e314df24773d755747b

「まんだらけ」というのは詳しくは知りませんが、アダルト系のDVDや雑誌などを販売している店でしょうか。

それが風営法における店舗型性風俗特殊営業を禁止区域で営業した、という容疑で摘発されたそうです。

風営法2条6項の5号にあたるかな。
「店舗を設けて、専ら、性的好奇心をそそる写真、ビデオテープその他の物品で政令で定めるものを販売し、又は貸し付ける営業」

店舗型性風俗特殊営業を行うには公安委員会への届け出が義務となりますが、条例で指定された禁止区域では営業できないので、届け出しても不受理扱いとなります。

立件された店は風営法に基づく営業開始届をしないで営業していたということで、そういうアダルトショップは結構多いです。

この会社はマザーズに上場しているんですよね。なのに警視庁から何度も警告を受け、近隣住民からの苦情も出ていたとなると、経営上重大な問題がある会社だと思ってしまいましたよ。

こういった店舗は「店舗型性風俗特殊営業ではない」という前提で営業をしています。

アダルトDVDを販売していながら、なぜ風営法の規制を受けないことにできるのか。

それは「専ら(もっぱら)」という言葉がポイントです。

アダルト系商品の設置割合が「専らではない」程度であれば風営法の規制対象とならない。

これはつまり、割合の問題です。となると、最初は「ほんのちょっと」だったものが、徐々に割合が増えて、いつの間にか「専ら」になり果ててしまっている、ということはありえます。

このニュースの案件は、単純に割合の問題ではなくて、背景には取り締まりを受けてしまう(警察が摘発したくなってしまう)特殊な事情があったのだろうと、なんとなく推測してしまいます。

一方で、「もっぱら」は重要だ。という教訓ともなりそうな事例です。

最後に。

このニュース記事のタイトルの「禁止区域で風俗営業の疑い」は間違っていますね。

この営業は「風俗営業」ではなくて「店舗型性風俗特殊営業」です。
posted by 風営法担当 at 15:07 | 性風俗業界