2021年03月18日

やっぱり心理現象じゃないの?

今月1日にアップした当ブログ。

「法律問題ではなく心理現象だったかも」
http://www.ryoko-net.co.jp/?p=91451

で触れました、観光立国調査会の
「観光業に係る法制度のあり方に関するWT(ワーキングチーム)」
ですが、その第4回目の内容がニュース記事になっていました。

記事に書いてあることが正確なのかわかりませんが、一応正しいだろうと信じるとして、風営法制度に関してなんとなく興味深い部分がありましたよ。

まずは次の部分
「旅館の風俗営業法(以下、風営法)適用については、旅館すべてに風営法が必須と解釈している自治体や地方警察が多いことが問題視されている。」

ふむ。旅館すべてに風営法が必須と解釈している地域があるんですね。
本当かな? ありえる話ではありますが、どこだろう?

そして次に。

「国は旅館の風営法に関し、「風営法に抵触しない旅館施設については、対象とみなさない。また、対象外でありながら風営法を適用している旅館についても許可証の返納を認める」としている。」

これって<当たり前>のことですね。
風営法に抵触しなければ対象にするわけがないし、対象外なのに風営許可を受けているなら返納を認める。

こんな当たり前の回答を国から受けて、その後、いったいどういう議論になったのかな?

さらに次。
「通常の接客スタイルを行う施設の風営法除外とともに、国と地元警察、自治体間の基準統一」

「通常の接客スタイル」が<接待をしていない>ことを意味しているのなら、風営法除外は当然ですね。

但し、警察の解釈が間違っていて、実際には接待していないのに風営許可を取得するよう指導されているケースがある、ということでしょうか。

しかしながら、接待をしていなくても許可を取りたい事業者は一応ありえます。

<たとえば、ウチはスナックなんですが接待はしないです。でも、一応許可は取っておきたい。>

こんな話はあります。許可を取りたければ取ったらいい。

しかし、許可を取るべきだと警察が言うから、本音では風営許可は取りたくないのに、いやいやながら取らされているんです。

ということもありえます。

それはつまり、
「あなたのお店は接待をしていないけれど風営許可を取っとけ」
と警察が指導したということなんですかね。

そんなことがありますでしょうか。推測にすぎませんが、実際にはこうじゃないでしょうか。

「ウチの旅館は風営許可が必要でしょうか?」

「接待するなら風営許可が必要です(警察)」

「接待ってなんですか?」

「従業員がお客さんと談笑したり、お酌をしたり、一緒にカラオケ歌ったり・・・(警察)」

「エッ!?それが一瞬でもあったらダメですか?」

「ま一応法律がそうなっているんで・・・(警察)」

「じゃ、許可取ります・・・」

てことではありませんかね。

こんな話があちこちにふりまかれているうちに、

<警察が全ての旅館に風営許可を取るよう指導した>

という結論が導き出されましたとさ。

さて。もしこういう「現象」だったとしたらですよ。

法制度を議論することには意味がないような気がするのです。

先日このブログで述べたことの繰り返しになりますが、

「心理的な現象」

ということになりませんかね。

もちろん、私はこの会議の実際の話は知りません。ニュース記事を見て、そんなことが思い浮かんだだけです。

なぜ思い浮かんだか。

それは私がよく関わっている業界で、偉い方々の議論をしばしば聞いていたからだと思います。

<風営法の運用実態>をよくわかっている人の意見を取り入れて議論したらよいのにな。

と思ったりします。余計なお世話ではありましょうが。
posted by 風営法担当 at 17:04 | 風営法一般

2021年03月15日

行政処分の量定とは何ですか?

(月刊プレイグラフ 2015年6月号掲載)
都道府県公安委員会は、風俗営業に関して法令違反があったときのほか、風営法に基づく処分や許可条件に対する違反行為があった場合には、その風俗営業の「許可の取り消し」、「営業の停止」、「指示」といった処分を行うことできます(風営法第26条第1項)。

具体的にどのような処分を下すかは都道府県公安委員会の裁量に委ねられていますが、どのような行為に対してどの程度の重さの不利益処分を科すべきかを判断する際の基準の一つとなるものが行政処分の量定です。

警察庁では「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく営業停止命令等の基準」を策定し、その中で、許可の取り消し又は営業停止処分を行う際の基準として、処分の理由となる各種の法令違反等の行為をAからHまでの8種類の量定に分類し、量定ごとに科される処分の内容について次のように定めています。

A 取消し。
B 40日以上6月以下の営業停止命令。  基準期間は、 3月
C 20日以上6月以下の営業停止命令。  基準期間は、40日
D 10日以上80日以下の営業停止命令。 基準期間は、20日
           遊技機変更届出義務違反にあっては 1月
E 5日以上40日以下の営業停止命令。   基準期間は、14日
F 5日以上20日以下の営業停止命令。   基準期間は、 7日
G 営業停止命令を行わないもの(指示処分に限り、当該指示処分に違反した場合に当該指示処分違反を処分事由として営業停止命令を行う。)
H 5日以上80日以下の営業停止命令。 基準期間は、20日

量定の「A」は「許可取り消し」となっていますので、もっとも重い処分に相当しますが、「A」に該当する場合としては、構造設備及び遊技機の無承認変更、名義貸し違反、年少者接客従事禁止違反、営業停止命令違反、遊技機に関する承認の不正取得、一定の刑法犯、その他重大な法令違反があげられています。

量定の「B」は、広告宣伝規制違反に対する指示処分違反、遊技機規制違反、年少者の立ち入らせ、未成年者への酒類たばこの提供などがあり、「C」から「G」へと量定が移るにつれ徐々に処分内容が軽くなってゆきます。最後の「H」は、「A」から「G」に分類されていない法令違反に対するもので、風営法施行条例の違反は「H」に該当します。なお、平成27年4月1日から「現金等提供禁止違反」と「賞品買取り禁止違反」が「C」から「B」へ変更されました。

しかし、法令違反等の行為に対する全ての処分が上記の量定に従って科されるわけではありません。都道府県公安委員会は法令違反等があった場合には風俗営業者に対し「指示」という処分を行うことができるとされており(風営法第25条)、通常は最初に指示処分を行い、当該指示処分に違反した場合に許可取り消しや営業停止命令を行うこととされています。

ただし、風営法に基づく処分、又は風営法もとづいて付された許可条件に違反した場合のほか、次のような場合は指示処分を行わずに直ちに許可を取消し、又は営業停止命令を行っても差し支えないものとされています。
(1) 同種の処分事由に当たる法令違反行為であって悪質なもの(風営法に掲げる罪に当たる違法な行為及び制令で定める重大な不正行為を含む。)を短期間に繰り返し又は指導や警告を無視する等、指示処分によっては自主的に法令を遵守する見込みがないと認められる場合。
(2) 指示処分の期間中に、当該指示処分には違反していないが、当該指示処分の処分事由に係る法令違反行為と同種の法令違反行為を行った場合
(3) 罰則の適用がある法令違反行為によって検挙された場合(起訴相当として送致した場合に限る。)
(4) 短期20日以上の量定に相当する処分事由(法に基づく条例の違反に係る処分事由であって各県において短期20日以上の量定が定められているものを含む。)に当たる法令違反行為が行われた場合
(5) 上記(1)から(4)までに掲げる場合のほか、法令違反行為の態様が悪質で、善良な風俗若しくは清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがある重大な結果が生じた場合
以上

警察庁が定めたこの基準では、これらのほかにも様々の判断基準が示されており、それらを総合的に勘案して判断することとなりますから、ここで紹介した内容だけで判断されるわけではありません。警察庁のホームページでダウンロードできますので、ぜひ一度目を通しておかれるとよいでしょう。

posted by 風営法担当 at 23:53 | 法務相談カルテ

2021年03月10日

時短協力金の申請期間が短いと思う

風営法とはちょっと違う話ですが。

時短要請を受けて休業または時間短縮している夜間営業飲食店は協力金をもらえます。

が。行政サイトの情報をよく見ておかないと、せっかく休業しても協力金をもらい損ねてしまうケースがでています。

神奈川県の場合、協力金の第5弾は1月12日から2月7日までの時短が対象ですが、交付申請は2月8日から開始され、3月5日で締め切られました。

でも時短要請はまだ続いています。

事業者さんの中には、自粛期間が終わってから交付申請するものだと勘違いしている人がいます。

第5弾に続いて3月8日以降についての第6弾の協力金制度が、そしてさらに第7弾もでてきましたが、はっきり言って、いちいち面倒くさいです。

しかも、回を重ねるごとに事業者への要求が微妙に増えています。

これでは、こまめにサイト情報をチェックしていないと支給要件を満たせないです。

しかも申請期間が短すぎます。

協力金はすでに第7弾に達しています。
ということは、全ての協力に応じたら7回も申請するわけです。

これでは、ネット情報を活用するのが苦手な人にとって、とても酷な話だと思います。

しかも都道府県によってやり方が異なりますが、他県の情報を聞いて安心している人もいますからね。

郵便で協力金の案内を通知しているわけでもないのに、こんなことでいいのかな?

協力への見返りが協力金なのに、情報弱者は協力しても見捨てられてしまう。

マスコミはこういったことは取り上げないですから、せめてここで語っておこうと思いました。
posted by 風営法担当 at 15:00 | 飲食店業界

2021年03月08日

この世は法令違反に満ち溢れているのに

「私の今後についてお話しします」

https://logtube.jp/entertainment/93604

例の機動隊に踏み込まれた新宿歌舞伎町のキャバクラの話です。

経営者である女性の謝罪動画が作られ、続いてまた本音を語る映像がアップされています。

これを見ますと、世間の注目は「時間外営業」に向いてしまうんですね。

コロナ対策で時短営業を要請されているという特殊な時期なので、そういう思いになってしまうのは自然なことでしょう。

一方で、今回の映像で経営者の女性が語っている話を聞いた私の感想は。

「そうそう。そうなんだよね。」

です。

<時間外営業は他の人もやっている。>

そうです。コロナ禍でなければ、それがフツーであり現実です。

そして時間外営業は行政違反であって、比較的に軽微な違反です。

<たちしょんべんみたいなもの。>

なるほどね。

<深夜営業をしなければ普通はやっていけない。>

それもそう。だから彼女の話は、私にとっては<この業界における当たり前>のこと。

そして、

「深夜営業をしてもいいよと国が言ってくれれば〜」

そうですよ。風営法を変えたらいいですよ。

私も風営法の改正について日夜考えています。

でもですね。
いまフツーに風営法の規制下で営業している人でも、風営法に疑問を持っている人はほとんどいなくて、

<風営法改正なんて他人ごと。どうてもいい話。>

です。

私が飲食業界の団体の方々とかに、
「風営法について改正したい点はない?」

と聞いても、まあー、どうでもいい的な対応ですよ。

だから、この女性の話を聞いて、「そうだね。よく気がついたね。」と思います。

世間一般の方にとっては、

<法令違反の言い訳なんかしやがって>

ってことでしょう。

そうですね。たしかに法令違反は悪いことです。

でもね。この世の中には、そんなに単純には白黒はっきりできない部分があるのですよ。

そこで必死に働きながら誰かを守っている人がいる。

そのことは、この事件を担当した警察の方々はようくわかっておられる。

本当に問題だったのはどこだったかも。

この話。私のコンプライアンス研修を受けた方は理解できたはず。

よく見つめてみれば、この世は法令違反に満ち溢れています。

この女性の本来の問題点は、

<警察の立入りを拒否することがどれほど大きなリスクであるかを理解できる人>

に店を任せていなかった。又はそういったことを無視できる人とかかわっていたという点にあるのではないか。

ホール業界の皆さんにとっても他人事ではないと思いますよ。

法的リスクを的確に計算できる人を配置していますか?

できていませんよね。そのことをまだ気がついておられない。

まずは経営者の方々からです。踏み込まれてからでは遅いのですから。
posted by 風営法担当 at 18:52 | 風営法一般